DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

我慢しない2

2014-11-09 23:48:24 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 今、在籍している男性からの投稿(50代)

 ほとんどの父親は家族のために、仕事を頑張っていいます。

 しかし、仕事時間以外の過ごし方はさまざまで、家族のために自分の楽しみを我慢している父親はどこに でも居ると思います。
 それ以上に沢山居るのが、仕事帰りに居酒屋に行く父親。そして休日は家族と別行動で自分の趣味に没頭 する父親も居ると思います。

 私は前者の方で、家族を得たのはバブルの真っ最中でした。
 深夜残業してタクシーを使っての帰宅は当たり前の時代で、同年代は週末の夜になると徹夜の飲み会が恒 例行事でした。

 妻は家事に慣れないまま母親になり、乳児を抱えて育児を頑張っていました。
 夜泣きの赤ん坊を抱え心配も沢山あったと思います。
 それを支えようと、朝食作りや出勤前の洗濯を分担し、「俺は他人よりは家族のために頑張っている。」 と自負していました。

 「俺は遊びを我慢している。」、「俺は寝不足でも、先に寝た妻より先に起きて朝食を作っている。」そ のように思いながら、頑張ってきました。
 でもその反面、妻に対しては「お前はなぜ頑張れない。なぜ愚痴ばかり言う。」と不満を募らせていきま した。
 その気持ちが表情や態度に出てしまい、妻との関係は悪くなっていったと思いますが、そのことには気が 付いていませんでした。

 そんなときに家の外で気晴らしをしていたら、妻にイライラをぶつけることは無かったと思います。
 外で気晴らしをしなくても、自分の不満を妻に上手く伝えられていたら妻との間で溝を作ることは無かっ たように思います。

 我慢するから不満が溜まる。不満を解消するための方法を知らないからイライラを妻にぶつけてしまう。
 良かれと思って頑張っていたことで、逆に夫婦関係は悪くなって行ったのです。

 リエゾンに通い始めて、「我慢しない。」ことや、不満を感情ではなく、理性で相手に伝えることを教わ りました。

 「そんなことは、当たり前! 知らない方がおかしい。」と仰る方は居ると思いますが、交流分析を習い 冷静に人間関係を見ていくと、
 このようなことが出来ていないことで生じる人間関係のトラブルが沢山見えてきました。

 自分が冷静な視点を持つことで妻との関係を再構築したいと思っています。



  リエゾンからのコメント

 我慢をしないとは、どういうことでしょうか。
 「DV更生教育講座で我慢をするな」なんて、間違っているんじゃないの?と思われることでしょう。
 ところが、それは自我状態の仕組みを知れば納得のいく話です。
 人には防衛機制という自分を守る方法があります。
 無意識という意識は、自分を守るために様々な方法を使います。
 心は、簡単なようで複雑で、簡単です。
 要は、我慢という小石は勝手には無くならない。心のACという袋にしっかりと貯まっていくだけなのです
 その小石はどんどん貯まっていきます。
 ある程度貯まった時点、若しくは吐き出せる状況の時に一気に出てきます。
 何年も前だろうと関係ありません。
 考えてみてください。
 妻が、以前夫にされた嫌な思い出を、30年も経っても忘れずに言うのはこのような理由からです。
 
 小石は勝手に無くならないのです。

 我慢したことは、必ず形を変えて出てきます。

 相手に向かう形、これはまっとうです。嫌な突っかかりをしたり言い争いを仕掛けてくる(ゲームと言い ます)形です。
 自分に向かう形、これは自傷行為、病気の形になります。
 子どもに向かう形、これは虐待や子育てに気持ちが向かないなどの形になります。

  我慢をしないで気持ちを伝える方法をとること、これが誰にも迷惑をかけず、妻と良好な関係を結ぶ方  法なのです。
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我慢しない1

2014-11-04 00:15:06 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 
 在籍中の男性から(50代)
 リエゾンに通い始めても、妻の行動に対する怒りの気持ちが出なくなることはありませんでした。

 不本意な扱いを受けたり、不快な言葉を掛けられれば怒りの気持ちは出てきます。
 リエゾンでも「聖人君子を作る講座ではありません。」と言われます。
 では、なぜDV加害者プログラムなのでしょうか?

 怒りは人間の自然な感情で、我慢して貯めてしまうといつか爆発してしまいます。
 怒りの気持ちがどの様に出てくるのか、怒りにどのように対処したら良いかを気付かせてくれる加害者プ ログラムです。

 道を歩いているときに、他人と肩が当たったとします。
 痛い思いをして怒りが起きても、お互いに偶発的なことだと分かっているので、「御免なさい。」とお互 いに言えば怒りは消えていきます。

 もし、そのような時に怒りが消えないなら、それは別の原因があるからです。
 肩が当たる前に、どこかで不快な思いをした気持ちが影響している可能性があります。
 その、不快な思いをその場で解消していたら、肩が当たった程度の事で怒りが収まらないようなこと無い のです。
 リエゾンでは、怒りの感情を我慢するのでなく、理性で相手に伝えて昇華させていくことを学びます。

 妻への暴言や暴力も小さな思い違いが蓄積して起きることがほとんどです。

 思い違いが起きる原因は大きく分けて二つあると思います。
 そのひとつは女性蔑視の思想が根源になっていいます。
 女性蔑視の思想が暴力や暴言の原因方になっている方には、社会的に常識と思われている事柄の、何が女 性蔑視なのかを教えてくれます。

 妻との習慣の違いや、考え方の違いから不満をためて暴力や暴言を起こしている方には、怒りを理性で相 手に伝える方法を教えてくれます。
 怒りを我慢するのでなく、理性で伝える方法です。

 怒りを理性でコントロールし、「怒りを我慢しないで昇華する。」方法を学ぶことでDVから卒業していき ます。
 妻の行動に怒りを感じ、しつけをしようと思って暴力や暴言を起こしている方は、仲間になって勉強して みませんか。
 自分の怒りの理由が妥当なものか判断し、もし妥当だとすれば暴力や暴言、イライラ以外の方法で理性的 に伝える方法を学べます。



 リエゾンからのコメント

 リエゾンでは、加害者プログラムを交流分析を使って教えています。
 その中に本物の感情と偽物の感情があります。
 偽物の感情は交流分析ではラケット感情と言って、消化の起きにくい感情です。
 本物の感情は、しっかり適切に出すことで消化が起きます。
 怒りは本物の感情もあれば、ラケット感情もあります。
 わざと怒ってみせるなど相手を黙らせるために使うことがあるのがラケット感情です。
 怒りはためていくと体の中に蓄積されていきます。勝手に消えていることはありません。
 妻が何年も前のことを責めたりすることで、理解できるのではないでしょうか。
 体の中に怒りをためて、妻と良好な関係など結べるわけがないのです。
 「我慢しない」それが、リエゾンに来て、最初に学ぶ大切なことです。
 
  
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