ご報告が遅くなりましたが
響焔5月号にて
今年の響焔賞の発表がありました
響焔賞とは
響焔で行われる年に一度のコンクールです
同人、会員問わず参加資格があります
毎月の投句に加え
コンクール用に更に十五句を揃えるのは
やってみればわかりますが
これがなかなか大変なのです
情熱に溢れた作品が集まったことでしょう
こちらのページでもご紹介したいと思います
「夏空へ」戸田冨美子
大寒を横切って行く一輪車
十日目の干し柿子規の貌をして
畳針ときどき光り小六月
追憶の栞のように藁ぼっち
おぼろ夜の火焔土器から波の音
神の留守ピンクの塩をひとつまみ
追伸に強い筆圧晩夏光
晩年の途中でこぼこ榠りん(※)の実
黒揚羽追う亡き人を追うように
にぎる手のだんだん強く蛍の夜
東京の幾何学の空雁渡る
切株のしずかな吐息梅雨の月
蝋燭の淡い外炎冬に入る
野遊びに昭和の宇宙ひろがりぬ
ホームベース踏んで少年夏空へ
(※該当する「かりん」という漢字が検索出来ず。原文は和名の漢字)
僭越ながら…
「十日目の」のような発見や
「神の留守」の取り合わせの面白さに
詩情を感じました
東京の空は確かに幾何学だな〜
と思ったり
ホームベースを踏んで夏空へ…
なんて清々しく臨場感があるのだろう
と思ったり
気取ってなく
気負ってなく
それでいて作者ならではの新しい発見もあり
納得の響焔賞だと思いました
コンクールに参加するのは
そこに集中して俳句と向き合うわけですから
たとえ受賞をしなくても
きっとプラスになっているはず
終えたときには
前よりも少し俳句がわかって来ていると信じて
さあ!
あなたもやってみよう