彷徨う普代村民

普代村の一村民、
彷徨う村からの貧民の呻き声

ふるさと納税の闇

2021年12月24日 | 税制

 ふるさと納税額、令和2年度の普代村への寄付額は約2億3千万円です。

第三セクターの(株)青の国が梱包発送業務を担っています。

村からの委託手数料が10%、約2千3百万が青の国の損益計算書収益になります。

寄付件数は18,230件。割ると1,262円。

発送費用として1件それぐらいにはなるものと思います。

それが2千3百万円の村からの委託料の使われ方です。

 

 民間に還元される部分は、発送する返礼品の売上が民間業者から調達されます。

以前にも載せましたが、返礼品は寄付額の3割以内とされています。

普代村は発送費用19%、返礼品の割合24%と下記の表には報告されています。

自分なりの計算では、6,000万円ぐらいが村内の商店や事業者売上として貢献した形になるのではないでしょうか。

24%だともっと低くなりますので5,500万ぐらいになります。

発送費用も10%の委託料として計上しているのに、19%との報告です。

何にしても、これで合計で43%です。

 

ふるさと納税にかかる費用はこのほか、ポータルサイト(ふるさとチョイス・さとふるなど)にもかかっています。

これらの費用も足して、寄付額の4割~5割ぐらいが返礼に係る費用というのが平均の様です。

R2年度の普代村では、1億円ぐらいは経費になったものと思います。

普代村のふるさと納税に係る経済効果は1億円だったということでしょうか。


 

 角度を変えて見れば、どこかの自治体の税収を犠牲に成り立っているという面もあります。

普代村の「ふるさと納税受入額」が増えた分、どこかの税収が減っています。

下の表、数字の2列目が令和2年度の各地の寄付金額の受入実績です。

 

総務省が公表している表を抜粋したものです。

 更に下の表は、矢印のところの金額が、その地域の人がふるさと納税を利用し、

その地域で控除(免除)された市町村民税です。

上記の表では、普代村の場合181,800円が入るべき税収の減(不足)です。

しかし、普代村の場合2億3千万の税収で、経費を引いても1億以上です。

18万ぐらいくれてやるっちゅうようなもんです。

久慈市、寄付受入額3億2千800万、逃げてった税収1千270万。

 

 1番下は世田谷区ですが、55億円ぐらいが税収不足となります。

一方、受入額の表で世田谷区を見ると3億6,800万です。

51億円以上の税収の減と言うことになります。

関東など東京都はほぼ全区減収です。


 

 これを見て思い出したのが、郵便局の年賀状のノルマです。

年賀状は一社独占で売っているものです。

そこに競争をさせることで全体の売上が伸びるとは思えません。

全体のパイは決まっているので、どこかが増えればどこかが減る、だけです。

競わせる意味があるのかどうか疑問ですが、その犠牲になるのは職員です。

それと同じで、ふるさと納税もパイは決まっているもので競わせているわけです。

犠牲になるのは自治体です。

足りない分を奪い合えというのは、政府としての役割放棄ではないでしょうか?

 

政府が交付金を出せばこんな無駄な労力に自治体がエネルギーを注がずに、

もっと地域のサービス向上に集中し、交付金を有効にできるはずです。

交付金が絞られているがために、地方では民間ボランティアを使ったり、

住民サービスを厳選し、選択に漏れる住民は犠牲者です。今回の10万円給付選別のように。

 

 ここでも政府の緊縮政策で「善良な」民を苦しめている姿があります。

全てのひずみは政府のドケチ方針から来ています。

 


 【財政再建派VS積極財政派】財政破たんの意味や、いつどうなったら財政破たんするのか説明できない学者が、政府の中で緊縮財政・財政健全化を訴えています。これって、どういうことなのでしょうか。


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