集団的自衛権解禁=9条解釈改憲に反対する(4)
--自衛隊による米軍の侵略戦争への加担
安倍政権が「集団的自衛権行使」で一番やりたいのは米軍に対して集団的自衛権を行使し、米軍の軍事行動と一緒に海外で武力行使ができるようにすることなのです。安倍首相も石破幹事長も「アメリカは日本を守ってくれている」「そのアメリカが攻撃されているときに何もできなくていいのか」「そんなことをすれば日本を守ってくれなくなる」云々と繰り返しています。
しかしまずこのような状況の設定そのものが異常です。この議論自体、戦場・戦闘地域で一緒に行動していることが前提になっています。これまで海外派兵は戦闘地域、戦闘と一体化する状況下には禁じられてきました。戦場や戦闘地域に海外派兵すれば、米軍の侵略戦争に巻き込まれるのは当然です。
そして「アメリカを助けなくていいのか」論の危険性があります。米国は、その世界最大最強の軍事力を振りかざして戦後一貫して先制攻撃を加えまくり、他国に対する侵略を繰り返してきた文字通りの軍事覇権国です。ベトナム戦争では自分の方から「トンキン湾事件」という陰謀をでっち上げ、米が攻撃されたと難癖をつけて南ベトナム傀儡政権への集団的自衛権の名目で侵略を拡大していきました。最近のアフガニスタン戦争では国家でもない「アルカイダによるテロ」を口実に「個別自衛権」を振りかざしてアフガニスタン政府に対する一方的侵略を仕掛けました。イラクについてはフセイン政権が「大量破壊兵器」を持っているという嘘をでっち上げ、「放置しておくと将来アメリカが脅威を受ける(かもしれない)」という理由でフセイン政権を武力で打倒し、主権国家の元首を殺害し、民衆を大量虐殺し、国家・国土を破壊しました。日本が集団的自衛権行使で協力しようというのはこのような戦争です。