一方、
中国の伝説によれば、
じょうが という女性が不死の薬を飲んだところ、
身体がふわりと浮き上がって満月のなかに入ってしまいます。
月の宮殿は一本の桂の木と、
薬をつくるウサギがいるだけの
殺風景なところでした。
その後、
じょうが はガマガエルになって、
一人淋しく月に住んでいるという。
日本では月のウサギは餅をつきますが、
これは稲作文化による変容といわれ、
中国では薬をついているわけです。
この薬こそ、
じょうが が飲んだという
不死の薬なのでしょう。
かぐや姫もまた、
月の宮殿に帰る際に竹取の翁に
不死の薬を残したとされている。