DV加害者更生プログラム(既婚、未婚、問わず)

DVをしているのではないか、悩んでいる方に心理テスト、グループエンカウンター等を用いて更生の道をお手伝いします

事例研究

2017-04-24 00:10:08 | CAP
60代男性から


 最近のリエゾンでは、通常授業が多くなっています。
数年前は、コラージュやロールプレーイング、料理実習もありましたが
参加者が増えて、通常授業だけで手一杯の状況です。

通常授業は事例研究のプリントワークとエンカウンターを行っています。

今までの事例研究では、夫が無意識に妻に与えてしまうストレスなどを知るための内容がほとんどでした。

子どものクラブ活動に夫婦で支援する際に、夫がお客様気分で参加し妻やその友人に不快感を与えているのに気が付かない等、陥りやす事例が満載です。
最近、事例研究の中で傾向の変わった内容が出てきました。

夫婦関係が改善途上にある方の事例です。
テーマは「お小遣いの値上げ交渉」ですが、二つの観点から事例を示されています。
一つ目は、妻が過去に拘りを持たずに、夫の要求を真摯に聞き接点を考えてくれる事例ですが、「理想だよな~。」と思ってしまいます。
もう一つは、交渉の途中で妻が話を逸らし、都合が悪くなると過去の不快な話を持ち出し交渉決裂になるように画策するストーリーです。
それでも夫は、過去の件を謝罪しながら話を元に戻して値上げ交渉を続け、譲歩を引き出します。

リエゾンに通う前だったら、交渉の途中で決裂するような内容です。
関係改善の途上なら、元の悪い状況に戻らないように、途中で諦めてしまう内容ですが、「ここで諦めたら夫側に不満だけが残るから良くない。」と言われました。
リエゾンで学ぶ目的は「親交親密な夫婦関係を築く。」ことで、どちらか一方が我慢することではないと言われています。

このように事例研究の内容が変わってきたのも、関係改善途上のカップルが増えてきたからかなと感じています。



リエゾンからのコメント

リエゾンでは身近に起きる事例を皆さんに考えてもらっています。夫婦にはボタンの掛け違いが切りなく訪れます。
本当に些細なこと、例えば、冠婚葬祭費は家計から出すのか、歓送迎会費は小遣いから出すのか、共稼ぎと専業主婦の場合、家計の管理はどうなるのか、
大きな問題では、夫の親の介護は誰がするのか、子どもが学校に行かなくなったらどうするのか、妊娠中の体の変化などから諸々な問題に取り組みます。
特にDVをしてしまった後で加害者プログラムに来て改善をした男性が陥りやすいのが、自分の気持ちを言えなくなる事です。
被害に遭っていた妻からはそんなこと当たり前じゃないと思われるかもしれません。
でも違うのです。
交流分析ではIam OK,You are OK の関係性を目指します。お互いのそのままをお互いに認め合う関係性です。
暴力暴言が無くなった男性は、普通の一人の男性です。
妻は恨み辛みがありますから、怒りをぶつけたくなります。
それも当然なので、怒りをぶつけてくる妻にどう対応しながら自分の気持ちを伝えていくかを学ぶのです。
そんなことできるのかと思われることでしょう。でもできるのです。
喜ばしいことにその会話のできる夫婦も少しずつ増えてきました。
「夫婦がお互いに対等で尊重し合える関係性を持てること、それが子どもにとって何よりの安心な家庭である」がリエゾンの理念です。
子どもが安心していられる事、そんな家庭が一つでも増えてくれたら…そう想い活動をしています。

別居中の妻たちにお願いしたいこと
 絶対に別れる、顔も見たくないと思っている方もいらっしゃると思いますが、一度彼らがどう変化しているか、子どものために確かめて見ませんか。
こんな父親はいらないと思ったあの頃の彼らとは違っており、子どもから取り上げてしまうにはもったいないくらい成長をしていますよ。
その目で確かめて欲しいなと願っています。
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禁止令について

2017-04-14 22:22:48 | 交流分析
 禁止令について質問がありましたのでお答えしたいと思います。
詳しく載せてしまうと怖くなってしまう方がいるようなので概要だけお伝えします。

禁止令は交流分析の言葉です。自我状態も同様です。
禁止令は赤ちゃんから子どもの時代に決めてしまう自分への約束事です。
その時期には自分を守る事に繋がっていたのですが、大人になったときに
不都合を起こすことがあります。例えばDVや、虐待です。自分で決めたので、再決断療法(インナーチェンジングセラピー)を受けることによって
自分で変える事ができます。

自我状態は2つ意味が分かれます。
機能と構造です。機能は心がどう使われているかになります。
構造は心のできあがり方になります。私が文章の中で自我状態と書くときはほとんどができあがり方を指します。

禁止令についても自我状態についてもリエゾンで教えていますので、子育て中の方は特に学びにきていただきたいと思います。
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子ども支援のために

2017-04-05 05:04:11 | CAP
 なぜ、加害者プログラムを始めようと考えたのかはCAPをしていたからです。CAPとはchild assault prevention と言い
子どもへの暴力防止プログラムと訳します。小学校に赴き、いじめの被害、連れ去り、性被害とそれぞれの被害から逃げる、遭わないように防止するにはどのようにしたらよいかを子どもたちに直接授業時間をもらって教えています。
教育委員会からの依頼になりますが都内では品川区にはもう12年以上授業に入らせてもらっています。都内他においても入らせてもらっています。その授業を担当して気が付いたことがありました。
子どもたちが年々、落ち着きがなくなっていったことです。立ち歩き、私語の多さ、先生への態度など、明らかに子どもたちに
何らかの変化が起きていると感じました。学校内にいる先生は、ただただ必死でクラスが崩壊しないよう頑張っていますが
大変疲弊しています。先生へのケアは本当に必要な時代になりました。子どもたちの変容はなぜ起きているのか、子どもに話を聞いていてわかったのです。もめている両親が多いということです。
そこにはDVという暴力が存在していました。子どもたちは家庭でのその不安定さを学校で出してしまうのだと思いました。
子どもへの支援を仕事にしてきましたが、子どもの後ろにいる大人への援助が必要なのだと感じ、この仕事を始めることにしたのです。

私が加害者プログラムを行っている理由は子ども支援なのです。

子どもたちのために大人たちがどうなったら良いのか、それは子どもの自立に向けた育て方ができるということです。アドラー心理学のSTEP(親教育プログラム)がそれにあたります。
ところが多くの親たちは子どもの力を逆に奪っています。
この子はできないから、可哀そうだから、私がいないとだめだから、などの理由で支配をしていることが多いのです。
子どもは自分の一部と考えがちな大人がDVに遭うとどうなるか、子どもに八つ当たりをしてしまいます。
大人でも追い詰められたり、ストレスが溜まると弱い所に出してしまいがちになります。それを受けるのが子どもたちです。
私は交流分析を学んでいくうちに、子ども時代に決めてしまった幼児決断が、人生の大方の流れを作ってしまうということに気が付きました。
なぜ、同じ失敗を繰り返すのか、なぜわかっていてもやめられないのか、なぜ暴言を吐いたり自分を見失うのかを交流分析から学びました。
と同時にその幼児決断を変えていくことができることも学んだのです。
これを大人たちに教えて、まず自分の中にある決断は何か、失敗を繰り返している理由は何か、人権侵害に遭っているのはどうしてか、この状態から抜け出すことを知ってもらおうと思いました。
子どもに同じ決断をさせないためにもまず大人たちが自分を知ることから始めてもらうのです。
大人が自分の中にある決断(禁止令)を変えていくことで、子どもに同じ失敗を繰り返すことから救うことができるのです。
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子どもの未来のために見方を変えること

2017-04-05 00:11:29 | 【DV加害者更生教育プログラム】
 リエゾンちょうふを立ち上げて7年目、修復されていった夫婦、卒業していく男性を見送るとき
「仲良くね~また困ったら相談してね。」と嬉しく思います。
だけど、修復されるとは限らない人がいることも事実です。
夫婦が2人でリエゾン来た場合、一緒に学ぼうとバラバラに学ぼうと、どちらでも同じ結果、
修復にいく結果が出ることが多いです。それはなぜかというとリエゾンで教えていることは
自分をわかるための学問だからです。自分をわかると相手のこともわかっていきます。
来てくれた妻たちが良く言います。
「なぜ私がリエゾンに来ませんか?と言われるのかわからなかったけれど、理解できました。」と。
自分を知るって怖い事でもあるのですが、今までなぜだろう?と思っていたことがわかっていき
すごく納得がいくからです。親のせいにしていたことも自分の選んだことだったり、だからこそ変えることができる事だったり
するのです。改善の方法が自分を変えることによってわかっていくのです。
すべて相手がこんなだから、親がこんなだから、私にはとれる方法がないとあきらめていた妻たちが
自分ができる方法があるんだとわかっていきます。この状況から抜け出して希望を持ち始めるのです。
 でも、いつも悲しく思うことは子どもの自我状態のことを考えられない状態の人たちがいる事です。
この状態が苦しくて、もういいや、とにかく終わりにしようとした結果、負担が子どもだけに集中してしまう結果になります。
小さい子どもたちは好きな親の意向に沿おうとしていきます。その時彼らの中に「禁止令」という決断がされていきます。
禁止令を善とみるか悪とみるか、意見は分かれるでしょう。小さい頃に役に立っていた事でも
大人になったときにそぐわないことが起きる、それが禁止令です。そんなこと、子供がどう育つかなんて知らない、
私は精一杯やったのだからこれ以上の責任はない、と思うでしょう。でも、精一杯だったとしても
やり方、見方を変えてみることでもう一歩進めることがあるのです。それが子どもたちを救える方法だとしたら…
あきらめないで、やり方を変えてみませんか。あなたにできることはまだあるのです。もう一回やってみませんか。
子どもたちの未来のために私からお願いしたいと思います。
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今月の予定

2017-04-02 09:28:08 | 【DV加害者更生教育プログラム】
4月

  1日2日 通常授業
  8日9日 通常授業
  15日16日 通常授業
  22日23日 通常授業
  29日30日 通常授業

通常授業とはグループエンカウンターと事例研究です。
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