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森友学園問題で昭恵夫人の密接な関与を示す新資料(3)財務省宛設立趣意書に「安倍晋三記念小学校」

2017-05-09 | 安倍政権

 連休明けの5月8日、衆院予算委員会で森友問題での与野党の論戦が行われた。また同日夜に行われた籠池氏のインタビューが5月9日付朝日新聞朝刊に掲載された。財務省が籠池氏が目指す小学校が安倍首相夫妻がらみの重要案件であると認識していた疑いがさらに具体的証拠で裏付けられている。
 著述家菅野完氏は安倍夫妻の関与を「忖度ではなく「ご下命」だ」とし、問題の核心は、安倍夫妻が森友学園の教育内容を絶賛したことだと語る。
 安倍首相は「森友小学校の認可や国有地払い下げに、私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と語っている。

新たに暴露された内容は以下。

・森友学園の前理事長籠池泰典氏は、「安倍晋三記念小学校」との校名を記した設立趣意書を2013年9月に財務省近畿財務局に出した。国有地を取得したいとの要望書を近畿財務局に出した際に「日本初で唯一の神道の小学校」として添付した。
・14年4月には、幼稚園で講演した首相の妻昭恵氏と建設予定地で撮影した写真も示し、支援を受けていると説明した。近畿財務局との土地取引の交渉で、財務局側から「見せてくれ」と求められ、写真を渡した。
 籠池氏はこれについて、「(支援してもらっていると)わかってもらわないと。やっぱり(昭恵氏や首相が)熱心に対応していただいているという証拠付けになる」と語り、「小学校予定地に案内して『(近畿財務局は定期借地を認めようとせず)なかなかディフェンスが強くて』と申し上げると、(昭恵氏が)『何かできることは』とおっしゃっていただいた」と語る。
・財務省は、森友学園が設立を目指す小学校が、安倍夫妻がらみの重要案件であると認識していたのは間違いない。
・その後、15年12月に、近畿財務局が売買契約に移行するのに必要な書類一式のひな形を籠池氏に提示した。

・8日の衆院予算委員会では、籠池氏が提出した設立趣意書の大部分を黒塗りにして民進党議員に開示したことが暴露された。籠池氏が学校名として書いたとする「安倍晋三記念小学校」との学校名も黒塗りにされていた。
 一方財務省の佐川宣寿理財局長は、籠池氏夫妻が16年3月15日に財務省理財局国有財産審理室長と面会した際に録音されたとされる音声記録について、これまで「誰が録ったかわからないような録音を確認するつもりはない」としてきたが、実際のやりとりだと認めた。
※黒塗りで「安倍記念小」隠し 森友資料開示 民進が財務省批判(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201705/CK2017050902000116.html
※森友学園問題、「安倍昭恵氏との写真を近畿財務局に示す」籠池泰典氏明かす(huffingtonpost)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/08/moritomo_n_16496458.html
※昭恵氏との写真「財務局職員は局長に見せると」 籠池氏(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/articles/ASK5902M6K58UTIL06T.html
※森友問題、安倍首相はケリを付けるべきだ(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/170986

※黒塗り資料に「ほぉ~」と苦笑 籠池氏が論戦見守る(17/05/08 ANN)
https://www.youtube.com/watch?v=0gzcMk45ZYM
※<森友疑惑>籠池氏が見守る議会の模様を分析解説(フジテレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=D_lAVz-xqrA
※森友学園5/8 安倍晋三「昭恵夫人はズブズブ!森友学園の身内」福島伸享(民進):5/8衆院・予算委員会(国会中継)
https://www.youtube.com/watch?v=7gjzRPVQs8M

[参考資料]

※菅野完が斬る「森友問題の核心は籠池教育を持ち上げた安倍首相」(週間朝日)より
https://dot.asahi.com/wa/2017050800062.html

*  *  *
・「財務省は交渉記録を捨てたと言い続けていますが、そんなはずはない。もし、森友学園が小学校の認可申請を撤回しなかったらどうなっていたか。大阪府私学審議会は認可を下ろさず、森友学園は国に土地を返さなければならなくなる。森友学園は府に対し、行政訴訟を起こしたでしょう。そうなれば国も訴訟に巻き込まれる。記録をすべて破棄してしまっていたら、訴訟を戦えない。官僚がそんなことをするはずがありません。」

・「安倍晋三首相は2月17日、国会で「妻から森友学園の先生(籠池氏)の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」と臆面もなく述べていました。子供たちに教育勅語を教えている教育者を、首相が「素晴らしい」と讃える。ファーストレディーの昭恵氏は、そうした教育を目の前で見た上で、名誉校長に就任した。私はこのこと自体が、一番の問題だと感じます。メディアや野党には、こうした点をもっと愚直に攻めてほしい。」

・「籠池氏は、「あれは忖度ではなく、『ご下命』があったんだよ」と言います。「忖度だけで、官僚はあんなに動かない。上から明確な指示があったから動くんだ」と。」
 籠池氏によれば、小学校の建設について2012年10月頃に「まず真っ先に相談した」のが昭恵氏だったという。・・・13年9月に財務省に土地取得の要望書を出した後なども、「昭恵夫人に適時、ご報告していた」という。
 その後、昭恵氏の講演が実現することとなり、籠池氏は14年3月に都内のホテルで昭恵氏と面会。
 この際、小学校の建設運動について説明すると、昭恵氏は「主人に伝えます。何かすることはありますか」と応じたという。

・籠池氏はその後も昭恵氏に交渉の経過を逐一報告し、その回数は20回ほどだったという。さらに、籠池氏の妻と昭恵氏はより頻繁に電話しており、1回の電話で1、2時間ほど話し込むことが「数えきれないくらいあった」と説明した。
 また、問題発覚後に昭恵氏が名誉校長を辞任した際は安倍事務所の秘書からファクスが送られてきたが、昭恵氏自身は辞任を知らなかったという。

・籠池氏は「昭恵氏の意向を受けて財務省が学校設置のために動いてくれた」と思っていた。14年末、財務省から売買契約締結までの手順を詳細に書いた「手引書」のような資料までもらっている。この時あたりから、「神風が吹いている」と感じていたようです。それなのに、16年3月になって新たなゴミの問題が発覚し、財務省が業者に対し、ゴミの一部を埋め戻すよう指示していたという記録も目にした。籠池氏はこれを「安倍家への愚弄」と感じたのでしょう。

・15年11月には昭恵氏付職員の谷査恵子氏が、籠池氏からの問い合わせを受け田村室長とやりとりをし、籠池氏にファクスで回答しています。そして音声記録の中のやりとりでも、籠池氏は「棟上げ式に首相夫人が来られて、餅をまくことになってるから」と、昭恵氏に言及していた。官僚が「安倍家」の存在を意識しないはずはありません。

 実際、やりとりの中で田村室長は「もともとこの件の経緯が、もう貸し付けするっていうことが特例だった」「特例的なものは我々にも相談が来る」と、何度も「特例」という言葉を使っている。政治家の関与する、いわゆる「マル政案件」であることを、自ら認めているようなものです。(週刊朝日  2017年5月19日号)

(ハンマー)


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