くっしーの徒然日記

月の昇る前に(M8)

昨日に引き続き今日も晴れた。でも明日からは天気が悪くなって、夜空が
見えそうにない予報なので、今日近くの山に13cmを持って出掛けた。

観望場所の標高は400mと低いが、東以外は仰角5度位から見渡せる
場所で、実家から30分の距離で、お手軽プチ遠征である。
ちなみに、光害指数は、実家より多少良い15で有る。

まだ明るいうちに観望場所に着くと、珍しく今日は先客の
バイクのお兄さんが下にテントを張って、展望台にいた。

展望台に機材を運んでセットアップしていると、お兄さんが珍しそうに
話しかけてきたので、話の相手をしながらセットアップを急ぐ。
なにしろ今日はまだ18日月なので、月が出る8時過ぎ頃までが勝負だ。

機材のセットアップは出来たが、まだ明るいので、北極星が見えない。
しばらく、お兄さんと話をしながら暗く成るのを待った。

暗くなって今日は間違えずに極軸を合わせて、基準星にアンタレスを
導入して設定する。


今日は、月が出る前の、南方向の比較的低めの天体をターゲットにする。
先ずは長秒撮影の真価が確認できそうなM8干潟星雲をねらう。目標設定
入力をすると、ピーピーと言いながら、又しても反対方向に行く!
ありゃ!なんで?極軸の通る、南中線を挟むと駄目なの?

実は、今日は双眼鏡を持ってくるのを忘れたので、くっしーの視力では
なかなか星座の星の並びを結べなくて、あわててステラリウムを覗き込ん
で、夜空と見比べる。M8方向の基準星として今度はいて座のσ星ヌンキを
何とかファインダーで捕まえて、基準星設定を行った後、M8を指示するが
又しても反対方向(今度は東)へ鏡筒が動き出した。え~!なんで~!!

そうこうしている間にも8時半を過ぎ、月出の時間である!幸い東方向は
20度位まで山で隠れているので、直ぐには影響が出ていない様だ。
今日は全く言う事を聞かないスカイセンサーに焦るくっしー。頭に来て
スカイセンサーをあきらめ、ヌンキから、明るめの星をファインダーで
たどり、何とか手動で、M8の導入に成功!


↑慌てて、64秒でシャッターを切るが、空の透明度が今一
なのと、多少月明かりの影響も出始めているのか、真っ白け!

諦めて、シャッタースピードを少しずつ調整して、最終的に20秒に
設定し、月が山から出てくるまで、急いで撮り続けた。

途中からは、やはり月は見えずとも、月明かりの影響が出て、
画面が少しづつ白くなるのがモニターからも判り、気が急く。

最後は、山から月が顔を出した所で、撮影を終了した。

この後は、出てきた月を導入して、お兄さんに見せてあげた後
機材を撤収して、山を降りた。

ちなみに、帰り道の道端には、なんとイノシシの子供(うり坊)
が3匹いた!!さすが田舎!撮影中に親が現れなくて良かった、、

後日、月明かりの影響が多かった最後の20枚を除いて40枚程
撮った中から27枚をコンポジットしたのが下の絵↓


【↑M8干潟星雲】SM-R125S/D:130 f:720 PL25mm 29倍 
IXY 30S ISO:3200 S:20秒F:2.0 f=4.9mm 27コマ 
撮影日:2011/8/17 20:58-21:33 
撮影場所:香川県善通寺市 Registaxでコンポジット
→YIMGでかぶり補正・トリミング・ガンマ・レベル・彩度・サイズ調整

撮って出しの画像は、かぶりもあり、それ程良く写ってないのかなと
思ったが、画像処理でなんとか強引に星雲の赤を引っ張り出した感じは
有るが、それでも、前回富士山で撮ったISO1600/15秒の画像と比べると
中心部の赤だけでなく、その周辺一帯まで星雲の広がりが判る。
その形が、珊瑚礁に似ていると言う事で、ラグーンネビュラ、干潟星雲と
名前が付いているが、確かに海に広がる美しい珊瑚礁の様にも見える。

さすがに沼尻さんの直焦点画像には遠く及ばないが、それでも以前とは
格段の違いで、良く写ってる。

コンパクトデジカメで、しかも20秒の露出と、その最大能力の1/3しか
使ってないのに、ここまで写るとは、自分でも驚きである。もし順調に
撮影できていれば、この後、M20三裂星雲、M17オメガ星雲やM16わし星雲
など、赤い星雲をいくつか撮るつもりだったのにちょっと残念である。

しかし、コンデジ、コリメートでの高感度・長秒露出撮影での可能性を
見いだせただけでも今日は大収穫である。

ちなみに、画像処理前の、スタックとトリミング・リサイズだけ
の画像は↓こんな感じである。


いや、今後の遠征が楽しみだ~!ああ、早く暗い所へ遠征したい、、、
2011.8.17(8/22)

補足:後でSS2の取説を良く読むと設定した星と目標の星が子午線
  (この場合南中線?)を挟んで分かれている時は、3脚が当たるのを
  防ぐ為、赤緯軸回りに180度回転するSOFTになっていると書いてある
  丁度アンタレスで設定した時は、M8は南中前、ヌンキで設定した時は
  南中を過ぎていた可能性が高くその為どちらも逆回りをしたのかも。

コメント一覧

くっしー
Nikon 8cmさん、私も、20秒でここまで写るとは思いませんでした。空の透明度はあまり高くなかったけど、田舎なので、空気が澄んでいたのも良かったのかも知れません。

Nikonの望遠鏡ですが、極軸望遠鏡が付かない構造なんですよね?良くうちのブログに来てくれる貧スタさんのブログを見ると↓
http://plaza.rakuten.co.jp/startwaching/diary/200612170000/
水準器を取り付けて水平出しすれば、高度目盛りによる極軸あわせでも、結構信頼性が上がるようです。

ちなみに私は以前は、赤道儀の極軸と望遠鏡を目見当で平行(同じ向き)にして、望遠鏡の視野の中心に北極星を導入して極軸合わせをしていました。極点と北極星が40分位ずれているんですが、接眼レンズには、スケールが付いてないので、まあ、それ位は誤差のうちとして無視していました。これでも、50倍で15秒は、5cm/37倍の副鏡でガイドすれば、取りあえず見られるレベルにはなりましたよ。

でもよく考えれば、アイピースの見かけ視界(例えば50度)を倍率で割れば、実視野が判るので(例えば25倍なら視界の端から端までが2度となる)ステラリウムで、極点とのズレ方向と緯度を確認して、例えば40分のズレだったら、視界の半径の40/60=67%の所に持ってくれば良い事になりますね。

そうか、これでやれば、もっと上手く極軸が合わせられたんだな~、、、
NIkon 8cm
http://nikon8cm.exblog.jp/
くっしーさん

やあー、参りました!!脱帽です!!!
これはM8の全貌がしっかりと写っていますね。しかも細かい暗黒帯の存在も確認できるし、お見事です。

よく考えたら、Nikon の赤道儀は極軸合わせが非常にアバウトなので(追尾して写真を撮影することは想定されていなかったのでしょう)、おそらく30秒を超える撮影は難しそうです・・。

それにしても、次の週末は新月期ですが、今のところお天気は期待薄なので元気がでません・・。
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