ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.50
( 2022年6月2日 )
(コロンビア要点)
・ 5月29日の大統領選結果: グスタボ・ペトロ40.32%(8,526,352票)、ロドルフォ・エルナンデス28.15%(5,952,748票)。6月19日に決選投票。【コロンビアの投票は任意で、投票率は全般に低い。今回はこれまでよりも高まったが50%ほど。5月30日から第2ラウンドの選挙戦が始まっている。ペトロ陣営の高揚がいっそう強まっていると報じられている。】
・ グスタボ・ペトロ: 62歳。もとゲリラ戦士。1990年の和平協定締結により武装闘争を放棄。下院議員、上院議員を経て、2010年の大統領選で第3位。2011年にボゴタ市長に。2018年大統領選で第2位。決選投票で現大統領ドゥケに敗北。今回は、コロンビア社会の変革を目指す民主的進歩的勢力を糾合した「歴史的盟約」で第1ラウンド勝利。
・ ロドルフォ・エルナンデス: 77歳。公然とヒトラーを称賛する極右実業家・大富豪。女性や移民を蔑視。極右アルバロ・ウリベ前大統領が支持。米トランプやブラジルのボルソナロのコロンビア版と言われている。現大統領ドゥケの後継者を押しのけて第2位。
(米州サミットとALBAサミット要点)
・ ロサンゼルスでの「米州サミット」を前にして、5月27日、ハバナで「米州ボリバル同盟-人民貿易協定(ALBA-TPC)」第21回サミットがおこなわれた。 / 12項目の「宣言」を採択。米国による「米州サミット」からのキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの排除を「深刻な歴史的後退」「ラ米カリブ諸国人民に対する暴挙」と批判し、ALBAの強化とCELACによる真の地域統合を主張している。 / 米国の姿勢を批判する諸国は一様にCELACを地域統合の中心に据えることを主張している。
・ 米国とOASによるロサンゼルスでの「米州サミット」に対して、米国およびラ米カリブ諸国の150以上の組織(「ALBA運動」を含む)によって、「カウンター・サミット」が組織されている。現地で「人民サミット」、メキシコで「労働者サミット」がおこなわれる予定。 / メキシコはキューバとの関係・交流を強化。 / また、アルゼンチンは、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」の会議を「米州サミット」と並行して開催すると発表。
・ 「米州サミット」から3ヵ国を排除することに対する批判は米州諸国の半数を超え、バイデン政権は苦境に陥っている。 / 米下院議員の中から、3ヵ国も招待するよう求めるグループが現れた。 / もともとは、フロリダの極右勢力が3ヵ国排除を主張し、中間選挙をにらんでバイデン政権がそれに同調したという経緯がある。
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(コロンビア)
Prensa Latina May 30, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Second round of elections in Colombia begins today
(コロンビア大統領選の第2ラウンドは今日始まる)
国別登録簿の予備データによると、実質的に100%の票を数えて、グスタボ・ペトロは8,526,352票を獲得し、これは有効投票総数の40.32%に相当する。 / 2位は無所属のロドルフォ・エルナンデスで、595万2,748票、28.15%だった。
teleSUR Published 30 May 2022
Who Are the Two Colombians Who Will Dispute the Second Round?
(第2ラウンドで争う2人のコロンビア人はどんな人か?)
一人は実業家のエルナンデスで、ヒトラーを賞賛し、移民の女性に「お願いだから」子どもを増やさないようにと頼む、ボルソナロの地方版である。 / 「歴史的盟約」の大統領候補グスタボ・ペトロが有効票の40%以上を獲得して大統領選第1ラウンドで勝利し、6月19日には、28%の票を得た極右の大富豪ロドルフォ・エルナンデスと投票を争うことになる。 / 62歳の経済学者グスタボ・ペトロは、ボゴタのExternado大学で学び、Louvainカトリック大学で、開発、人口、環境の大学院課程を修了した。 / 1980年代には、ゲリラ組織である「M-19運動」のメンバーであったが、1990年に締結された和平協定により武装闘争を放棄した。ペトロは、「M-19民主同盟」党の創設メンバーの一人であり、この政党の支援により、1991年に制憲議会、2002年には下院に進出し、コロンビアで最も高い選挙支持率を誇る議員となった。 / 当時、ペトロは、極右政治家であるアルバロ・ウリベ大統領の最大の反対者の一人として際立っていた。ウリベは反テロリスト憲章を推進し、再選のために憲法改正を提案した。 / 2005年、ペトロは「代替民主主義極(Alternative Democratic Pole)」の設立を支持し、1年後にそこから上院議員に当選することができた。そこでの議員活動により、2010年の大統領選挙に立候補する条件が整い、第3位の得票数を獲得した。 / その後、「代替民主主義極」を離党して自身の政党を設立し、2011年にボゴタ市長に就任した。6年後、彼は「Colombia Humana movement」に支援されて大統領選に立候補し、2018年の第2ラウンドに進むことができたが、現大統領のイバン・ドゥケに敗れた。 / ロドルフォ・エルナンデスとは? 77歳の土木技師ロドルフォ・エルナンデスは、アルバロ・ウリベ前大統領の支援を受け、2015年にBucaramanga市長に就任し、「論理、倫理、美学」で行政を行うと約束している大富豪の実業家である。 / 彼は、いくつかの汚職スキャンダルに巻き込まれ、現在、司法長官をはじめとするコロンビア当局が捜査中である。逆説的だが、彼は「反汚職指導者連盟」という運動を立ち上げた後、2022年の大統領選に参戦している。エルナンデスに対する裁判は第2回選挙ラウンドの後まで延期され、その結果、彼は5月29日の選挙に参加できるようになった。 / エルナンデスは、極右的な政治的立場を隠さないことが特徴で、そのため彼は、ドナルド・トランプやジャイル・ボルソナロのコロンビア版と言われている。 / 彼のヘイトスピーチは、サッカーをする女性、移民、公職を目指す女性、貧困層、デモ参加者、環境活動家などをターゲットにしていることが何度もあった。彼の偏見は、例えば、移民の女性に向けられたこんな言葉に集約されている。「彼らは貧しい子どもをつくる工場だ。お願いだから、これ以上子どもをつくらないでくれ」と。 / ラジオのインタビューでは、エルナンデスは「アドルフ・ヒトラーというドイツの偉大な思想家の信奉者」であることまで認めている。
teleSUR Published 29 May 2022
Leftist Candidate Petro to Colombia: “Bet on Change”
(左派候補ペトロがコロンビア人民に「変革に賭けよう」と呼びかけ)
「歴史的盟約」連合のコロンビア大統領候補グスタボ・ペトロは、日曜日(5/29)、6月19日の選挙第2ラウンドに直面して、変化に賭けるように国民に呼びかけをおこなった。 / 日曜日の投票では、ペトロが40.33%、エルナンデスが28.16%の票を獲得した。国家登録局によると、票の99.84%がカウントされた。
teleSUR Published 26 May 2022
Would Colombia’s Elections Mark a Shift to the Left in LatAm?
(コロンビアの選挙はラ米の左へのシフトを意味するのだろうか?)
組織的な政治的暴力の終結を求めるコロンビアは、現在歴史的な瞬間を迎えており、初めて左派の候補者が同国の大統領になる可能性がある。 / 仮に、左派連合「歴史的盟約」候補のグスタボ・ペトロが日曜日に勝利したとしよう。その場合、コロンビアは米国一辺倒の外交政策を捨て、大陸統合の積極的な一翼を担うようになる可能性がある。そうすれば、2011年に設立された、アメリカとカナダを除いた中南米・カリブ海諸国33カ国を含む「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」など、中南米の統合手段は強化されるだろう。 / グスタボ・ペトロとフランシア・マルケスは、左翼連合「歴史的盟約」でコロンビアの進路を変え、コロンビアを「生活のための権力(power for life)」に変えることを意図した選挙公約を形成している。「歴史的盟約」の指導者は、「公平省(ministry of equity)」の創設、公的機関における女性代表の50%達成、持続可能な国家発展に向けたエネルギー転換の推進を提案している。 / この国は、2019年、20年の抗議行動と21年の “社会的爆発” が先行しての今回の選挙という脈絡で、強固な選挙情勢(robust electoral climate)を経験しつつある。このシナリオでは、コロンビアの一大部分が、「ウリベ主義」を終わらせたいと思っていることは明らかである。前大統領アルバロ・ウリベとその政治、経済、暴力のモデルで、現大統領イバン・ドゥケが受け継いでいるウリビズムである。 / ラ米カリブの新しい左翼潮流に影響を与える要因はいくつかあるが、その背景には、2008年の危機の影響による地域の貧困と不平等の深刻化、民主主義と制度への不満の高まり、伝統的政党制度の崩壊、政治腐敗への怒りがある。 / そうした左旋回の中で、メキシコでAMLOが勝利して2018年に就任し、パナマでLaurentino Cortizoが勝利、翌19年にアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデスが勝利。20年に、ボリビアでルイス・アルセが大統領に就任した。21年には、ニカラグアのダニエル・オルテガ、ペルーのペドロ・カスティージョ、ホンジュラスのシオマラ・カストロ、チリのガブリエル・ボリッチの勝利と、さらに4つの変化が起こった。 / ブラジルは、世論調査でボルソナロが沈み、強化されたルラが大統領選に意欲的であるため、この左派へのシフトに加わる可能性が高いだろう。左派候補のグスタボ・ペトロの勝利がもたらす影響は、ラ米カリブのみならず国際的にも重要な意味を持つ。 【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.05.28 Saturday)に全訳あり】
teleSUR Published 26 May 2022
27 International Groups to Observe the Colombian Elections
(27の国際グループがコロンビアの選挙を監視する)
選挙ソフトの検証を行う機関としては、欧州連合(EU)、米州機構(OAS)、「国際選挙制度財団」(IFES)、「選挙支援・促進センター」(CAPEL)、「選挙透明性、国際民主・選挙支援研究所」(IDEA)、「世界選挙機関連合」(A-WEB)などがある。 / 「南方共同市場議会」(PARLASUR)は、その民主監視団(ODPM)のミッションも“プロセスの透明性に寄与する”ために大統領選を監視すると報告。「ODPMグループ」は、Oscar Laborde、María Luisa Storani(アルゼンチン)、Humberto Costa(ブラジル)、Pedro Dulciades(パラグアイ)、Mario Colman, Daniel Peña, Nicolás Viera(ウルグアイ)、Jaime Rivas(ボリビア)から構成されている。
teleSUR Published 25 May 2022
Political Violence Ahead of Colombian Presidential Elections
(コロンビア: 大統領選を前にした政治的暴力)
この5月29日に行われるコロンビアの選挙を前に、いくつもの国が暴力の脅威を警告している。 / 日曜日(5/29)に予定されているコロンビア大統領選挙の第一ラウンドを前に、「暴力、暗殺、干渉の脅威が高まっている」と、約20カ国の公人や議員が懸念を露わにしている。 / 約100人の政治指導者が署名した書簡では、「歴史的盟約」の大統領候補グスタボ・ペトロと副大統領候補フランシア・マルケスに対する脅迫についてコメントが述べられている。 / 選挙監視団(MOE)は、同国における選挙暴力犯罪の増加について警告を発した。報告書は、政府の干渉だけでなく、あらゆる種類の社会的指導者の暗殺が進行していることに言及した。 / 犯罪集団「クラン・デル・ゴルフォ」の武力攻撃も、選挙を前にした特に重大な暴力事件であった。同組織は、脅迫、拷問、殺害、トラックや車の焼却、住民の監禁など、恐怖と不安を煽るような行為をおこなった。この事件では14人が死亡した。「発展と平和のための研究」によると、今年になってこれまでに殺されたのは、元戦闘員が21人、ほかに44人が虐殺され、79人の社会的指導者が暗殺されたと記録されている。 【「ブエノス・アミーゴス」(2022.05.27 Friday)に全訳あり。】
(米州サミットとALBAサミット)
teleSUR Published 31 May 2022
PM Gonsalves Urges CARICOM States Not To Attend US-Led Summit
(ゴンサルベス首相、カリコム諸国に米国主導のサミットに出席しないよう要請)
火曜日(5/3)、セントビンセント・グレナディーンのラルフ・ゴンサルベス首相は、「カリブ共同体(CARICOM)」諸国に対し、米国がキューバ、ベネズエラ、ニカラグアをこのイベントから除外したことに抗議し、「米州サミット」に出席しないよう要請した。
Workers World May 30, 2022 By Sara Flounders and Lyn Neeley
Biden’s Summit of the Americas in deep trouble
(バイデンの「米州サミット」が大ピンチ)
今年、米州サミットを開催することで、西半球における米国の影響力を示すことができるというバイデンの壮大な期待は、腐食しつつある(eroding)。 / バイデンがキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの招待を拒否したため、西半球のほとんどの国がサミットを辞退してしまったのだ。カリコム(カリブ共同体)諸国がサミットをボイコットする。 / 5月27日、キューバのハバナで第21回ALBA(米州ボリバル同盟)サミットが開催された。ALBAは、ベネズエラとニカラグアに対する一方的な措置と、キューバに対する経済封鎖を拒否した。 / 労働者サミットと人民サミット バイデンのサミットに反対するために、2つの連合が組織されている。メキシコのティファナで開かれる「労働者サミット」は6月10日から12日まで(WorkersSummit.com)、ロサンゼルスの「人民サミット」は6月8日から10日まで(PeoplesSummit2022.org)開催される。 / 「労働者サミット」は、米国の制裁と介入に反対する労働組合、社会正義、労働者団体の米国とカナダの指導者の連合体である。ベネズエラ、キューバ、ニカラグアの「労働者サミット」のスピーカーには、ベネズエラの社会主義政党の労働者階級担当副総裁フランシスコ・トレルバ、ベネズエラ、ニカラグア、キューバ、メキシコの大使が含まれている。 / 「人民サミット」、「労働者サミット」は、いずれもプログラムのライブ配信を予定している。
Venezuelanalysis May 30th 2022 By Andreína Chávez Alava
ALBA-TCP Rejects ‘Discriminatory’ Summit of the Americas, Venezuela Welcomes Support
(ALBA-TCPは「差別的な」米州サミットを拒否、ベネズエラは支援を歓迎)
ベネズエラのマドゥーロ大統領は、米国の覇権主義的関心に対抗して立ち上がった「勇敢な声」を賞賛した。 / 金曜日(5/27)、地域の指導者たちは、6月6日から10日にかけてロサンゼルスで開催される「いわゆる米州サミットにおける差別的な扱い」を非難するために、「米州ボリバル同盟-人民貿易協定(ALBA-TCP)」の第21回サミットに集まった。 / 「私たちは、恣意的、イデオロギー的、政治的動機による数カ国の除外を拒否する。この一方的な決定は、この半球関係における深刻な歴史的後退を構成する」と、キューバのハバナでの会議の終わりに承認された声明は述べている。
Prensa Latina May 29, 2022 Published by: anonimo
US: Summit of shame
(米国: 恥のサミット)
米国のジョー・バイデン大統領と米州機構(OAS)がロサンゼルスで開催する第9回「米州サミット」は間違いなく恥であると、活動家クラウディア・デ・ラ・クルスは語った。 / ニューヨークを拠点とする運動「The People's Forum」の共同ディレクターであるデ・ラ・クルスは、「Prensa Latina」への声明の中で、「地域の国々を排除したいわゆるサミット」を推進する米国政府の立場を否定した。 / 彼女は、「人々のニーズを政策とプログラムの中心、最前線に置く国家プロジェクトをつくる能力を示した国々」を、主催者が除外していると批判した。 / キューバ、ベネズエラ、ニカラグアは、新自由主義的な政治モデルに追随する地域の他の諸国とは異なり、そこから離れる勇気を持っていた、と指摘した。 / デ・ラ・クルスは、バイデンやOASのイベントと対峙するために、「ALBA運動(ALBA Movimiento)」など、米国およびラ米カリブ諸国の150以上の組織の努力のおかげで「カウンター・サミット」を組織していると強調した。
Prensa Latina May 28, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Argentina organizes CELAC meeting parallel to Summit of the Americas
(アルゼンチン、米州サミットと並行してCELAC会議を開催する)
アルゼンチンは、6月に米国で開催予定の第9回「米州サミット」と並行して、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」の会議を開催すると、Télam機関が公式情報源を引用して本日(5/28)報告した。 / アルゼンチンは、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアの代表が参加できる会議の開催を推進する。 / 前日、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、米国がキューバとベネズエラに課している封鎖の中止を要求し、排除のない会議を開催するよう改めて呼びかけた。
INTERNATIONALIST 360°MAY 27, 2022 Kawsachun News
ALBA-TCP Summit of the Americas Declaration
(ALBA-TCP米州サミット宣言)
ALBA-TCP首脳が2022年5月27日ハバナで会談。 / キューバは、前回に続き再び「米州ボリバル同盟(ALBA-TCP)」を構成するラ米カリブ諸国の第21回サミットを開催した。 / ハバナの革命宮殿で開催された金曜日(5/27)の会議の主な目的は、共通の開発戦略を共有し、地域の政治状況を分析することであった。 / ALBA-TCPは、ハバナで開催された前回のサミットでセントルシアが再加盟したことにより、現在10カ国で構成されている。キューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、アンティグア・バーブーダ、ドミニカ、グレナダ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセントおよびグレナディーン、セントルシアの10カ国。 / 第21回ALBA-TCPサミットは、米国がキューバ、ニカラグア、ベネズエラを会議に招待しないと発表した後、不確実性の中でカリフォルニア州ロサンゼルスで開催される第9回「米州サミット」の数日前に開催された。大陸のいくつもの国が、この地域からの3ヵ国の排除を糾弾している。 / 以下は、米国とOASの差別を糾弾するサミットの宣言文である。
<第21回ALBA-TCPサミット 宣言>
ALBA-TCPはロサンゼルスにおけるいわゆる「米州サミット」における排除と差別的な扱いを拒否する
「米州ボリバル同盟-人民貿易協定(ALBA-TCP)」の各国政府首脳と代表団首脳は、2022年5月27日、第21回サミットでキューバのハバナに集まった。
01.連帯、社会正義、協力、経済的補完性の原則に基づき、また「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」が主導する真の地域統合と「ラ米カリブ平和地帯宣言」の基本原理に基づき、我ら諸国人民の連合の手段としてALBA-TCPを強化するという公約を確認する。
02.「我らがアメリカ」諸国の次の要求を支持する。主権平等、内政不干渉、武力不行使、または武力行使の脅威・紛争の平和的解決、および民族自決の原則を含む国連憲章および国際法に基づいて、この半球関係の変革を実現すること。
03. 多面的かつ複雑な地球規模の諸課題に集団的行動を通じて対処する主要な手段として、多国間主義への支持を再確認する。
04.ラ米カリブ諸国民に対する帝国主義的支配が、その覇権主義的利益に従ってこの地域の分裂を維持しようとすることを糾弾する。
05.6月に米国のロサンゼルスで開催されるいわゆる「米州サミット」から、我らの数カ国が、恣意的、イデオロギー的、政治的に動機づけられて排除されることを拒否する。このような一方的な決定は、半球関係における重大な歴史的後退であり、ラ米カリブ諸国の人々に対する暴挙である。
06.大陸のすべての国が招待され、同イベントに対等に参加する権利を支持する。ロサンゼルスの会議の開催国に、排除や主権と独立を侵害するような条件を課す権利がないことを強調する。
07.いわゆる「米州サミット」のホスト国である米国が、我々の大陸の真の市民社会の多数の代表に対して差別的な扱いをしたことを糾弾する。
08.この種の排他的な会合は、緊急の統一的諸課題や世界的または地域的な脅威の解決に何ら寄与しないことを強調する。
09.我々の大陸の政府、社会的アクター、組織、同胞的人民が、ロサンゼルスの会議からの3ヵ国の排除を圧倒的かつ様々な方法で拒否した、その勇気と尊厳のある姿勢を支持し、感謝する。
10.ベネズエラとニカラグアに対する強制的な一方的措置、およびキューバに対する経済的商業的金融的封鎖を拒否する。それは、国際連合憲章と国際法に記された原則と目的に違反しておこなわれている。
11.ラ米カリブ諸国の国民的英雄および建国の父たちの理想の尊重に基づき、我らが諸国人民の民族的尊厳を擁護する。
12.我々の半球に影響を及ぼす主要な問題に対する効果的な解決策を見出すために、例外なく、「我らがアメリカ」大陸の諸国の間で、敬意を表すべき対話、寛容、平和的共存および協力を促進するための、真の努力を支援する。
ハバナ、2022年5月27日
Granma may 27, 2022 11:05:16
ALBA-TCP Summit begins in Havana
(ALBA-TCPサミットがハバナで開幕)
キューバ共産党中央委員会第一書記兼共和国大統領ミゲル・ディアス=カネル・ベルムデスは、公式会議に参加するベネズエラ、ニカラグア、ボリビア、セントビンセント・グレナディーン、グレナダ、ドミニカ、アンチグアバーブーダ、セントキッツ・ネイビス、セントルシアの大統領、首相および高位指導者を迎え入れた。 / ALBA-TCPは、例年、上半期と12月に首脳会議を開催している。今回は、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される第9回米州首脳会議の数日前に開催され、主催者である米国政府によってALBA-TCPの3カ国であるニカラグア、ベネズエラ、キューバが除外されることが明らかになったため、特別な意味を持つ会議となった。
【キューバを入れて10ヵ国。ホンジュラスがまだ入っていないが復帰予定。】
Prensa Latina May 27, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
ALBA-TCP Summit in Cuba rejects exclusion and discrimination
(キューバでALBA-TCPサミット、排除と差別を拒否)
米国が主催する次の「米州サミット」からのキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの除外に対する力強い拒絶が、本日(5/27)、ALBA-TCPのメンバー国によって表明された。 / ハバナで開催された第21回「ボリバル同盟(ALBA-TCP)」サミットは、最終宣言でそれらの国々に対する差別的な扱いを糾弾した。 / 最終宣言は「ALBA-TCPは、ロサンゼルスのいわゆる米州サミットにおける排除と差別的扱いを否認する」と題されている。 / 12のポイントにおいて、連帯、社会正義、協力、経済的補完性の原則に基づく諸国人民の同盟(union)の手段として、ALBA-TCPを強化するという約束(commitment)を確認している。それは、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」が主導する統合と、ラ米カリブを平和地帯と宣言することを伴っている。 / この文書は、主権平等、内政不干渉、武力行使や紛争の平和的解決、民族の自決の原則を含む国連憲章と国際法に基づいて、「我らがアメリカ」諸国の主張を支持する。 / 集団行動を通じて複雑な地球規模の課題に立ち向かう手段としての多国間主義への支持を再確認し、ラ米カリブ諸国人民に対する帝国主義の支配の主張を糾弾する。その主張は、覇権的利益に従ってこの地域を分割したままにしようとするものである。 / また、6月に米国のロサンゼルスで開催されるいわゆる米州サミットから数カ国が恣意的、イデオロギー的、政治的に動機づけられ排除されることを拒否するものである。この一方的な決定は、半球関係における重大な歴史的後退である。 / 宣言は、すべての国が平等な条件で同イベントに参加する権利を支持し、ロサンゼルスでの会議の主催者には、その主権と独立を侵害する除外や条件を課す権利がないことを強調した。 / 宣言は、ベネズエラとニカラグアに対する一方的な強制措置の押しつけと、キューバに対する経済・商業・金融封鎖を、国連憲章と国際法の原則に反して拒否している。
Prensa Latina May 27, 2022 Published by: Aleynes Palacios Hurtado
US congresspeople urge to invite Cuba to Summit of the Americas
(米下院議員、「米州サミット」にキューバを招待するよう要請)
米国の下院議員のグループが、6月6日から10日までロサンゼルスで予定されている米州サミットにキューバ、ベネズエラ、ニカラグアを招待するようジョーバイデン大統領に要請した。
teleSUR Published 27 May 2022
ALBA: Regional Integration Is an Imperative - Cuban President
(ALBA: 地域統合は必須とキューバ大統領)
キューバのディアスカネル大統領は、ALBA-TCPの第21回サミットの開会の場で、「断片化されていれば、我々の代表はそれぞれ無視されるかもしれないが、団結すれば誰も我々を黙らせることはできないだろう」と述べた。 / 第21回ALBA-TCPサミットが、本日(5/27)、ハバナで開幕した。このサミットは、同盟のメンバー国に、共通の開発戦略を共有し、地域の政治状況を分析する機会を提供するものである。 / ディアスカネル大統領は、ALBA-TCP加盟国の首脳や政府代表に対し、「今は、地域統合と政治的調整のために意思を統一し前進することが、かつてないほど不可欠である」と述べた。
teleSUR Published 26 May 2022
CARICOM Urges Summit of the Americas to Be Inclusive
(カリコム、米州サミットが包括的であることを再度要請)
「カリブ諸国共同体(CARICOM)」の外交・地域関係評議会(COFCOR)第 25 回会合は、包括的な米州サミットを要請した。 / CARICOMは、6月6日から10日まで米国のロサンゼルスで開催される第9回「米州サミット」について、水曜日(5/25)、地域のすべての国を集める包括的な会議であるべきだという要求を再度表明した。
teleSUR Published 24 May 2022
ALBA-TCP Summit To Be Held in Havana on May 27
(ALBA-TCPサミット、5月27日にハバナで開催へ)
金曜日(5/27)にキューバのハバナで第21回ALBA-TCP(米州ボリバル同盟–人民貿易協定)サミットが開催される予定だ。 / この会議は、2022年にロサンゼルスで開催される「米州サミット」の前に行われるため、特別な重要性を持つ。 / 加盟国10カ国と招待国3カ国が参加するALBA-TCPは、昨年12月にもハバナで第20回サミットを開催した。
People's World May 20, 2022 BY W. T. WHITNEY JR.
Mexico leads in opposing the Cuba blockade and U.S. imperialism
(メキシコがキューバ封鎖と米帝国主義への反対を牽引する)
メキシコのAMLO大統領は、5月8日から9日にかけてキューバを訪問した。 / 彼は、「OASを、真に自律的な組織で置き換える」ことを求めた。CELACは、おそらくその代替となる同盟であろう。2011年に結成されたCELACは、米国とカナダを除く西半球の国々が加盟している。 / AMLOは、「南北アメリカ大陸の衰退を必然的にもたらす競争と不統一の拡大」を拒否した。彼は、「主権を尊重し政府形態を尊重した統合と、あらゆる人に適した経済的・商業的発展の協定の効果的な適用」を求めた。その「第一歩」は、米国が「キューバに対する封鎖を解除すること」である、と。 / AMLOの訪問は、現実的な面での合意を促した。両大統領は、キューバがメキシコに医薬品とワクチン、特に子ども用の抗COVID Abdalaワクチンを供給することを決定した。メキシコ政府は、メキシコの若者約200人をキューバに派遣して医学を学ばせ、キューバの医師500人をメキシコに派遣して医療が行き届いていない地域で活動させる予定である。両大統領は、他の分野での協力拡大を定めた一般協定にも署名した。 / メキシコは、米国との経済的、商業的な結びつきが強いので、その努力をリードする立場にある。経済的なパートナーとしてメキシコを頼りにしている米国は、ある種の要求を受け入れる可能性がある。 / ホワイトハウスにある米国通商代表部によると、「メキシコは現在、2019年中の(双方向)物品貿易総額が6,145億ドルで、最大の物品貿易相手国である」という。 / キューバとの関係では、メキシコは独自の革命の伝統を持ち、キューバとの長年の関係を持っている。米国の封鎖を解くための強力な国際キャンペーンを主導するのに適した立場にある。 / 6月6日から10日までロサンゼルスで開かれる第9回米州サミットに向け、ラ米カリブ諸国のまとまりは不安定なようである。このサミットは、OASの派生物(offshoot)で、そのホームページには、OASが「サミット・プロセスの技術事務局としての役割を担っている」とある。 / 米国は、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアの左派政権には招待状を送らないことを示唆している。AMLOはハバナで演説し、改めて異議を唱え、それら諸国が除外されるのであれば自分は出席しないと明言した。ボリビアとホンジュラスの大統領、ルイス・アルセとシオマラ・カストロも、同様である。 / カリブ諸国の大統領も欠席する。彼らは、米国が任命したベネズエラの「大統領」フアン・グアイドが招待され、キューバのミゲル・ディアス=カネル大統領が招待されないという偽善を指摘している。 選挙の透明性やロシアとブラジルの関係についての米国の助言に不満なブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領も出席しない。 / つまり、旧来の地域間同盟は不安定であり、米国の支配と封鎖に対する新たな抵抗が必要な時期に来ているのではないかということだ。米国の反帝国主義者と封鎖反対派は、ラ米カリブ諸国の行動、傾向、流動性に合わせて戦略を立て、努力する機会となるであろう。そして、メキシコ政府の行動と政策に最も注意を払うことになる。
teleSUR Published 19 May 2022
CELAC Is a Meeting Point for Latin Americans: President Ortega
(CELACがラ米カリブ諸国の出会いの場:オルテガ大統領)
米国が2022年の「米州サミット」にニカラグアを招待しようとしないことに言及し、サンディニスタの指導者は、そのようなイベントは「私たちの関心事ではない」と指摘した。 / 水曜日(5/18)、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」を、この地域の人民とその政府の会合に最も適した空間として強化するよう呼びかけた。 / 「CELACは、ラ米カリブ諸国における革命的プロセスの力とエネルギーによって誕生した」とオルテガは振り返り、その発起人が米国をこの共同体に含めない勇気をもっていたことを強調した。 / 「だからといって、CELACは域外諸国や世界の他の統合プロセスとの関係を構築していないわけではない。しかし、その国際関係は相互尊重に基づいている」とオルテガは説明し、CELACがロシア、中国、インドなどの国々と広範な交流をおこなっていることを想起した。 / ニカラグア大統領は、ワシントンが採用した排他的な態度を拒否したいくつものラテンアメリカ政府の懸念と勇気に感謝した。
teleSUR Published 18 May 2022
Cuba Condemns Exclusion of Key Topics at Americas’ Summit
(キューバ、「米州サミット」での重要なトピックスの除外を糾弾)
キューバのCarlos Fernandez de Cossio外務副相は、6月に米国で開催される第9回「米州サミット」では、人種差別、女性の権利、周縁化(marginalization)など、この地域の重要な問題の議論が盛り込まれないだろうと述べた。 / サミットの議題には、医療サービスへのアクセスにおける不平等や、強制的な措置が国家に与える影響についての分析も含まれていない。
MR online May 17, 2022 By Misión Verdad
Originally published: Orinoco Tribune on May 14, 2022
Controversy and contradictions ahead of the 9th Summit of the Americas
(第9回米州サミットを前にした論争と矛盾)
【ほとんどが既に報じられている内容。 / 目新しい点は主に2つ。フロリダ・ロビーの横やりと11月の中間選挙とのからみ。米国に付き従ってきたいくつもの国にとってベネズエラとの関係改善に動く重要な機会になっていると指摘している点。】 6月第2週にカリフォルニア州ロサンゼルスで開催される第9回米州サミットは、ワシントンとラ米カリブ諸国との外交摩擦の焦点となっている。 / 米国の強権的な外交政策に決定的な影響力を持つフロリダ・ロビーが、参加国に制限を加えた。 / 2022年11月に米国で行われる中間選挙で、上院の3分の1、下院のかなりの議席が更新されることも、この論争に影響を及ぼしている。 / フロリダ州が再び中間選挙の決戦の場となる可能性がある。 / ニカラグア、キューバ、ベネズエラが米州サミットに招待されれば、フロリダでの反バイデンのレトリックが強化され、バイデンはこの地域の「独裁者」の共犯者として提示されることになるだろう。 / ワシントンは、第9回サミットの国際的な知名度を下げて第2レベルの代表で開催するか、除外国を招待してフロリダ・ロビーの怒り(選挙での犠牲は明白)と「グアイド・プロジェクト」の決定的な崩壊に直面するか、苦しい状況に追い込まれているようにみえる。 / 現在の状況はまた、ほとんどコメントされていなかった重要な転換点を示している。何年にもわたってベネズエラと距離を置き、米国の攻撃に受動的に協力してきたいくつかの国にとって、ベネズエラとの政治的・外交的関係を再開する重要な機会となっているのである。
( 2022年6月2日 )
(コロンビア要点)
・ 5月29日の大統領選結果: グスタボ・ペトロ40.32%(8,526,352票)、ロドルフォ・エルナンデス28.15%(5,952,748票)。6月19日に決選投票。【コロンビアの投票は任意で、投票率は全般に低い。今回はこれまでよりも高まったが50%ほど。5月30日から第2ラウンドの選挙戦が始まっている。ペトロ陣営の高揚がいっそう強まっていると報じられている。】
・ グスタボ・ペトロ: 62歳。もとゲリラ戦士。1990年の和平協定締結により武装闘争を放棄。下院議員、上院議員を経て、2010年の大統領選で第3位。2011年にボゴタ市長に。2018年大統領選で第2位。決選投票で現大統領ドゥケに敗北。今回は、コロンビア社会の変革を目指す民主的進歩的勢力を糾合した「歴史的盟約」で第1ラウンド勝利。
・ ロドルフォ・エルナンデス: 77歳。公然とヒトラーを称賛する極右実業家・大富豪。女性や移民を蔑視。極右アルバロ・ウリベ前大統領が支持。米トランプやブラジルのボルソナロのコロンビア版と言われている。現大統領ドゥケの後継者を押しのけて第2位。
(米州サミットとALBAサミット要点)
・ ロサンゼルスでの「米州サミット」を前にして、5月27日、ハバナで「米州ボリバル同盟-人民貿易協定(ALBA-TPC)」第21回サミットがおこなわれた。 / 12項目の「宣言」を採択。米国による「米州サミット」からのキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの排除を「深刻な歴史的後退」「ラ米カリブ諸国人民に対する暴挙」と批判し、ALBAの強化とCELACによる真の地域統合を主張している。 / 米国の姿勢を批判する諸国は一様にCELACを地域統合の中心に据えることを主張している。
・ 米国とOASによるロサンゼルスでの「米州サミット」に対して、米国およびラ米カリブ諸国の150以上の組織(「ALBA運動」を含む)によって、「カウンター・サミット」が組織されている。現地で「人民サミット」、メキシコで「労働者サミット」がおこなわれる予定。 / メキシコはキューバとの関係・交流を強化。 / また、アルゼンチンは、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」の会議を「米州サミット」と並行して開催すると発表。
・ 「米州サミット」から3ヵ国を排除することに対する批判は米州諸国の半数を超え、バイデン政権は苦境に陥っている。 / 米下院議員の中から、3ヵ国も招待するよう求めるグループが現れた。 / もともとは、フロリダの極右勢力が3ヵ国排除を主張し、中間選挙をにらんでバイデン政権がそれに同調したという経緯がある。
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(コロンビア)
Prensa Latina May 30, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Second round of elections in Colombia begins today
(コロンビア大統領選の第2ラウンドは今日始まる)
国別登録簿の予備データによると、実質的に100%の票を数えて、グスタボ・ペトロは8,526,352票を獲得し、これは有効投票総数の40.32%に相当する。 / 2位は無所属のロドルフォ・エルナンデスで、595万2,748票、28.15%だった。
teleSUR Published 30 May 2022
Who Are the Two Colombians Who Will Dispute the Second Round?
(第2ラウンドで争う2人のコロンビア人はどんな人か?)
一人は実業家のエルナンデスで、ヒトラーを賞賛し、移民の女性に「お願いだから」子どもを増やさないようにと頼む、ボルソナロの地方版である。 / 「歴史的盟約」の大統領候補グスタボ・ペトロが有効票の40%以上を獲得して大統領選第1ラウンドで勝利し、6月19日には、28%の票を得た極右の大富豪ロドルフォ・エルナンデスと投票を争うことになる。 / 62歳の経済学者グスタボ・ペトロは、ボゴタのExternado大学で学び、Louvainカトリック大学で、開発、人口、環境の大学院課程を修了した。 / 1980年代には、ゲリラ組織である「M-19運動」のメンバーであったが、1990年に締結された和平協定により武装闘争を放棄した。ペトロは、「M-19民主同盟」党の創設メンバーの一人であり、この政党の支援により、1991年に制憲議会、2002年には下院に進出し、コロンビアで最も高い選挙支持率を誇る議員となった。 / 当時、ペトロは、極右政治家であるアルバロ・ウリベ大統領の最大の反対者の一人として際立っていた。ウリベは反テロリスト憲章を推進し、再選のために憲法改正を提案した。 / 2005年、ペトロは「代替民主主義極(Alternative Democratic Pole)」の設立を支持し、1年後にそこから上院議員に当選することができた。そこでの議員活動により、2010年の大統領選挙に立候補する条件が整い、第3位の得票数を獲得した。 / その後、「代替民主主義極」を離党して自身の政党を設立し、2011年にボゴタ市長に就任した。6年後、彼は「Colombia Humana movement」に支援されて大統領選に立候補し、2018年の第2ラウンドに進むことができたが、現大統領のイバン・ドゥケに敗れた。 / ロドルフォ・エルナンデスとは? 77歳の土木技師ロドルフォ・エルナンデスは、アルバロ・ウリベ前大統領の支援を受け、2015年にBucaramanga市長に就任し、「論理、倫理、美学」で行政を行うと約束している大富豪の実業家である。 / 彼は、いくつかの汚職スキャンダルに巻き込まれ、現在、司法長官をはじめとするコロンビア当局が捜査中である。逆説的だが、彼は「反汚職指導者連盟」という運動を立ち上げた後、2022年の大統領選に参戦している。エルナンデスに対する裁判は第2回選挙ラウンドの後まで延期され、その結果、彼は5月29日の選挙に参加できるようになった。 / エルナンデスは、極右的な政治的立場を隠さないことが特徴で、そのため彼は、ドナルド・トランプやジャイル・ボルソナロのコロンビア版と言われている。 / 彼のヘイトスピーチは、サッカーをする女性、移民、公職を目指す女性、貧困層、デモ参加者、環境活動家などをターゲットにしていることが何度もあった。彼の偏見は、例えば、移民の女性に向けられたこんな言葉に集約されている。「彼らは貧しい子どもをつくる工場だ。お願いだから、これ以上子どもをつくらないでくれ」と。 / ラジオのインタビューでは、エルナンデスは「アドルフ・ヒトラーというドイツの偉大な思想家の信奉者」であることまで認めている。
teleSUR Published 29 May 2022
Leftist Candidate Petro to Colombia: “Bet on Change”
(左派候補ペトロがコロンビア人民に「変革に賭けよう」と呼びかけ)
「歴史的盟約」連合のコロンビア大統領候補グスタボ・ペトロは、日曜日(5/29)、6月19日の選挙第2ラウンドに直面して、変化に賭けるように国民に呼びかけをおこなった。 / 日曜日の投票では、ペトロが40.33%、エルナンデスが28.16%の票を獲得した。国家登録局によると、票の99.84%がカウントされた。
teleSUR Published 26 May 2022
Would Colombia’s Elections Mark a Shift to the Left in LatAm?
(コロンビアの選挙はラ米の左へのシフトを意味するのだろうか?)
組織的な政治的暴力の終結を求めるコロンビアは、現在歴史的な瞬間を迎えており、初めて左派の候補者が同国の大統領になる可能性がある。 / 仮に、左派連合「歴史的盟約」候補のグスタボ・ペトロが日曜日に勝利したとしよう。その場合、コロンビアは米国一辺倒の外交政策を捨て、大陸統合の積極的な一翼を担うようになる可能性がある。そうすれば、2011年に設立された、アメリカとカナダを除いた中南米・カリブ海諸国33カ国を含む「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」など、中南米の統合手段は強化されるだろう。 / グスタボ・ペトロとフランシア・マルケスは、左翼連合「歴史的盟約」でコロンビアの進路を変え、コロンビアを「生活のための権力(power for life)」に変えることを意図した選挙公約を形成している。「歴史的盟約」の指導者は、「公平省(ministry of equity)」の創設、公的機関における女性代表の50%達成、持続可能な国家発展に向けたエネルギー転換の推進を提案している。 / この国は、2019年、20年の抗議行動と21年の “社会的爆発” が先行しての今回の選挙という脈絡で、強固な選挙情勢(robust electoral climate)を経験しつつある。このシナリオでは、コロンビアの一大部分が、「ウリベ主義」を終わらせたいと思っていることは明らかである。前大統領アルバロ・ウリベとその政治、経済、暴力のモデルで、現大統領イバン・ドゥケが受け継いでいるウリビズムである。 / ラ米カリブの新しい左翼潮流に影響を与える要因はいくつかあるが、その背景には、2008年の危機の影響による地域の貧困と不平等の深刻化、民主主義と制度への不満の高まり、伝統的政党制度の崩壊、政治腐敗への怒りがある。 / そうした左旋回の中で、メキシコでAMLOが勝利して2018年に就任し、パナマでLaurentino Cortizoが勝利、翌19年にアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデスが勝利。20年に、ボリビアでルイス・アルセが大統領に就任した。21年には、ニカラグアのダニエル・オルテガ、ペルーのペドロ・カスティージョ、ホンジュラスのシオマラ・カストロ、チリのガブリエル・ボリッチの勝利と、さらに4つの変化が起こった。 / ブラジルは、世論調査でボルソナロが沈み、強化されたルラが大統領選に意欲的であるため、この左派へのシフトに加わる可能性が高いだろう。左派候補のグスタボ・ペトロの勝利がもたらす影響は、ラ米カリブのみならず国際的にも重要な意味を持つ。 【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.05.28 Saturday)に全訳あり】
teleSUR Published 26 May 2022
27 International Groups to Observe the Colombian Elections
(27の国際グループがコロンビアの選挙を監視する)
選挙ソフトの検証を行う機関としては、欧州連合(EU)、米州機構(OAS)、「国際選挙制度財団」(IFES)、「選挙支援・促進センター」(CAPEL)、「選挙透明性、国際民主・選挙支援研究所」(IDEA)、「世界選挙機関連合」(A-WEB)などがある。 / 「南方共同市場議会」(PARLASUR)は、その民主監視団(ODPM)のミッションも“プロセスの透明性に寄与する”ために大統領選を監視すると報告。「ODPMグループ」は、Oscar Laborde、María Luisa Storani(アルゼンチン)、Humberto Costa(ブラジル)、Pedro Dulciades(パラグアイ)、Mario Colman, Daniel Peña, Nicolás Viera(ウルグアイ)、Jaime Rivas(ボリビア)から構成されている。
teleSUR Published 25 May 2022
Political Violence Ahead of Colombian Presidential Elections
(コロンビア: 大統領選を前にした政治的暴力)
この5月29日に行われるコロンビアの選挙を前に、いくつもの国が暴力の脅威を警告している。 / 日曜日(5/29)に予定されているコロンビア大統領選挙の第一ラウンドを前に、「暴力、暗殺、干渉の脅威が高まっている」と、約20カ国の公人や議員が懸念を露わにしている。 / 約100人の政治指導者が署名した書簡では、「歴史的盟約」の大統領候補グスタボ・ペトロと副大統領候補フランシア・マルケスに対する脅迫についてコメントが述べられている。 / 選挙監視団(MOE)は、同国における選挙暴力犯罪の増加について警告を発した。報告書は、政府の干渉だけでなく、あらゆる種類の社会的指導者の暗殺が進行していることに言及した。 / 犯罪集団「クラン・デル・ゴルフォ」の武力攻撃も、選挙を前にした特に重大な暴力事件であった。同組織は、脅迫、拷問、殺害、トラックや車の焼却、住民の監禁など、恐怖と不安を煽るような行為をおこなった。この事件では14人が死亡した。「発展と平和のための研究」によると、今年になってこれまでに殺されたのは、元戦闘員が21人、ほかに44人が虐殺され、79人の社会的指導者が暗殺されたと記録されている。 【「ブエノス・アミーゴス」(2022.05.27 Friday)に全訳あり。】
(米州サミットとALBAサミット)
teleSUR Published 31 May 2022
PM Gonsalves Urges CARICOM States Not To Attend US-Led Summit
(ゴンサルベス首相、カリコム諸国に米国主導のサミットに出席しないよう要請)
火曜日(5/3)、セントビンセント・グレナディーンのラルフ・ゴンサルベス首相は、「カリブ共同体(CARICOM)」諸国に対し、米国がキューバ、ベネズエラ、ニカラグアをこのイベントから除外したことに抗議し、「米州サミット」に出席しないよう要請した。
Workers World May 30, 2022 By Sara Flounders and Lyn Neeley
Biden’s Summit of the Americas in deep trouble
(バイデンの「米州サミット」が大ピンチ)
今年、米州サミットを開催することで、西半球における米国の影響力を示すことができるというバイデンの壮大な期待は、腐食しつつある(eroding)。 / バイデンがキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの招待を拒否したため、西半球のほとんどの国がサミットを辞退してしまったのだ。カリコム(カリブ共同体)諸国がサミットをボイコットする。 / 5月27日、キューバのハバナで第21回ALBA(米州ボリバル同盟)サミットが開催された。ALBAは、ベネズエラとニカラグアに対する一方的な措置と、キューバに対する経済封鎖を拒否した。 / 労働者サミットと人民サミット バイデンのサミットに反対するために、2つの連合が組織されている。メキシコのティファナで開かれる「労働者サミット」は6月10日から12日まで(WorkersSummit.com)、ロサンゼルスの「人民サミット」は6月8日から10日まで(PeoplesSummit2022.org)開催される。 / 「労働者サミット」は、米国の制裁と介入に反対する労働組合、社会正義、労働者団体の米国とカナダの指導者の連合体である。ベネズエラ、キューバ、ニカラグアの「労働者サミット」のスピーカーには、ベネズエラの社会主義政党の労働者階級担当副総裁フランシスコ・トレルバ、ベネズエラ、ニカラグア、キューバ、メキシコの大使が含まれている。 / 「人民サミット」、「労働者サミット」は、いずれもプログラムのライブ配信を予定している。
Venezuelanalysis May 30th 2022 By Andreína Chávez Alava
ALBA-TCP Rejects ‘Discriminatory’ Summit of the Americas, Venezuela Welcomes Support
(ALBA-TCPは「差別的な」米州サミットを拒否、ベネズエラは支援を歓迎)
ベネズエラのマドゥーロ大統領は、米国の覇権主義的関心に対抗して立ち上がった「勇敢な声」を賞賛した。 / 金曜日(5/27)、地域の指導者たちは、6月6日から10日にかけてロサンゼルスで開催される「いわゆる米州サミットにおける差別的な扱い」を非難するために、「米州ボリバル同盟-人民貿易協定(ALBA-TCP)」の第21回サミットに集まった。 / 「私たちは、恣意的、イデオロギー的、政治的動機による数カ国の除外を拒否する。この一方的な決定は、この半球関係における深刻な歴史的後退を構成する」と、キューバのハバナでの会議の終わりに承認された声明は述べている。
Prensa Latina May 29, 2022 Published by: anonimo
US: Summit of shame
(米国: 恥のサミット)
米国のジョー・バイデン大統領と米州機構(OAS)がロサンゼルスで開催する第9回「米州サミット」は間違いなく恥であると、活動家クラウディア・デ・ラ・クルスは語った。 / ニューヨークを拠点とする運動「The People's Forum」の共同ディレクターであるデ・ラ・クルスは、「Prensa Latina」への声明の中で、「地域の国々を排除したいわゆるサミット」を推進する米国政府の立場を否定した。 / 彼女は、「人々のニーズを政策とプログラムの中心、最前線に置く国家プロジェクトをつくる能力を示した国々」を、主催者が除外していると批判した。 / キューバ、ベネズエラ、ニカラグアは、新自由主義的な政治モデルに追随する地域の他の諸国とは異なり、そこから離れる勇気を持っていた、と指摘した。 / デ・ラ・クルスは、バイデンやOASのイベントと対峙するために、「ALBA運動(ALBA Movimiento)」など、米国およびラ米カリブ諸国の150以上の組織の努力のおかげで「カウンター・サミット」を組織していると強調した。
Prensa Latina May 28, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
Argentina organizes CELAC meeting parallel to Summit of the Americas
(アルゼンチン、米州サミットと並行してCELAC会議を開催する)
アルゼンチンは、6月に米国で開催予定の第9回「米州サミット」と並行して、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」の会議を開催すると、Télam機関が公式情報源を引用して本日(5/28)報告した。 / アルゼンチンは、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアの代表が参加できる会議の開催を推進する。 / 前日、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、米国がキューバとベネズエラに課している封鎖の中止を要求し、排除のない会議を開催するよう改めて呼びかけた。
INTERNATIONALIST 360°MAY 27, 2022 Kawsachun News
ALBA-TCP Summit of the Americas Declaration
(ALBA-TCP米州サミット宣言)
ALBA-TCP首脳が2022年5月27日ハバナで会談。 / キューバは、前回に続き再び「米州ボリバル同盟(ALBA-TCP)」を構成するラ米カリブ諸国の第21回サミットを開催した。 / ハバナの革命宮殿で開催された金曜日(5/27)の会議の主な目的は、共通の開発戦略を共有し、地域の政治状況を分析することであった。 / ALBA-TCPは、ハバナで開催された前回のサミットでセントルシアが再加盟したことにより、現在10カ国で構成されている。キューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、アンティグア・バーブーダ、ドミニカ、グレナダ、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセントおよびグレナディーン、セントルシアの10カ国。 / 第21回ALBA-TCPサミットは、米国がキューバ、ニカラグア、ベネズエラを会議に招待しないと発表した後、不確実性の中でカリフォルニア州ロサンゼルスで開催される第9回「米州サミット」の数日前に開催された。大陸のいくつもの国が、この地域からの3ヵ国の排除を糾弾している。 / 以下は、米国とOASの差別を糾弾するサミットの宣言文である。
<第21回ALBA-TCPサミット 宣言>
ALBA-TCPはロサンゼルスにおけるいわゆる「米州サミット」における排除と差別的な扱いを拒否する
「米州ボリバル同盟-人民貿易協定(ALBA-TCP)」の各国政府首脳と代表団首脳は、2022年5月27日、第21回サミットでキューバのハバナに集まった。
01.連帯、社会正義、協力、経済的補完性の原則に基づき、また「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」が主導する真の地域統合と「ラ米カリブ平和地帯宣言」の基本原理に基づき、我ら諸国人民の連合の手段としてALBA-TCPを強化するという公約を確認する。
02.「我らがアメリカ」諸国の次の要求を支持する。主権平等、内政不干渉、武力不行使、または武力行使の脅威・紛争の平和的解決、および民族自決の原則を含む国連憲章および国際法に基づいて、この半球関係の変革を実現すること。
03. 多面的かつ複雑な地球規模の諸課題に集団的行動を通じて対処する主要な手段として、多国間主義への支持を再確認する。
04.ラ米カリブ諸国民に対する帝国主義的支配が、その覇権主義的利益に従ってこの地域の分裂を維持しようとすることを糾弾する。
05.6月に米国のロサンゼルスで開催されるいわゆる「米州サミット」から、我らの数カ国が、恣意的、イデオロギー的、政治的に動機づけられて排除されることを拒否する。このような一方的な決定は、半球関係における重大な歴史的後退であり、ラ米カリブ諸国の人々に対する暴挙である。
06.大陸のすべての国が招待され、同イベントに対等に参加する権利を支持する。ロサンゼルスの会議の開催国に、排除や主権と独立を侵害するような条件を課す権利がないことを強調する。
07.いわゆる「米州サミット」のホスト国である米国が、我々の大陸の真の市民社会の多数の代表に対して差別的な扱いをしたことを糾弾する。
08.この種の排他的な会合は、緊急の統一的諸課題や世界的または地域的な脅威の解決に何ら寄与しないことを強調する。
09.我々の大陸の政府、社会的アクター、組織、同胞的人民が、ロサンゼルスの会議からの3ヵ国の排除を圧倒的かつ様々な方法で拒否した、その勇気と尊厳のある姿勢を支持し、感謝する。
10.ベネズエラとニカラグアに対する強制的な一方的措置、およびキューバに対する経済的商業的金融的封鎖を拒否する。それは、国際連合憲章と国際法に記された原則と目的に違反しておこなわれている。
11.ラ米カリブ諸国の国民的英雄および建国の父たちの理想の尊重に基づき、我らが諸国人民の民族的尊厳を擁護する。
12.我々の半球に影響を及ぼす主要な問題に対する効果的な解決策を見出すために、例外なく、「我らがアメリカ」大陸の諸国の間で、敬意を表すべき対話、寛容、平和的共存および協力を促進するための、真の努力を支援する。
ハバナ、2022年5月27日
Granma may 27, 2022 11:05:16
ALBA-TCP Summit begins in Havana
(ALBA-TCPサミットがハバナで開幕)
キューバ共産党中央委員会第一書記兼共和国大統領ミゲル・ディアス=カネル・ベルムデスは、公式会議に参加するベネズエラ、ニカラグア、ボリビア、セントビンセント・グレナディーン、グレナダ、ドミニカ、アンチグアバーブーダ、セントキッツ・ネイビス、セントルシアの大統領、首相および高位指導者を迎え入れた。 / ALBA-TCPは、例年、上半期と12月に首脳会議を開催している。今回は、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される第9回米州首脳会議の数日前に開催され、主催者である米国政府によってALBA-TCPの3カ国であるニカラグア、ベネズエラ、キューバが除外されることが明らかになったため、特別な意味を持つ会議となった。
【キューバを入れて10ヵ国。ホンジュラスがまだ入っていないが復帰予定。】
Prensa Latina May 27, 2022 Published by: Elsy Fors Garzon
ALBA-TCP Summit in Cuba rejects exclusion and discrimination
(キューバでALBA-TCPサミット、排除と差別を拒否)
米国が主催する次の「米州サミット」からのキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの除外に対する力強い拒絶が、本日(5/27)、ALBA-TCPのメンバー国によって表明された。 / ハバナで開催された第21回「ボリバル同盟(ALBA-TCP)」サミットは、最終宣言でそれらの国々に対する差別的な扱いを糾弾した。 / 最終宣言は「ALBA-TCPは、ロサンゼルスのいわゆる米州サミットにおける排除と差別的扱いを否認する」と題されている。 / 12のポイントにおいて、連帯、社会正義、協力、経済的補完性の原則に基づく諸国人民の同盟(union)の手段として、ALBA-TCPを強化するという約束(commitment)を確認している。それは、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」が主導する統合と、ラ米カリブを平和地帯と宣言することを伴っている。 / この文書は、主権平等、内政不干渉、武力行使や紛争の平和的解決、民族の自決の原則を含む国連憲章と国際法に基づいて、「我らがアメリカ」諸国の主張を支持する。 / 集団行動を通じて複雑な地球規模の課題に立ち向かう手段としての多国間主義への支持を再確認し、ラ米カリブ諸国人民に対する帝国主義の支配の主張を糾弾する。その主張は、覇権的利益に従ってこの地域を分割したままにしようとするものである。 / また、6月に米国のロサンゼルスで開催されるいわゆる米州サミットから数カ国が恣意的、イデオロギー的、政治的に動機づけられ排除されることを拒否するものである。この一方的な決定は、半球関係における重大な歴史的後退である。 / 宣言は、すべての国が平等な条件で同イベントに参加する権利を支持し、ロサンゼルスでの会議の主催者には、その主権と独立を侵害する除外や条件を課す権利がないことを強調した。 / 宣言は、ベネズエラとニカラグアに対する一方的な強制措置の押しつけと、キューバに対する経済・商業・金融封鎖を、国連憲章と国際法の原則に反して拒否している。
Prensa Latina May 27, 2022 Published by: Aleynes Palacios Hurtado
US congresspeople urge to invite Cuba to Summit of the Americas
(米下院議員、「米州サミット」にキューバを招待するよう要請)
米国の下院議員のグループが、6月6日から10日までロサンゼルスで予定されている米州サミットにキューバ、ベネズエラ、ニカラグアを招待するようジョーバイデン大統領に要請した。
teleSUR Published 27 May 2022
ALBA: Regional Integration Is an Imperative - Cuban President
(ALBA: 地域統合は必須とキューバ大統領)
キューバのディアスカネル大統領は、ALBA-TCPの第21回サミットの開会の場で、「断片化されていれば、我々の代表はそれぞれ無視されるかもしれないが、団結すれば誰も我々を黙らせることはできないだろう」と述べた。 / 第21回ALBA-TCPサミットが、本日(5/27)、ハバナで開幕した。このサミットは、同盟のメンバー国に、共通の開発戦略を共有し、地域の政治状況を分析する機会を提供するものである。 / ディアスカネル大統領は、ALBA-TCP加盟国の首脳や政府代表に対し、「今は、地域統合と政治的調整のために意思を統一し前進することが、かつてないほど不可欠である」と述べた。
teleSUR Published 26 May 2022
CARICOM Urges Summit of the Americas to Be Inclusive
(カリコム、米州サミットが包括的であることを再度要請)
「カリブ諸国共同体(CARICOM)」の外交・地域関係評議会(COFCOR)第 25 回会合は、包括的な米州サミットを要請した。 / CARICOMは、6月6日から10日まで米国のロサンゼルスで開催される第9回「米州サミット」について、水曜日(5/25)、地域のすべての国を集める包括的な会議であるべきだという要求を再度表明した。
teleSUR Published 24 May 2022
ALBA-TCP Summit To Be Held in Havana on May 27
(ALBA-TCPサミット、5月27日にハバナで開催へ)
金曜日(5/27)にキューバのハバナで第21回ALBA-TCP(米州ボリバル同盟–人民貿易協定)サミットが開催される予定だ。 / この会議は、2022年にロサンゼルスで開催される「米州サミット」の前に行われるため、特別な重要性を持つ。 / 加盟国10カ国と招待国3カ国が参加するALBA-TCPは、昨年12月にもハバナで第20回サミットを開催した。
People's World May 20, 2022 BY W. T. WHITNEY JR.
Mexico leads in opposing the Cuba blockade and U.S. imperialism
(メキシコがキューバ封鎖と米帝国主義への反対を牽引する)
メキシコのAMLO大統領は、5月8日から9日にかけてキューバを訪問した。 / 彼は、「OASを、真に自律的な組織で置き換える」ことを求めた。CELACは、おそらくその代替となる同盟であろう。2011年に結成されたCELACは、米国とカナダを除く西半球の国々が加盟している。 / AMLOは、「南北アメリカ大陸の衰退を必然的にもたらす競争と不統一の拡大」を拒否した。彼は、「主権を尊重し政府形態を尊重した統合と、あらゆる人に適した経済的・商業的発展の協定の効果的な適用」を求めた。その「第一歩」は、米国が「キューバに対する封鎖を解除すること」である、と。 / AMLOの訪問は、現実的な面での合意を促した。両大統領は、キューバがメキシコに医薬品とワクチン、特に子ども用の抗COVID Abdalaワクチンを供給することを決定した。メキシコ政府は、メキシコの若者約200人をキューバに派遣して医学を学ばせ、キューバの医師500人をメキシコに派遣して医療が行き届いていない地域で活動させる予定である。両大統領は、他の分野での協力拡大を定めた一般協定にも署名した。 / メキシコは、米国との経済的、商業的な結びつきが強いので、その努力をリードする立場にある。経済的なパートナーとしてメキシコを頼りにしている米国は、ある種の要求を受け入れる可能性がある。 / ホワイトハウスにある米国通商代表部によると、「メキシコは現在、2019年中の(双方向)物品貿易総額が6,145億ドルで、最大の物品貿易相手国である」という。 / キューバとの関係では、メキシコは独自の革命の伝統を持ち、キューバとの長年の関係を持っている。米国の封鎖を解くための強力な国際キャンペーンを主導するのに適した立場にある。 / 6月6日から10日までロサンゼルスで開かれる第9回米州サミットに向け、ラ米カリブ諸国のまとまりは不安定なようである。このサミットは、OASの派生物(offshoot)で、そのホームページには、OASが「サミット・プロセスの技術事務局としての役割を担っている」とある。 / 米国は、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアの左派政権には招待状を送らないことを示唆している。AMLOはハバナで演説し、改めて異議を唱え、それら諸国が除外されるのであれば自分は出席しないと明言した。ボリビアとホンジュラスの大統領、ルイス・アルセとシオマラ・カストロも、同様である。 / カリブ諸国の大統領も欠席する。彼らは、米国が任命したベネズエラの「大統領」フアン・グアイドが招待され、キューバのミゲル・ディアス=カネル大統領が招待されないという偽善を指摘している。 選挙の透明性やロシアとブラジルの関係についての米国の助言に不満なブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領も出席しない。 / つまり、旧来の地域間同盟は不安定であり、米国の支配と封鎖に対する新たな抵抗が必要な時期に来ているのではないかということだ。米国の反帝国主義者と封鎖反対派は、ラ米カリブ諸国の行動、傾向、流動性に合わせて戦略を立て、努力する機会となるであろう。そして、メキシコ政府の行動と政策に最も注意を払うことになる。
teleSUR Published 19 May 2022
CELAC Is a Meeting Point for Latin Americans: President Ortega
(CELACがラ米カリブ諸国の出会いの場:オルテガ大統領)
米国が2022年の「米州サミット」にニカラグアを招待しようとしないことに言及し、サンディニスタの指導者は、そのようなイベントは「私たちの関心事ではない」と指摘した。 / 水曜日(5/18)、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」を、この地域の人民とその政府の会合に最も適した空間として強化するよう呼びかけた。 / 「CELACは、ラ米カリブ諸国における革命的プロセスの力とエネルギーによって誕生した」とオルテガは振り返り、その発起人が米国をこの共同体に含めない勇気をもっていたことを強調した。 / 「だからといって、CELACは域外諸国や世界の他の統合プロセスとの関係を構築していないわけではない。しかし、その国際関係は相互尊重に基づいている」とオルテガは説明し、CELACがロシア、中国、インドなどの国々と広範な交流をおこなっていることを想起した。 / ニカラグア大統領は、ワシントンが採用した排他的な態度を拒否したいくつものラテンアメリカ政府の懸念と勇気に感謝した。
teleSUR Published 18 May 2022
Cuba Condemns Exclusion of Key Topics at Americas’ Summit
(キューバ、「米州サミット」での重要なトピックスの除外を糾弾)
キューバのCarlos Fernandez de Cossio外務副相は、6月に米国で開催される第9回「米州サミット」では、人種差別、女性の権利、周縁化(marginalization)など、この地域の重要な問題の議論が盛り込まれないだろうと述べた。 / サミットの議題には、医療サービスへのアクセスにおける不平等や、強制的な措置が国家に与える影響についての分析も含まれていない。
MR online May 17, 2022 By Misión Verdad
Originally published: Orinoco Tribune on May 14, 2022
Controversy and contradictions ahead of the 9th Summit of the Americas
(第9回米州サミットを前にした論争と矛盾)
【ほとんどが既に報じられている内容。 / 目新しい点は主に2つ。フロリダ・ロビーの横やりと11月の中間選挙とのからみ。米国に付き従ってきたいくつもの国にとってベネズエラとの関係改善に動く重要な機会になっていると指摘している点。】 6月第2週にカリフォルニア州ロサンゼルスで開催される第9回米州サミットは、ワシントンとラ米カリブ諸国との外交摩擦の焦点となっている。 / 米国の強権的な外交政策に決定的な影響力を持つフロリダ・ロビーが、参加国に制限を加えた。 / 2022年11月に米国で行われる中間選挙で、上院の3分の1、下院のかなりの議席が更新されることも、この論争に影響を及ぼしている。 / フロリダ州が再び中間選挙の決戦の場となる可能性がある。 / ニカラグア、キューバ、ベネズエラが米州サミットに招待されれば、フロリダでの反バイデンのレトリックが強化され、バイデンはこの地域の「独裁者」の共犯者として提示されることになるだろう。 / ワシントンは、第9回サミットの国際的な知名度を下げて第2レベルの代表で開催するか、除外国を招待してフロリダ・ロビーの怒り(選挙での犠牲は明白)と「グアイド・プロジェクト」の決定的な崩壊に直面するか、苦しい状況に追い込まれているようにみえる。 / 現在の状況はまた、ほとんどコメントされていなかった重要な転換点を示している。何年にもわたってベネズエラと距離を置き、米国の攻撃に受動的に協力してきたいくつかの国にとって、ベネズエラとの政治的・外交的関係を再開する重要な機会となっているのである。