安倍首相とフィリピン・アキノ大統領との首脳会談が行われた7月27日、マニラの大統領府前で日本政府に謝罪と補償を求める集会・デモが行われた。
参院選での自民党圧勝後の今回のアジア3カ国歴訪で、安倍首相は「集団的自衛権」検討と改憲方針を、「経済援助」をテコに受け入れさせようという、極めて政治的な色合いをもっていた。かつて日本が侵略し、甚大に被害を与えたアジア諸国にとって、憲法9条は天皇制日本軍国主義を復活させないための縛りである。集団的自衛権行使は、米と一体となって海外侵略へ出て行く意志を表明するものに他ならない。
フィリピンの「慰安婦」被害者であるおばあさんたちは、「被害者の多くが亡くなり、生きている私たちも病気がちで弱っている。しかし正義のために日本に要求し続ける」と謝罪と賠償をもとめた。なによりも軍の関与や「強制」を否定することで日本軍「慰安婦」の存在自体を否定することが許せない。被害者らは「私たちは性奴隷の生きた証人。私たちは強制された。これは犯罪だ」と強く訴えた。
歴史歪曲は現在の侵略主義と一体のものだ。フィリピンの「慰安婦」被害者達の訴えが何よりもそれを物語っている。
※フィリピンで元慰安婦らがデモ 安倍首相訪問に合わせ(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0727/TKY201307270242.html
※Sex slavery victims rally in Manila(The Japan Times)
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/07/27/national/sex-slavery-victims-rally-in-manila/
※集団的自衛権 改憲 東南アジア首脳に説明(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072802000103.html
(ハンマー)