5月18日、京田辺でおこなわれた<子の未来のために憲法を知ろう~講演会と映画上映日本の青空」>に参加してきました。
最初に徳島大学準教授の中里見博(なかさとみひろし)さんによる「憲法改正――だれのため? 何のため?」という講演が行われました。
パワーポイントを使ってわかりやすく、次の4点についてのお話でした。
1、憲法とは――「近代憲法」の基本の「き」の確認
2、日本国憲法の制定――日本国憲法の褪せない先進性と絶えない中傷
3、「改憲問題」の現在――現在の改憲の動きと自民党改憲案の検討
4、憲法「改悪」を止めるには――4人の発言から
たいへん豊富な内容で、時間があればもっとお話ししてほしいと思いました。
特に印象に残ったのは、世界の憲法を見ると法律と同じ手続きで変更できる「軟性憲法」を採用している国は、イスラエル、ニュージーランド、タイの3カ国のみであり、大多数は、なんらかの形で高いハードルをもうけていることが詳しい資料で示されたことです。「硬性憲法」であることによって、憲法の縛りを常に弱めたいという衝動を持つ国会議員(権力者)を縛っているのです。日本の憲法が特別に改憲のハードルが高いという安倍首相の主張は完全にデマだということが明らかになりました。
また、成文化された世界の全ての憲法188ヶ国分の調査から、日本国憲法は現在主流となった人権条項の上位19項目を満たし、高い水準を示しており、かえって米国の憲法が時代遅れのものであることが示されたこともたいへん興味深いものでした。
「日本の青空」は、雑誌記者が記事のために取材するという形で、憲法制定過程を鈴木安蔵と憲法研究会の活動に焦点を当てて描いた映画です。第一次安倍政権の時に作成されました。松本委員会とGHQとの迫力あるやりとりなど歴史的な事実はもちろんのこと、鈴木夫妻の人間関係についても深く描いていました。戦後、鈴木が新しい憲法には男女平等の条項を書くべきだと息巻くのですが、その一方で妻は幼い子どもを抱えて生活に苦しんできたことを言い出せずにいる、それが子どもの夜驚症をきっかけに本心を吐露し、それによって夫婦がお互いをより深く理解するところがとても感動的でした。(鈴)