撮影し終わると既に時計は3時半を回っている。薄明まで残り1時間。
いつもなら、球状星団に移る所だが、この日はもう少し銀河を追いかけた。
既に西に傾きかけたおとめ座のM49から少しだけ上に上がってM58を
撮影した。
撮影の最後には薄明で少し背景が青くなってきたが、何とか20枚を
写し終えて、その内、追尾エラーの少ない13枚をコンポジットした。
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【↑M58 おとめ座の棒渦巻き銀河】
Vixen SuperMirror-R125S/D:130 f:720 EP:UW9mm 80倍 GPE/SkySensor2
LPS-P2使用 コリメート法 Canon PowerShot S90 F:2.0 f=6.0mm
ISO3200 S:101秒x13コマ ダーク減算無し 撮影場所:山梨県南都留郡
撮影日:2012/4/1 03:45~04:24
jpegからRegistacsでコンポジット→YIMGで回転、トリミング、
→FlatAideでかぶり補正→YIMGでガンマ補正、リサイズ
M58は、9.8等級、5分角と、見かけ上、M49より一回り暗くて小さい。
しかし写真では、中心の棒状の腕と、そこから伸びる銀河の2本の腕が
丸く渦巻いて、さらに淡く広がって行く様が、ぎりぎりだが捉えられた。
もう少し腕がハッキリ写れば良かったのだが、だいぶ傾きかけて高度を
下げている事も多少影響しているだろうか?
M58も、M49やその他のおとめ座の銀河とほぼ同じ5500万光年ほど離れた
距離にある。余りにも大きな数字で、なんともピンと来ないのだが
その銀河の消え入りそうな腕の写りに、多少はその距離感を感じられる
と言った所だろうか?
この距離だと、渦巻銀河の腕もかなり薄くしか写ってくれないのは、
今のシステムの限界だろうか。もう少し長めの露光を掛ければ、
多少はハッキリ映し出せるだろうか、、、
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【↑南に高く上ってきた天の川】Canon IXY910is 2012.4.1
3:58 ISO:800 S=64秒 F=2.8 f=4.6mm(35mm版28mm相当)
南の空には、富士山を背景にさそり座が南中し、天の川もかなり
高い位置まで上ってきた。夏の夜空もすぐそこまで迫ってきている。
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【↑星座線を入れるとこんな感じ】
今年もまた、夏の華やかな星雲たちが、そろそろ写し頃を迎える。
去年の撮影は、まだ長秒露出が、初めてうまく行った頃だった。
今年はもう少し綺麗に写してやることが出来るだろうか、、、
2012.4.1(4/27)