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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

集団的自衛権の行使=9条解釈改憲の危険

2013-08-03 | 安倍政権

  8/3(土)朝日新聞は、麻生副総理が“改憲はヒトラーの手法をまなべ”といったことに触れ、ヒトラーの独裁権力に、安倍首相が内閣法制局局長人事に集団的自衛権推進論者の小松一郎氏を独断で抜擢する方針を決め9条改憲を「解釈改憲」で強行しようとしていることをなぞらえているが、全く同感だ。安倍自民党の衆参両院での圧勝によって、重要な人事権を含めて安倍首相が独裁的に振る舞う危険が出てきたことを意味する。

 一方同日の読売新聞はトップで、安倍首相の諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」が、すでに発表している4類型--①共同行動をする米艦への攻撃への対処、②米本土を狙うミサイル防衛、③PFOなどでの駆け付け警護、④国際平和維持活動の他国部隊への後方支援--だけでなく、全面的に集団的自衛権を容認するよう提言する方針をあきらかにしたことを報じている。

  安倍首相は参院選後、かつての日本の侵略地であり甚大な犠牲をもたらしたフィリピン、シンガポール、マレーシアを歴訪し、経済援助をテコに、「集団的自衛権」行使容認と憲法改正への理解を迫ってるが、全く許し難いことだ。日本国憲法も集団的自衛権の否定も、かつての日本軍国主義による侵略戦争の反省にたって二度と戦争をしないという、アジア諸国への証文であったからだ。

  安保法制懇の座長代理を務める北岡伸一氏は読売新聞のインタビューで、“中国の軍事力は日本より強大になった、中国の公船も尖閣諸島の領海に頻繁に入ってきている。個別的自衛権だけで必要最小限度が足りているとは到底言えない。信頼できる国の間でお互いに協力して安全を守ろうというのが集団的自衛権の考え方だ。”などと語っているが、これは全くの詭弁である。

 集団的自衛権は、“同盟国への攻撃を自国への攻撃とみなしてともに武力行使する権利”のことだ。仮に北岡氏のいうように中国の軍事力が日本より強大になり、公船が尖閣諸島にはいってきているとしても、それが中国が軍事力を行使するとか、日本が軍事力を行使するとかいう問題ではない。つまり軍事力を伴う自衛権の問題ではない。
 さらにありえないことだが、仮に中国が日本に武力攻撃をしたとしても、「専守防衛」で対処できる。もしそれが偶発的な軍事衝突であれば、すぐさま反撃をするのではなく、外交的な話し合いによって収拾しなければならない。
 この脈絡で「集団的自衛権」が必要となるのは、中国が在日米軍や米艦船への武力攻撃を行い、それを日本の自衛隊が防衛し反撃しなければならないという場合だけである。北岡氏は中国が米国との全面戦争の危険を冒してでも、米艦船を攻撃すると本当に考えているのであろうか。

 そもそも、72年より棚上げ合意されていた尖閣諸島を強引に国有化し、領海警備の名のもと軍事挑発を繰り返している日本政府の側こそが、対立と脅威の源となっている。そして在日米軍基地自体がアジアの脅威なのである。
 北岡氏は“信頼できる国の間で”というが、日本がすべきことは、中国との間で対話をすすめ「信頼できる関係」を構築することだろう。

 本当に「集団的自衛権」を行使しなければならない状況というのは、アフガニスタン戦争やイラク戦争のように、米が行う戦争に自衛隊を海外派兵して武力行使も含めて協力するという場面だ。だが、それは集団的自衛権という「権利」ではないだろう。望む望まないとにかかわらず米国の戦争に自衛隊が組み込まれ、海外派遣させられ協力させられることなってしまうという「集団的侵略義務」になるだろう。

 日本が行った侵略戦争への反省から生まれた日本国憲法の精神を踏みにじってはならない。 

※集団自衛権の全面容認、有識者会議が提言へ(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130802-OYT1T01468.htm?from=ylist
※新法制局長官、集団的自衛権の解釈見直し派に(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130801-OYT1T01590.htm?from=popin
※法制局長官に小松氏:集団的自衛権 首相、行使容認へ布石(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130803k0000m010103000c.html
※集団的自衛権 改憲 東南アジア首脳に説明(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013072802000103.html
※集団的自衛権容認 国際社会の理解得られない(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-210227-storytopic-11.html
※社説[集団的自衛権容認]「平和主義」を葬るきか(沖縄タイムス)
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-07-29_52233
※民主政体でなぜ独裁?=「ナチス憲法」Q&A(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013080200760

(ハンマー)


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