という訳で・・・
読者の方に結構熱心な方が居られて・・
好評!!「マイホームを買う前に・・・」シリーズは
2週間分ほど載せておきます。
良ければ、ぼちぼち読んでみて下さい。
第1章 なぜこんなに失敗する人が多いのか?
ひと口に「不動産屋さん」といっても、実に様々な業者がいます。
●テレビCMもしており、多くの支店を持っている不動産会社。
●主に宅地やマンションを分譲、販売している会社。
●建売住宅を販売している会社。
●あなたの住む街にもいる「街の不動産屋さん」。
また、
主に賃貸アパートや賃貸マンションを取り扱っている会社があったり、
中にはちょっと見ただけでは何をやっているのかわからない不動産業者もあります。
そしてこれらの様々な不動産業者が、
様々な営業形態をとっていますから余計にややこしくなってくるのです。
あるお客様の悲劇
そろそろマイホームを考えようかな?と思い立ったある女性のお話です。
その方、田中さん
(宇治市在住・会社員のご主人と子供さん2人の4人家族。
なお、
本人にご迷惑がかからないように仮名です)は、
何はともあれ物件情報を集めようと、
チラシやインターネットであちこちの不動産屋さんに資料請求しました。
ところが、不動産屋さんから資料が送ってきただけではなかったんです。
その日から、毎日のように電話がかかってくるようになったのです。
「いい物件で
すから、見るだけでも見てみませんか?」
「早く決めないと他で売れてしまいますよ!」
「詳しい説明にあがりたいのですが、これからお邪魔していいですか?」
週に一度くらいの電話ならまだよいのです。
なんと同じ不動産屋さんから1日に3度も現地案内の誘いがあったそうです。
しかも、
夫々の不動産屋さんが紹介してくれる物件は同じものばかり。
それぞれが同じ物件のことで何度も何度も電話をかけてくるわけですから、
こちらはもうたまったものではありません。
8. 8/3 (日)に読んでね
断っても断っても現地案内の誘いが続きます。
田中さんは外出から帰って留守番電話を聞くことすら怖くなってしまいました。
「電話で断ってもわからないなら、直接会って断ろう!」と
勇気を振り絞って案内に応じると、
一軒だけの予定が何件も連れまわされ、
挙句の果てにはその会社の事務所へ。
それから延々と売込みです。
不思議なもので、
「もう悩みたくないから、いっそのこと買ってしまおうか・・・。」
とまで考えるそうです。
相手は長年その道で生きてきたプロの営業マンです。
話を聞かされているうちに、
あの手この手で尤もらしく説得されても??
不思議はありません。
田中さんはさすがに売り付けられるまでには至りませんでしたが、
それでもこうした経験を味わった人は、
たいてい営業マン恐怖症になってしまいます。
田中さんもしばらくは家の中にいても留守番電話にしていらっしゃいました。
この話を聞いたあなたはびっくりされたかもしれませんが、
このような話は不動産や建築業界では、・・
決してめずらしい話ではありません。
「これは物件の探しかたを間違っている例だな。」
と思っている方もいることでしょう。
違うんです。
これは「物件の探し方」ではなく
「不動産屋さんの選び方」を間違ってしまった例なんです。
10. 8/4 (月)
不動産屋さん選びってどうするの?
一般的に、
各不動産会社が競って広告するのは「物件の情報」だけです。
○○町、売地、価格**万円。日当たり良好!!
○△町、売家、価格**万円。閑静な住宅地!!
ひたすら、
どこよりも早く、
どこよりも多く、
物件の情報を送り続けています。
でも、
これでいいのでしょうか?
食料品や日用雑貨のようなものであれば、
そういった広告の出し方でもいいと思います。
何度も買っていれば、
「どこの店がいい」とか・・
「どこの店はあまり良くない」・・
ということは自然とわかってきますから。
(誤解のないように言っておきますが、・・
不動産屋さんが物件情報を出すことが悪いと言っているのではありません。
私どもの会社でも、
物件広告は出させていただいております)
不動産とは、
一生のうちにそう何度も買うものではありません。
私が言いたいのは、
やみくもに物件の情報だけを流し続ける今の広告では、
お客様は「どこの不動産屋さんが、どんな形の営業をしている」・・
といったことはいつまでたってもわからない、
ということなんです。
結局、
イチかバチかで不動産屋さんの門をたたくしかありません。
11. 8/5 (火)
では、
どうやったら「正しい不動産屋さん選び」ができるのでしょうか?
はい、
私は不動産の営業マンとして正直にお答えします。
実は、
良い不動産屋さんの選び方は「売買の仕組み」や「不動産広告の見方」
がわかれば、簡単なんです。
それなのにどの会社も物件広告をするばかりで、
肝心の「売買の仕組み」や「不動産広告の見方」を教えようとはしない。
なぜだと思いますか?
おそらく、
「お客が不動産に詳しくなってもらいたくない。」
という考えがこの業界を牛耳っているからでしょう。
「不動産は複雑でとても難しい」とアピールしておかないと、
せっかく苦労して取った免許の意味がなくなってしまう。
それでは仕事も減ってしまうと。
「お客に知恵があると、商売がやりにくい。」
残念ながら、
そういった自分勝手な考えを持った不動産業者は少なくないのです。
12.8/6(水)
さっきの田中さんの例もそうですが、
多くの方々が思うようにいかない原因もここにあります。
なぜなら、
あなたが考えている常識と不動産業界の常識はかけ離れているからです。
言葉を言い替えれば、
あなたが間違った不動産常識を信じ込ませされているからなのです。
それではどんな常識が間違っているのか、????
次の章でお話していきましょう。
13 8/7 (木)
第2章 勘違いだらけの不動産常識
勘違いその①
それぞれの不動産屋さんは、夫々別々の物件を取り扱っている?
不動産業界は一般の常識
(例えば小売業界等の常識)とは全く違う独特のシステムになっています。
では、
不動産売買の仕組みとはどんなものなのでしょうか?
ちょっと難しい話になりますが、
あなたがマイホーム探しをするにあたって重要なことですので、??
しっかり理解してくださいね。
14 8/8 (金)
例えば山田さんという方が、
不動産業者Aに「自宅を売ってくれませんか?」と
お家の販売を依頼したとします。
すると、
不動産業者Aは次の二つのことをします。
1,山田さんの家を広告に出したり、
現地に看板を立てたりして山田さんの家を買う人を探す。
これはわかりやすいですね。
でも、
次がわかりにくいんです。
2,「山田さんの家が売りに出た」ことを「指定流通機構」に登録する。
この聞きなれない言葉「指定流通機構」とは、
殆どの不動産業者が加盟しているものです。
ここに物件の登録をすれば、
加盟している業者全体に物件情報が行き渡る、
という便利なものなのです。
15. 8/9 (土)
このシステムによって、
「山田さんの家が売りに出ました」という情報は
またたく間に地域全体(当地の場合は近畿地方一円)の
業者に行き渡ることになります。
ちなみにこの流通機構への登録は、
「より早く、より確実に」
不動産取引ができるように法律で義務付けられています。
*参照;国土交通大臣指定(社)近畿圏不動産流通機構 Tel (06)6943-5913
http://www.kinkireins.or.jp/
山田さんの話に戻しましょう。
「山田さんの家が売りに出た」ことを
流通機構で知った不動産業者Bが、
家を探している佐藤さんというお客さんに紹介し、
めでたく契約になったとしましょう。
この契約の時、
売主の山田さんは不動産業者Aに「私の家を売ってくれて有難う。」と
手数料を支払い、
佐藤さんは物件を紹介した不動産業者Bに、「いい家を紹介してくれて有難う。」
と手数料を支払うことになります。
16. 8/10 (日)
ほとんどの不動産屋さんは、この「指定流通機構」に加盟しているわけですが、
ここから配信される物件情報は加盟業者共通のものです。
ですから、大
きな不動産業者から小さな不動産屋さんまで、
この機構に加盟している業者さんならば皆同じデータ-を基に商売をしている、
ということになります。
つまり、
それぞれの不動産屋さんが別々の物件を取り扱っているのではなく、
ほとんど同じ物件を取り扱っている、
ということです。
17. 8/11 (月)
勘違いその②
いい情報を得るにはあちこちの不動産屋さんを廻らなければならない?
前述の田中さんの例からもわかるように、
ほとんどの不動産情報はどこの不動産屋さんでも同じです。
どうみても同じ物件があちこちの不動産屋さんの広告に出てくるのはなぜ?
と疑問を感じることも多いと思いますが、
そもそも情報が共有化されているわけですから??
これで納得していただけたと思います。
基本的に、
どの不動産屋さんでも同じ物件を取り扱えるのですから、
あなたが信頼できる不動産屋さんを一人知っていれば、
他社のチラシに掲載されている物件であっても???
スグに調べてもらうことが出来ます。
言い替えれば<
知り合いの不動産屋さんを窓口にしても買える、ということです。
(親戚や友人に信頼できる不動産屋さんが居ればバッチリです)
いい物件の情報が欲しいからといって、
あちこちの不動産屋さんを廻ったり、
やたらと問い合わせをする人がいますが、
あまり意味がありません。
とはいえ、一般のお客様が勘違いされるのも無理もない話です。
家電製品であれ、
自動車であれ、
食料品であれ、
我々消費者はチラシを出しているその店から買うことが当たり前なのですから。
しかし、
ここをしっかり把握しておかないと<
あちこちから同じ物件をしつこく紹介されて悩んでしまうかもしれません。
前章でお話をした、
かわいそうな田中さんのように。
18. 8/12 (火)
勘違い その③
自分の土地ならどんな家でも建てられるのか?
あなたが念願のマイホームに向けて土地を買って、
いざ家を建てようと建築屋さんに相談したら、
「あれ!この土地に建物は建てられませんよ。」
もし、
こんなことになったら呼吸が止まってしまいそうですよね。
知っておられる方はいいのですが、
土地にはいろいろ法律が絡まっていて、
様々な制約があります。
例えば「建物を建ててはならない」といった地域も有るんです。
やたらと安い土地には、
こういった規制がついていることが有ります。
知らずに買ったら最悪です。
話が難しくなりますので詳しい説明は省きますが、
そういう地域があることだけは覚えておいて下さい。
19. 8/13 (水)
また、
建物を建ててよい地域であっても、
「基本的に住宅以外はダメ」とか、
「工場関係しか建ててはダメ」とか、
建物の使いみちも法律で定められています。
さらに、
建てられる家の大きさにも規制がありますし、
階数の制限があったりもします。
やっとの思いで土地を買って、
「さあ、ここに3階建てを建てよう!」と
建築屋さんにお願いしたら
「2階建てしか許可が下りませんよ。」とか
「ここでは小さな家しか建てられませんよ。」
と言われてガックリ・・。
といった話も有りますので、
最低でも契約前にはチェックしておくべきでしょう。
20 8/14 (木)
勘違い その④
「今なら月々○○万円の支払でOK!」は本当か?
最近、
「史上最低金利!」.
{「今なら月々○○万円の支払でマイホームが持てるチャンス!」
などといったチラシをよく目にします。
確かに・・
ウソではありません。
しかし、
「そうか、家賃以下だな。
よし、
買おう!」といきなり決断するのはチョット危険です。
住宅ローには公的融資や銀行ローン、
職場融資などがありますが、
金利が返済終了まで固定されているものは少ないはずです。
基本的には変動金利といって、
市場の情勢によって金利は変わっていきます。
(最初の何年間は金利を固定するものもあります)
住宅金融公庫は固定金利ですが、
それでもいずれ金利がアップする仕組みになっていますから、
当初の支払金額がそのまま続くのではありません。
支払計画をギリギリで組んでいると後々が大変です。
また、
返済シュミレーションにも気をつけなければならないことがあります。
一般的な返済計画は、
「何年間で返済して、月々いくら、ボーナスでいくらの支払です」という物です。
実は、
本当に大事なのは、
「何年間支払うのか」ではなくて、
「何歳で支払が終わるのか」ということなんです。
もう一度言います。
「何年間支払うのか」ではなく
「何歳まで支払うのか」です。
「あなたの定年は何歳ですか?」
「退職金はどれくらいですか?」
このことをしっかり把握していますか?
これが住宅ローンを組む時に一番大事な事なんです。
21 8/15 (金)
私たちの老後を支えてくれる年金も、
これからは65歳から受け取りになる方がほとんどだと思いますから、
あなたが退職する時に幾らのローンが残っているのかは重要ですよ。
このことにはほとんど触れずに、
「なあに、残りのローンは退職金で全部払っちゃえばいいんですよ。」
と、
言葉巧みに説得する不動産屋さんも居ますから気をつけましょう。
あなたの人生設計なのですから、
甘い言葉に流されずにじっくり考えて下さいね。
次は私が最近知り合った不動産屋さんがお書きになった記事ですが・・
お客様にとっては非常に参考になると思われることが書かれていますので
参考になさってください。
21 8/16 (土)
第3章 不動産業界の内側
私が不動産業界に入ってはや13年。
その前に2年間、
ハウスメーカーに勤めておりましたので、
住宅関係一筋で15年になります。
私は大学卒業後、
某有名ハウスメーカーに就職しました。
新入社員研修からそれは凄まじいもので、
「ここは軍隊か?」と
思わせるような鍛えかたでした。
「営業は売ってナンボだ!
買いたい客に売るだけなら営業なんか必要ない!
それがイヤなら何時でも辞めろ!」
これが上司の口癖。
最初のうちは、
無我夢中でしたので、
「さあ今月も売るぞ!」と張り切って売り続けていたのですが、
それなりに営業成績が上がっていく反面、
私には何かしっくりこないものがあったのです。
お客様を「説得」して、売り込めば売り込むほど、
何か違和感が生まれてくるのです。
「お客様に家を建てて頂いても、
その後、
あまりその人と会いたくない。
なぜ?」
私の中に
「これって罪悪感?」みたいなものが芽生えていました。
22. 8/17(日)
その感覚は、
日ごとに大きくなっていき、
街で家を建てていただいたお客様を見かけても、
ドキッとして目を合わせられないことも多くなっていきました。
「いれはいかん。
こんなことでは自分に自信が持てない。」
私は思い悩んだあげくにこの会社を辞めました。
次に就職したのは大手の不動産会社でした。
ここはそれまで勤めていた軍隊みたいな会社ではなかったのですが、
毎月厳しいノルマがあることには変わりはなく、
やはり売上目標を追い続けなければなりませんでした。
また、
業績がそのまま給料に反映されるシステムでしたので、
家族を養う為にも歯をくいしばって売り続ける必要がありました。
やっぱり
ここでもモヤモヤした日々が続きました。
ところが
何年か経った頃、
思わぬことをキッカケにそのモヤモヤの答えが見つかることになったのです。
読者の方に結構熱心な方が居られて・・
好評!!「マイホームを買う前に・・・」シリーズは
2週間分ほど載せておきます。
良ければ、ぼちぼち読んでみて下さい。
第1章 なぜこんなに失敗する人が多いのか?
ひと口に「不動産屋さん」といっても、実に様々な業者がいます。
●テレビCMもしており、多くの支店を持っている不動産会社。
●主に宅地やマンションを分譲、販売している会社。
●建売住宅を販売している会社。
●あなたの住む街にもいる「街の不動産屋さん」。
また、
主に賃貸アパートや賃貸マンションを取り扱っている会社があったり、
中にはちょっと見ただけでは何をやっているのかわからない不動産業者もあります。
そしてこれらの様々な不動産業者が、
様々な営業形態をとっていますから余計にややこしくなってくるのです。
あるお客様の悲劇
そろそろマイホームを考えようかな?と思い立ったある女性のお話です。
その方、田中さん
(宇治市在住・会社員のご主人と子供さん2人の4人家族。
なお、
本人にご迷惑がかからないように仮名です)は、
何はともあれ物件情報を集めようと、
チラシやインターネットであちこちの不動産屋さんに資料請求しました。
ところが、不動産屋さんから資料が送ってきただけではなかったんです。
その日から、毎日のように電話がかかってくるようになったのです。
「いい物件で
すから、見るだけでも見てみませんか?」
「早く決めないと他で売れてしまいますよ!」
「詳しい説明にあがりたいのですが、これからお邪魔していいですか?」
週に一度くらいの電話ならまだよいのです。
なんと同じ不動産屋さんから1日に3度も現地案内の誘いがあったそうです。
しかも、
夫々の不動産屋さんが紹介してくれる物件は同じものばかり。
それぞれが同じ物件のことで何度も何度も電話をかけてくるわけですから、
こちらはもうたまったものではありません。
8. 8/3 (日)に読んでね
断っても断っても現地案内の誘いが続きます。
田中さんは外出から帰って留守番電話を聞くことすら怖くなってしまいました。
「電話で断ってもわからないなら、直接会って断ろう!」と
勇気を振り絞って案内に応じると、
一軒だけの予定が何件も連れまわされ、
挙句の果てにはその会社の事務所へ。
それから延々と売込みです。
不思議なもので、
「もう悩みたくないから、いっそのこと買ってしまおうか・・・。」
とまで考えるそうです。
相手は長年その道で生きてきたプロの営業マンです。
話を聞かされているうちに、
あの手この手で尤もらしく説得されても??
不思議はありません。
田中さんはさすがに売り付けられるまでには至りませんでしたが、
それでもこうした経験を味わった人は、
たいてい営業マン恐怖症になってしまいます。
田中さんもしばらくは家の中にいても留守番電話にしていらっしゃいました。
この話を聞いたあなたはびっくりされたかもしれませんが、
このような話は不動産や建築業界では、・・
決してめずらしい話ではありません。
「これは物件の探しかたを間違っている例だな。」
と思っている方もいることでしょう。
違うんです。
これは「物件の探し方」ではなく
「不動産屋さんの選び方」を間違ってしまった例なんです。
10. 8/4 (月)
不動産屋さん選びってどうするの?
一般的に、
各不動産会社が競って広告するのは「物件の情報」だけです。
○○町、売地、価格**万円。日当たり良好!!
○△町、売家、価格**万円。閑静な住宅地!!
ひたすら、
どこよりも早く、
どこよりも多く、
物件の情報を送り続けています。
でも、
これでいいのでしょうか?
食料品や日用雑貨のようなものであれば、
そういった広告の出し方でもいいと思います。
何度も買っていれば、
「どこの店がいい」とか・・
「どこの店はあまり良くない」・・
ということは自然とわかってきますから。
(誤解のないように言っておきますが、・・
不動産屋さんが物件情報を出すことが悪いと言っているのではありません。
私どもの会社でも、
物件広告は出させていただいております)
不動産とは、
一生のうちにそう何度も買うものではありません。
私が言いたいのは、
やみくもに物件の情報だけを流し続ける今の広告では、
お客様は「どこの不動産屋さんが、どんな形の営業をしている」・・
といったことはいつまでたってもわからない、
ということなんです。
結局、
イチかバチかで不動産屋さんの門をたたくしかありません。
11. 8/5 (火)
では、
どうやったら「正しい不動産屋さん選び」ができるのでしょうか?
はい、
私は不動産の営業マンとして正直にお答えします。
実は、
良い不動産屋さんの選び方は「売買の仕組み」や「不動産広告の見方」
がわかれば、簡単なんです。
それなのにどの会社も物件広告をするばかりで、
肝心の「売買の仕組み」や「不動産広告の見方」を教えようとはしない。
なぜだと思いますか?
おそらく、
「お客が不動産に詳しくなってもらいたくない。」
という考えがこの業界を牛耳っているからでしょう。
「不動産は複雑でとても難しい」とアピールしておかないと、
せっかく苦労して取った免許の意味がなくなってしまう。
それでは仕事も減ってしまうと。
「お客に知恵があると、商売がやりにくい。」
残念ながら、
そういった自分勝手な考えを持った不動産業者は少なくないのです。
12.8/6(水)
さっきの田中さんの例もそうですが、
多くの方々が思うようにいかない原因もここにあります。
なぜなら、
あなたが考えている常識と不動産業界の常識はかけ離れているからです。
言葉を言い替えれば、
あなたが間違った不動産常識を信じ込ませされているからなのです。
それではどんな常識が間違っているのか、????
次の章でお話していきましょう。
13 8/7 (木)
第2章 勘違いだらけの不動産常識
勘違いその①
それぞれの不動産屋さんは、夫々別々の物件を取り扱っている?
不動産業界は一般の常識
(例えば小売業界等の常識)とは全く違う独特のシステムになっています。
では、
不動産売買の仕組みとはどんなものなのでしょうか?
ちょっと難しい話になりますが、
あなたがマイホーム探しをするにあたって重要なことですので、??
しっかり理解してくださいね。
14 8/8 (金)
例えば山田さんという方が、
不動産業者Aに「自宅を売ってくれませんか?」と
お家の販売を依頼したとします。
すると、
不動産業者Aは次の二つのことをします。
1,山田さんの家を広告に出したり、
現地に看板を立てたりして山田さんの家を買う人を探す。
これはわかりやすいですね。
でも、
次がわかりにくいんです。
2,「山田さんの家が売りに出た」ことを「指定流通機構」に登録する。
この聞きなれない言葉「指定流通機構」とは、
殆どの不動産業者が加盟しているものです。
ここに物件の登録をすれば、
加盟している業者全体に物件情報が行き渡る、
という便利なものなのです。
15. 8/9 (土)
このシステムによって、
「山田さんの家が売りに出ました」という情報は
またたく間に地域全体(当地の場合は近畿地方一円)の
業者に行き渡ることになります。
ちなみにこの流通機構への登録は、
「より早く、より確実に」
不動産取引ができるように法律で義務付けられています。
*参照;国土交通大臣指定(社)近畿圏不動産流通機構 Tel (06)6943-5913
http://www.kinkireins.or.jp/
山田さんの話に戻しましょう。
「山田さんの家が売りに出た」ことを
流通機構で知った不動産業者Bが、
家を探している佐藤さんというお客さんに紹介し、
めでたく契約になったとしましょう。
この契約の時、
売主の山田さんは不動産業者Aに「私の家を売ってくれて有難う。」と
手数料を支払い、
佐藤さんは物件を紹介した不動産業者Bに、「いい家を紹介してくれて有難う。」
と手数料を支払うことになります。
16. 8/10 (日)
ほとんどの不動産屋さんは、この「指定流通機構」に加盟しているわけですが、
ここから配信される物件情報は加盟業者共通のものです。
ですから、大
きな不動産業者から小さな不動産屋さんまで、
この機構に加盟している業者さんならば皆同じデータ-を基に商売をしている、
ということになります。
つまり、
それぞれの不動産屋さんが別々の物件を取り扱っているのではなく、
ほとんど同じ物件を取り扱っている、
ということです。
17. 8/11 (月)
勘違いその②
いい情報を得るにはあちこちの不動産屋さんを廻らなければならない?
前述の田中さんの例からもわかるように、
ほとんどの不動産情報はどこの不動産屋さんでも同じです。
どうみても同じ物件があちこちの不動産屋さんの広告に出てくるのはなぜ?
と疑問を感じることも多いと思いますが、
そもそも情報が共有化されているわけですから??
これで納得していただけたと思います。
基本的に、
どの不動産屋さんでも同じ物件を取り扱えるのですから、
あなたが信頼できる不動産屋さんを一人知っていれば、
他社のチラシに掲載されている物件であっても???
スグに調べてもらうことが出来ます。
言い替えれば<
知り合いの不動産屋さんを窓口にしても買える、ということです。
(親戚や友人に信頼できる不動産屋さんが居ればバッチリです)
いい物件の情報が欲しいからといって、
あちこちの不動産屋さんを廻ったり、
やたらと問い合わせをする人がいますが、
あまり意味がありません。
とはいえ、一般のお客様が勘違いされるのも無理もない話です。
家電製品であれ、
自動車であれ、
食料品であれ、
我々消費者はチラシを出しているその店から買うことが当たり前なのですから。
しかし、
ここをしっかり把握しておかないと<
あちこちから同じ物件をしつこく紹介されて悩んでしまうかもしれません。
前章でお話をした、
かわいそうな田中さんのように。
18. 8/12 (火)
勘違い その③
自分の土地ならどんな家でも建てられるのか?
あなたが念願のマイホームに向けて土地を買って、
いざ家を建てようと建築屋さんに相談したら、
「あれ!この土地に建物は建てられませんよ。」
もし、
こんなことになったら呼吸が止まってしまいそうですよね。
知っておられる方はいいのですが、
土地にはいろいろ法律が絡まっていて、
様々な制約があります。
例えば「建物を建ててはならない」といった地域も有るんです。
やたらと安い土地には、
こういった規制がついていることが有ります。
知らずに買ったら最悪です。
話が難しくなりますので詳しい説明は省きますが、
そういう地域があることだけは覚えておいて下さい。
19. 8/13 (水)
また、
建物を建ててよい地域であっても、
「基本的に住宅以外はダメ」とか、
「工場関係しか建ててはダメ」とか、
建物の使いみちも法律で定められています。
さらに、
建てられる家の大きさにも規制がありますし、
階数の制限があったりもします。
やっとの思いで土地を買って、
「さあ、ここに3階建てを建てよう!」と
建築屋さんにお願いしたら
「2階建てしか許可が下りませんよ。」とか
「ここでは小さな家しか建てられませんよ。」
と言われてガックリ・・。
といった話も有りますので、
最低でも契約前にはチェックしておくべきでしょう。
20 8/14 (木)
勘違い その④
「今なら月々○○万円の支払でOK!」は本当か?
最近、
「史上最低金利!」.
{「今なら月々○○万円の支払でマイホームが持てるチャンス!」
などといったチラシをよく目にします。
確かに・・
ウソではありません。
しかし、
「そうか、家賃以下だな。
よし、
買おう!」といきなり決断するのはチョット危険です。
住宅ローには公的融資や銀行ローン、
職場融資などがありますが、
金利が返済終了まで固定されているものは少ないはずです。
基本的には変動金利といって、
市場の情勢によって金利は変わっていきます。
(最初の何年間は金利を固定するものもあります)
住宅金融公庫は固定金利ですが、
それでもいずれ金利がアップする仕組みになっていますから、
当初の支払金額がそのまま続くのではありません。
支払計画をギリギリで組んでいると後々が大変です。
また、
返済シュミレーションにも気をつけなければならないことがあります。
一般的な返済計画は、
「何年間で返済して、月々いくら、ボーナスでいくらの支払です」という物です。
実は、
本当に大事なのは、
「何年間支払うのか」ではなくて、
「何歳で支払が終わるのか」ということなんです。
もう一度言います。
「何年間支払うのか」ではなく
「何歳まで支払うのか」です。
「あなたの定年は何歳ですか?」
「退職金はどれくらいですか?」
このことをしっかり把握していますか?
これが住宅ローンを組む時に一番大事な事なんです。
21 8/15 (金)
私たちの老後を支えてくれる年金も、
これからは65歳から受け取りになる方がほとんどだと思いますから、
あなたが退職する時に幾らのローンが残っているのかは重要ですよ。
このことにはほとんど触れずに、
「なあに、残りのローンは退職金で全部払っちゃえばいいんですよ。」
と、
言葉巧みに説得する不動産屋さんも居ますから気をつけましょう。
あなたの人生設計なのですから、
甘い言葉に流されずにじっくり考えて下さいね。
次は私が最近知り合った不動産屋さんがお書きになった記事ですが・・
お客様にとっては非常に参考になると思われることが書かれていますので
参考になさってください。
21 8/16 (土)
第3章 不動産業界の内側
私が不動産業界に入ってはや13年。
その前に2年間、
ハウスメーカーに勤めておりましたので、
住宅関係一筋で15年になります。
私は大学卒業後、
某有名ハウスメーカーに就職しました。
新入社員研修からそれは凄まじいもので、
「ここは軍隊か?」と
思わせるような鍛えかたでした。
「営業は売ってナンボだ!
買いたい客に売るだけなら営業なんか必要ない!
それがイヤなら何時でも辞めろ!」
これが上司の口癖。
最初のうちは、
無我夢中でしたので、
「さあ今月も売るぞ!」と張り切って売り続けていたのですが、
それなりに営業成績が上がっていく反面、
私には何かしっくりこないものがあったのです。
お客様を「説得」して、売り込めば売り込むほど、
何か違和感が生まれてくるのです。
「お客様に家を建てて頂いても、
その後、
あまりその人と会いたくない。
なぜ?」
私の中に
「これって罪悪感?」みたいなものが芽生えていました。
22. 8/17(日)
その感覚は、
日ごとに大きくなっていき、
街で家を建てていただいたお客様を見かけても、
ドキッとして目を合わせられないことも多くなっていきました。
「いれはいかん。
こんなことでは自分に自信が持てない。」
私は思い悩んだあげくにこの会社を辞めました。
次に就職したのは大手の不動産会社でした。
ここはそれまで勤めていた軍隊みたいな会社ではなかったのですが、
毎月厳しいノルマがあることには変わりはなく、
やはり売上目標を追い続けなければなりませんでした。
また、
業績がそのまま給料に反映されるシステムでしたので、
家族を養う為にも歯をくいしばって売り続ける必要がありました。
やっぱり
ここでもモヤモヤした日々が続きました。
ところが
何年か経った頃、
思わぬことをキッカケにそのモヤモヤの答えが見つかることになったのです。