日曜の夕方には少しだけ晴れ間が覗きそうなので、明日の仕事に
差し支え無い様に、10時か11時に切り上げるつもりで富士山に向かった。
【↑午後の富士山には少し雲が残っている】
ちなみに、今まで1600ccのくせに大きなミニバン並に7km/lしか走らない
ダートラ仕様、ETC無しのミラージュだったので富士山への交通費が
毎回1.2万位掛かっていた。たまりかねて、今更ながらだが、オート
バックスで買って来たETCを昨日自分でミラージュに取り付けたので、
今回から↓ETC専用レーンを楽々通過。(今更かよ!汗!)
だいたい遠征の時間は割引料金なので、高速代は多少節約になったか。
いつもの5合目の駐車場に着いたのは午後4時。もうじき登山シーズンも
終わりなので、上の駐車場の一般車もごくわずか。天気は多少雲の残る
天気だが、この後晴れる事を祈りつつ、機材のセットアップ。
設置が終わる頃にはかなり晴れて来た↑
暗くなって来たので、極軸を急いで合わせて、まだ薄明が終わらないうちに
前回、ピンボケで今ひとつだったM101とスーパーノバ(超新星)を狙った。
淡々とスカイセンサーの設定をすると、前回同様サーチエラーが出るので
時刻を5時間ほど前に設定してスカイセンサーを騙すと、無事にサーチ
エラーも出ず、M101を導入できた。導入できたが、まだ薄明なので余り
はっきり銀河が写っていない。山裾に沈むまでに時間が余り無いので
取りあえず薄明のうちから、山に沈むまで撮影して、まともに写ってそう
な物を集めてコンポジットしたのが↓したの絵。
【↑M101回転花火銀河と超新星2011fe】SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm
48倍 LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 21コマ
撮影日:2011/10/23 18:20-19:08 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
・レベル・サイズ調整
仰角が低く、まだ薄明で北西の空が暗く成りきって無い事もあり、全体に
うっすらとした感じで銀河の周辺部分の形をはっきりと捕らえきれない感じ。
結局ピンボケの前回より少しはましになったが、もう一息と言った写りの
感じに成った。明け方ならうまく捕らえられただろうか?
矢印部分の超新星は、前回9/24に捕らえた時から一月近く経つが、その
明るさは多少暗くなっただろうか?それでもまだ、かなり明るく写ってる。
【9月24日撮影と今回の比較】
前回の画像はちょっとピンボケで申し訳ないが、こうやって並べてみると
銀河中心部やそのすぐ右上の星の明るさと比較して確かに1月前より暗く
なっているのがはっきり判る。名寄市立天文台の観測結果によると
概ね1等級ぐらい暗くなっているようだ。
まだしばらくは、明るく見えるだろうか?次に撮る時まで輝き続けて
いるだろうか?出来れば、もう少し条件の良い時にM101と共に写真に
収めたい物だ。
M101とスーパーノバが山に沈んだ後は、やはり沈み際の夏のあでやかな
いて座の星雲で、唯一、暗い山で撮って無かったM17オメガ星雲を狙った。
M17は三鷹から結構写ったので、山で撮らなくても良いかななんて思って
いたが、やはり暗い場所での映像も納めておきたい所だ。
沈みかけた、いて座のヌンキを基準星に導入を掛けるが先程時刻を遅らせて
入力したので、例によって南中前の判断で、反対方向へ鏡筒が回る!慌てて
スカイセンサーの時刻を正しく戻す。M101を撮影していた為、こちらも、
もう山に沈むまでに幾らも時間が残ってない。あせりながらM17を導入して
目一杯の64秒で撮影した。こちらも仰角は低かったのだが、さすが三鷹でも
結構写っただけ有って低仰角でもはっきりとその赤い色がバックモニターに
写っていた。結局、撮影を始めて直ぐに山に隠れてしまったので、使えた
カットは6コマしかなかった。
【↑M17オメガ星雲】SM-R125S/D:130 f:720 UW15mm 48倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 6コマ
撮影日:2011/10/23 19:23-19:35 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
・レベル・サイズ調整
毎回、M17の画像を見るたびに、深海魚に似ていると思うのだが、今回の
絵は、深海魚の胴体の左端から右上に向かって伸びる赤い星雲も写り、
まるでサソリかエビの尻尾の様だ。深海魚の胴体部分の右端の、ぱっくり
開いた口に相当する部分の下にも、これ又淡い赤い星雲が数カ所下方向に
伸びて、まるでエビの前足の様にもみえる。なんだか深海の甲殻類の様な
怪しい感じが全開のM17だ。
この絵なら、深海魚の胴体部分とその上の尻尾に見える部分をつなげて
Ωの文字が左に倒れた様にみえる。これがオメガ星雲の由来なのか。
M17が南西の山に沈んで、さて次は何を撮ろう。実は山に行く前から前述の
二つは押さえて置きたいと思って、撮影の順番まで考えていたが、その後
何を撮るか決めてなかった。と言うか、何が見えて、何が撮れるかあんまり
予習してなかった。この辺が初心者なので、直ぐに頭に天体が浮かばない。
ノートPCでステラリウムを見ながら、あれこれさがして、何となく目に
ついたのが、『Saturn nebula』。う~ん、良く知らないがどんなもん
だろうと、試しに導入して撮影してみる。写真とかを見た事がないから、
大きさも良く判らない。そのままのアイピースで撮影してみたが、何やら
写ってる物のはっきり言って、↓何がなんだか判らなかった。
【NGC7009 Saturn nebula近辺?】(撮影条件はM17に同じ、JPEG一枚画像)
ステラリウムに書かれていたSaturn nebula。いったいなんだろうと思って
いたが、後でNETで調べると土星のサターンなのね。大きさもずいぶん小さい
様で、この倍率ではっきり捕らえるのはかなり厳しいみたい。上の写真では、
どこがどこだか、さっぱり判らない。大失敗だな。貴重な時間を無駄にして
しまった。
またしばらくステラリウムとにらめっこして、次のターゲットを決める。
次は、前回、三鷹でかすかにしか写らなかった、NGC7000北アメリカ星雲を
撮ってみる事にした。
北アメリカ星雲は隣りにペリカン星雲があり、良く並んだ写真を見かけるが
くっしーのシステムでは、両方は入りきらない。北アメリカ星雲だけでも
一杯一杯だ。そんな訳で、はくちょう座のα星デネブから自動導入を掛けて
NGC7000を導入する。数秒撮影で位置確認するが、大きすぎて全体像が良く
掴めないので、自動導入のまま位置を動かさないで、64秒で撮ったのが
下の絵↓
【↑NGC7000 北アメリカ星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 6コマ
撮影日:2011/10/23 20:57-21:35 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
・レベル・サイズ調整
だいぶ雲が出てきて、雲にじゃまされたカットが多く使えたのは6コマしか
なかった。
写った星雲の形を見ると、ちょっと写りが薄くて大陸の真ん中の方が少し
赤くない部分が有る物の、全体としては、確かに北アメリカの形をしている
様に見える。左下に突き出た部分はメキシコ半島っぽい形をしているし。
なんとなく、これはその形と名前に納得と言った感じだ。
【2011.11.3再処理画像追加 ↓ 】
再処理記事はこちら
北アメリカ星雲の撮影が終わると、時計は10時に近づいていた。そろそろ
撤収も考えないといけない時間だが、もう一天体と思い、次の対象を何に
するか、PCを眺めていて目についてのが『網状星雲』。そう言えば、
Nikon 8cmさんの所で、その一部を撮影していたのを思い出して撮影して
みることにした。全体の形は、本で見た事があるが、天体としてはNGC6960
/6992/6995と三つに別れているが、どれがどれか良く判らない。
取りあえずNGC6960を導入して、10秒位で撮ってみるが、どうも良く判らない。
そのまま、64秒で撮ると何となくにょろにょろとしたのが明るい輝星を中心に
伸びている様なので、そのまま撮影を続ける。途中雲にじゃまされながら
最後は、デジカメの2個目のバッテリー切れで撮影終了となるまで撮影した
20コマの中から雲の少ない使えそうな9コマをコンポジットしたのが
↓下の絵
【↑NGC6960 網状星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL40mm 18倍
LPS-P2使用 IXY 30S ISO:3200 S:64秒 F:2.0 f=4.9mm 9コマ
撮影日:2011/10/23 21:56-22:39 撮影場所:静岡県駿東郡
Registaxでコンポジット→YIMGでかぶり補正・トリミング
・レベル・サイズ調整
全体的に星雲が、ミミズの様にうねうねと伸びた超新星残骸がしっかりと
写っていた。さすがに赤と青の細かい組模様状態までは写っていないが、
何となく、部分的に赤い所と青い所が見て取れるかな?と言った写りだ。
倍率を上げると少しはその組模様を写す事が出来るだろうか?
でもそうすると、全体が入りきらないから、コンデジの撮影では、なかなか
この辺が良い所かも知れない。
そんな訳で、本当は、直ぐ側のNGC6992/6995も撮りたかったが、丁度
コンデジの電池が切れたので、切りよく撤収する事にした。11時には片付け
終わり、月出前の暗い夜空に後ろ髪を引かれながら、帰途に就いた。途中の
富士五湖道路の温度計は12度だったのでこの間よりずいぶん暖かかった
みたいだ。
2011.10.23(10/26)
コメント一覧
くっしー
NIkon 8cm
くっしー
沼尻
最新の画像もっと見る
最近の「天体観望・撮影(遠征地)」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事