国際海事局が1月18日に出した報告によると、2010年の海賊事件の件数が過去最多となった。地域別ではソマリア沖が圧倒的に多く、多国籍の艦船による「海賊対策」が行われているアデン湾でも多発している状況はかわっていない。軍事的な「海賊対策」が有効どころか、かえって海賊を拡大しているのではないか。オマーン沖での韓国商船乗っ取り事件などの対応はそう感じさせる。
1月18日、ソマリア政府が議会に提出した海賊取り締まり強化のための法案が議会で否決された。朝鮮日報は以下のように報じている。
（引用）「・・・一部の議員たちが「海賊はソマリアの海を略奪する海外の船舶と戦っている。そのためこのような法律は不要だ」と主張したのが、共感を得たという。外国船舶が有毒物質を投棄したり、また外国漁船による違法操業で海産資源も大量に奪われたりした。アラブ首長国連邦の日刊紙「ザナショナル」は「海賊も最初は一種の自警団として、相手から補償を受け取ることからスタートした」と報じた。」
私たちもこれまで、海賊問題を先進国の軍事力で解決するというやり方は帝国主義的な途上国支配であり、海の治安弾圧・軍事行動であるとして批判してきた。海賊対処法に基づく海空自衛隊の派兵に反対してきた。背後にある貧困や格差、新植民地主義的な経済構造、ソマリアの海に対する先進諸国による違法行為を止めない限り、決して海賊問題は解決しないと主張してきた。この間起こったことは、そのことを裏付けるものである。
※「海賊対策」を名目とした自衛艦ソマリア派遣に反対する
（上）日本船主協会“海賊インフォメーション”にみる「海賊対策」自衛隊派遣の欺瞞
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090317.htm
（中）露骨な「国益」優先論、「海賊＝人類共通の敵」論の危険
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090415.htm
（下）海外派兵恒久法を先取りする「海賊対処法」
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090502.htm
（補）先進諸国の不法漁業と有害廃棄物海洋投棄──これこそがソマリアの海賊だ！
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090503.htm
日本政府は、ジブチ共和国に航空自衛隊の軍事拠点建設を着々と進めている。約１２ヘクタール、甲子園球場のグラウンドの約１０倍もの広さを持つ敷地内に、280名を収容する７棟の宿舎、駐機場などをもつ巨大な軍事基地である。しかもジブチ政府と地位協定を結び、ジブチ領域内での自衛隊員の行為に関して、ジブチの法律ではなく、日本の法律を適用することを飲ませている。
国民の目から隠す形でかつてない海外軍事基地建設をすすめること、これこそがソマリア海賊対策の最大の目的になっているのではないのか。
※ソマリア海賊：NATO司令官「日ごとに手口が巧妙に」乗っ取った大型船を母船として活用しながら海賊行為（朝鮮日報）
http://www.chosunonline.com/news/20110120000030
※自衛隊のソマリア沖海賊対処「新活動拠点」に関する質問に対する答弁書（防衛省）
http://www.mod.go.jp/j/presiding/touben/176kai/syu/tou89.html
※昨年の海賊事件、計４４５件 ソマリア沖が最多（朝日新聞）
http://www.asahi.com/international/update/0118/TKY201101180566.html
※世界の海賊事件、2010年は過去最悪の水準（ＡＦＰ）
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2782620/6689639?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
※昨年の海賊被害、１５件に増加…日本関係船舶（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110126-OYT1T00855.htm
※２０１０年の日本関係船舶における海賊等事案の状況及び世界における海賊等事案の状況について（国土交通省）
http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji02_hh_000067.html
http://www.mlit.go.jp/common/000133931.pdf
［画像はすべて国土交通省ホームページより］
（ハンマー）
1月18日、ソマリア政府が議会に提出した海賊取り締まり強化のための法案が議会で否決された。朝鮮日報は以下のように報じている。
（引用）「・・・一部の議員たちが「海賊はソマリアの海を略奪する海外の船舶と戦っている。そのためこのような法律は不要だ」と主張したのが、共感を得たという。外国船舶が有毒物質を投棄したり、また外国漁船による違法操業で海産資源も大量に奪われたりした。アラブ首長国連邦の日刊紙「ザナショナル」は「海賊も最初は一種の自警団として、相手から補償を受け取ることからスタートした」と報じた。」
私たちもこれまで、海賊問題を先進国の軍事力で解決するというやり方は帝国主義的な途上国支配であり、海の治安弾圧・軍事行動であるとして批判してきた。海賊対処法に基づく海空自衛隊の派兵に反対してきた。背後にある貧困や格差、新植民地主義的な経済構造、ソマリアの海に対する先進諸国による違法行為を止めない限り、決して海賊問題は解決しないと主張してきた。この間起こったことは、そのことを裏付けるものである。
※「海賊対策」を名目とした自衛艦ソマリア派遣に反対する
（上）日本船主協会“海賊インフォメーション”にみる「海賊対策」自衛隊派遣の欺瞞
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090317.htm
（中）露骨な「国益」優先論、「海賊＝人類共通の敵」論の危険
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090415.htm
（下）海外派兵恒久法を先取りする「海賊対処法」
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090502.htm
（補）先進諸国の不法漁業と有害廃棄物海洋投棄──これこそがソマリアの海賊だ！
http://www.liveinpeace925.com/commentary/somalia_hahei090503.htm
日本政府は、ジブチ共和国に航空自衛隊の軍事拠点建設を着々と進めている。約１２ヘクタール、甲子園球場のグラウンドの約１０倍もの広さを持つ敷地内に、280名を収容する７棟の宿舎、駐機場などをもつ巨大な軍事基地である。しかもジブチ政府と地位協定を結び、ジブチ領域内での自衛隊員の行為に関して、ジブチの法律ではなく、日本の法律を適用することを飲ませている。
国民の目から隠す形でかつてない海外軍事基地建設をすすめること、これこそがソマリア海賊対策の最大の目的になっているのではないのか。
※ソマリア海賊：NATO司令官「日ごとに手口が巧妙に」乗っ取った大型船を母船として活用しながら海賊行為（朝鮮日報）
http://www.chosunonline.com/news/20110120000030
※自衛隊のソマリア沖海賊対処「新活動拠点」に関する質問に対する答弁書（防衛省）
http://www.mod.go.jp/j/presiding/touben/176kai/syu/tou89.html
※昨年の海賊事件、計４４５件 ソマリア沖が最多（朝日新聞）
http://www.asahi.com/international/update/0118/TKY201101180566.html
※世界の海賊事件、2010年は過去最悪の水準（ＡＦＰ）
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2782620/6689639?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
※昨年の海賊被害、１５件に増加…日本関係船舶（読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110126-OYT1T00855.htm
※２０１０年の日本関係船舶における海賊等事案の状況及び世界における海賊等事案の状況について（国土交通省）
http://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji02_hh_000067.html
http://www.mlit.go.jp/common/000133931.pdf
［画像はすべて国土交通省ホームページより］
（ハンマー）
