映画『レ・ミゼラブル』を見にいってきました。
はっきり言って、これまで私が見たどの『レ・ミゼラブル』映画よりも格段に素晴らしいものでした。映画を見る前に期待しているとその期待を裏切られることが少なくはないのですが、この映画は期待以上のものでした。
この映画はヴィクトル・ユゴーの小説を原作としたミュージカルを映画化したものですが、映画ならではの映像表現の素晴らしさがあり、舞台を凌駕するものだったと言わざるをえません。
その一つにはアップで映し出される一人ひとりの表情があります。苦悩、驚愕、怒り、悲しみ、希望などその人物の内面が歌と一体となって、その人物像と人間関係とを見事に表現していました。
舞台でおこなわれるミュージカルの場合、場面転換であっというまに数年が経過してしまい、小説を読んだことのない人にとっては誰がどうなったのかがわかりにくいところがあります。(ジャン・バルジャンとマドレーヌ市長が同一人物であることなど。)しかし、この映画ではそこもわかりやすく描かれており、まったく予備知識のない人も作品世界を十分理解できます。
もちろん小説で書かれていることを全て映像化しているわけではないのですが、これまでの映画で感じたような欠落感はまったく感じることはありませんでした。ストーリーも一から十まで知りつくしているはずなのに、この先どうなるのだろうかという思いで画面から目が離せませんでした。とにかく、これまで見た中で最高の部類に属する映画であることは間違いありません。(鈴)