『期待という虐待』30代男性
私には、最近思い出すと涙が出てくる過去があります。それは、学校や塾でのテストです。小学校一年生の時、学校で算数のテストがありました。私は90点をとってとても嬉しかったのですが、もっと点数の良かった級友がいてその子が一番で、二番でした。
帰宅後テストを母親に見せると、『90点か、あと10点で100点だったね、他の子はどうだったの?』
と聞かれ、私は二番だった事を伝えました。
『あと10点取ればクラスで一番だったのね、もっと頑張らないとダメだよ。』と言われました。
その後も、テストを見せるたびに100点まであと何点足りなかった、クラスで一番だったのか?を聞かれ私はテストでは100点、一番にならないと褒めてもらえないと思うようになりました。
ただ、人間いくら努力をしても毎回100点を取れるはずもなく、私はテストが怖くて怖くてしょうがなくなりました。テスト中に足が震え、頭からは変な汗が出るようになり、鉛筆を何本も折るようになりました。あまりにも予備の鉛筆を折りすぎて、あと一本になってしまった時の絶望は今でも苦しい思い出です。答案用紙に手と頭の脂汗で、私の答案用紙だけいつもシワシワになっていました。先生が真面目にテストに取り組んでいると褒めてくれる度に、違う‼︎テストは私にとって、生きるか死ぬかぐらい必死なものなのだ、と心で叫んでいました。
結果発表がさらに恐怖で、心臓がドキドキして死ぬかと思う程だったのを思い出しました。結果が良ければ、今回は何とか生き延びられた、結果が悪ければ家に帰りたくない、いなくなりたいと思いました。今でも、テストで失敗した時、放課後とぼとぼ一人歩いて帰る時の風景は心に嫌な思い出として刻まれています。
本来なら友達になれたクラスメイトは恨みの対象になりました。僕は生きるかしぬかと思うほどのテストなのに級友はニコニコしながら僕よりテストの点数が良い、こいつは僕を殺すつもりなのかと思うほどになりました。自分より点数の悪い級友はヘラヘラしてて大丈夫なのか?とも思いました。
今でも、子供の頃のテストを思い出す度に涙が出てきてしまいます。大人になった今でも、会社の試験などで同じようなこと(震え、脂汗)がいまだに起こります。近年、幼児教育も盛んに取り上げられていますが、私のような辛い思い出をこれ以上増やさないで欲しいと思いますし、心配もしています。子どもの努力に対して正しく認めてあげて欲しいと思うと同時に声掛けには充分注意して欲しいと切に願います。親の期待は時に虐待にもなる、ということだけは心に留めて置いて下さい。もう、これ以上子どもを苦しめないで下さい。
リエゾンからのコメント
彼のワークをする時、私の心が震えます。多くのクライアントさんでも同じように思うことですが「子どもはこうして期待に添おうとして苦しむ。」のです。
殴ってもいない、言葉での明確な虐待でもない、死ね、産まなきゃ良かった、なども言っていない、ちゃんとご飯も栄養も考えて面倒を見てくれている。
これは虐待なのか。……その答えは簡単です。
子どもの存在は誰のための存在だったのか。
この疑問がすべて答えを明らかにしてくれます。
子どもの心、気持ちを感じたり思いを馳せながら子育てをしているか。
これは当たり前なようで、簡単そうに見えますが簡単ではありません。主たる養育者に心の拠り所があるかにかかってきます。
子育ては無限ループです。終わりがない、自由がない、きりがない、思い通りにいかない、ないない尽くしなのです。この中で子どもの気持ちを感じることは大変つらいことです。せめて自分の思い通りの子どもになってくれたらこの苦労が報われる、そんな気持ちになっても仕方のないことです。
でもこの記事を読んで「私はこんなこと子どもにしていない。」と言い切れる大人はどの位いるでしょうか。
あと10点だったね、他の子に負けてはいけない、など良く聞く言葉です。
でも、震えながらテストを受ける子どもの状態を想像してみてください。クラスメートは敵であり、楽しくしていることが考えられない、いつも緊張状態で、子ども時代は辛い記憶しか残っていません。
親たちは、まさか子どもにはそんな思いをさせたくない、ときっと思うのではないでしょうか。
大人になった彼は酷いモラハラを妻に行っていました。
インナーチェンジングセラピーで、子ども時代の諸々の傷つきを解決していき、今では全くモラハラをしない男性になりました。今まさに彼は妻にとって頼もしい応援隊長です。でも時々妻へしたことに後悔の涙をこぼしています。
子ども時代は未来の自分に繋がっています。
子育ての重要性を社会が認識しなければ解決されないのです。母親だけの問題ではありません。
多くの方に健康な家庭を持つとはどういうことかを知っていただきたいと切に願っています。
(8月7日14時~16時保育あり。調布市男女共同参画にて、健康な共生関係、不健康な共生関係の講座を行います。)
やり直しは今からでも遅くないときっと理解していただけると思います。
2020-07-01 03:02:11