「核持ち込み」密約問題を逆手にとって、非核三原則の見直しをはかる日本政府
やはりと言うべきか、まさかと言うべきか。7月8日の読売新聞朝刊大阪版トップに、「日米「核の傘」初協議」の文字が踊りました。
※有事に備えた「日米共同作戦計画」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090708-OYT1T00028.htm?from=navr
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核実験を口実に、日本は米の「核の傘」に公然と入ることで対抗しようというのです。「日米共同作戦計画」で有事における核兵器使用を組み込もうとしているのです。
偶然にも、同じ日の毎日新聞朝刊大阪版トップは「非核三原則 74年修正検討」でした。(読売新聞と毎日新聞が共謀することは考えにくいので、これはおそらく偶然と思われます。)大河原良雄元駐米大使が毎日新聞に明かしたものです。米軍の日本への核持ち込みについてはこの間、1960年の日米安保改定時に核兵器搭載艦船の寄港などを日本側が認めた密約について、村田良平氏が前任次官から文書で引き継ぎを受けていたことを明らかにしていました。政府は一貫して「密約はない」との公式見解を繰り返していました。今回の毎日新聞の記事は、政府がこの60年の密約を、沖縄返還後の74年に、密約ではなく公式化しようとしていたことを示しています。
※非核三原則 74年修正検討(毎日新聞)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090708k0000m010141000c.html
記事は「ねじれの解消」、つまり核兵器は持ち込まれていないという公式見解と、持ち込みを認めるという密約との矛盾の解消を主張していいます。北朝鮮の核実験問題に直面していることをチャンスとして、長年懸案であった非核三原則を見直したい、「持ち込ませず」の部分だけは骨抜き化したいということなのです。北朝鮮の核実験に対して、日本列島にはアメリカの核が持ち込まれているぞと公式に認め、有事にはその使用もいとわないと表明することで恫喝を加える--こんな危険なことはありません。密約については、すべての密約の存在を明らかにさせ、それらを白紙撤回させなければなりません。情勢に便乗して、密約を公約にするなどもってのほかです。
北朝鮮に対する日米の対応は、明らかに新しい危険な段階に入っています。オバマ大統領の「新核戦略」とは、核兵器を大幅削減しながら核使用の敷居を下げるということなのでしょうか。米ソ核対決が消滅したもとで、新たな核戦争の危機が、日本海を挟んで極東アジアで現実化してしまうことになります。米の「核の傘」で平和が守れるというような時代錯誤的な考えをきびしく批判する必要があります。
※北朝鮮に対する露骨な戦争挑発法――臨検特措法を成立させてはならない!(リブ・イン・ピース☆9+25)
http://www.liveinpeace925.com/commentary/rinkenho090708.htm
(ハンマー)
やはりと言うべきか、まさかと言うべきか。7月8日の読売新聞朝刊大阪版トップに、「日米「核の傘」初協議」の文字が踊りました。
※有事に備えた「日米共同作戦計画」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090708-OYT1T00028.htm?from=navr
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核実験を口実に、日本は米の「核の傘」に公然と入ることで対抗しようというのです。「日米共同作戦計画」で有事における核兵器使用を組み込もうとしているのです。
偶然にも、同じ日の毎日新聞朝刊大阪版トップは「非核三原則 74年修正検討」でした。(読売新聞と毎日新聞が共謀することは考えにくいので、これはおそらく偶然と思われます。)大河原良雄元駐米大使が毎日新聞に明かしたものです。米軍の日本への核持ち込みについてはこの間、1960年の日米安保改定時に核兵器搭載艦船の寄港などを日本側が認めた密約について、村田良平氏が前任次官から文書で引き継ぎを受けていたことを明らかにしていました。政府は一貫して「密約はない」との公式見解を繰り返していました。今回の毎日新聞の記事は、政府がこの60年の密約を、沖縄返還後の74年に、密約ではなく公式化しようとしていたことを示しています。
※非核三原則 74年修正検討(毎日新聞)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090708k0000m010141000c.html
記事は「ねじれの解消」、つまり核兵器は持ち込まれていないという公式見解と、持ち込みを認めるという密約との矛盾の解消を主張していいます。北朝鮮の核実験問題に直面していることをチャンスとして、長年懸案であった非核三原則を見直したい、「持ち込ませず」の部分だけは骨抜き化したいということなのです。北朝鮮の核実験に対して、日本列島にはアメリカの核が持ち込まれているぞと公式に認め、有事にはその使用もいとわないと表明することで恫喝を加える--こんな危険なことはありません。密約については、すべての密約の存在を明らかにさせ、それらを白紙撤回させなければなりません。情勢に便乗して、密約を公約にするなどもってのほかです。
北朝鮮に対する日米の対応は、明らかに新しい危険な段階に入っています。オバマ大統領の「新核戦略」とは、核兵器を大幅削減しながら核使用の敷居を下げるということなのでしょうか。米ソ核対決が消滅したもとで、新たな核戦争の危機が、日本海を挟んで極東アジアで現実化してしまうことになります。米の「核の傘」で平和が守れるというような時代錯誤的な考えをきびしく批判する必要があります。
※北朝鮮に対する露骨な戦争挑発法――臨検特措法を成立させてはならない!(リブ・イン・ピース☆9+25)
http://www.liveinpeace925.com/commentary/rinkenho090708.htm
(ハンマー)