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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

「国益」最優先を掲げた、集団的自衛権行使についての驚愕の新解釈

2013-09-27 | 安倍政権

 集団的自衛権の行使について、驚愕の新解釈が明らかになった。
 
 日本政府は25日、集団的自衛権の行使に関する憲法解釈について、同盟国への武力攻撃への対応だけでなく、中東からのエネルギー輸送のためのシーレーンの防衛など「日本の安全に重大な影響を及ぼす事態」を含める方針を明らかにしたのである。
 
 これまで集団的自衛権の行使については、4条件として米軍艦船が攻撃された場合や駆けつけ警護などが想定され、共同軍事行動において米軍が攻撃を受けた時に自衛隊も自らへの攻撃として武力行使ができるというものであったはずだ。もちろんこれ自体が脅威である。
 ところが今回の方針では、シーレーンが攻撃されれば日本が攻撃されたものと見なす(日本の安全に重大な影響を及ぼす)、中東駐在の日本企業が攻撃されれば日本が攻撃されたものと見なす、中東石油産出国の不安定は日本への攻撃と見なす等々のように、自衛隊の海外派遣のフリーハンドを得ようというものだ。

  安倍首相は「中東の平和と安定は日本の国民にとって死活問題」と語っている。
  また自民党の中谷元・元防衛庁長官は「集団的自衛権は地理的概念ではなく、日本の安全に対してどうかという判断だ。将来、『地球の裏側』に行く事態もあり得る」とし、「憲法改正で行うと5年先、10年先になる」とも述べている。解釈改憲によって日本の自衛隊のあり方を根本的にかえようというのである。
※集団的自衛権、海上輸送にも…政府が解釈見直し(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130926-OYT1T00042.htm
※「地球の裏側」行ける? 集団的自衛権巡り自公民が激論(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0926/TKY201309260489.html
※集団的自衛権:「地球の裏側」発言、防衛相が火消し(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m010107000c.html
※自民幹事長「地球の裏側行かない」 集団的自衛権の行使容認で(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2503K_V20C13A9PP8000/

 これに先駆け、自民党の石破茂幹事長は14日、集団的自衛権の行使について、相手は米国だけでなく、遠くでも近くでも「必要」に応じて行くという基準を明らかにした。石破氏は、「フィリピン、マレーシア」などが攻撃を受けた場合を例に挙げて、日本が「出て行く」基準は、「日本にとって死活的に重要」であるか否かであると言っている。「日本の死活の利害むを根拠とした東南アジア諸国などへの軍事派遣がありうるというのだ。石破氏は25日、「地球の裏側には行かない」と語っているが、フィリピンやマレーシアへの軍事介入は認めているということだ。
※「集団的自衛権、必要なら遠くも行く」石破・自民幹事長(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0914/TKY201309140046.html

■石破茂・自民党幹事長の発言
(集団的自衛権は)誰も米国だけを相手にするとは言っていないし、攻撃する国が極東と限っていない。集団的自衛権は、国連の概念であって、地理的にどうのこうの、相手がどうのこうのじゃない。必要であれば遠くでも行くし、必要でなければ近くでも行かない。
 例えば東南アジア。フィリピン、マレーシア、どこかの国が攻撃を受けた。そこが日本にとって死活的に重要。そういう場合に知らん顔、そういうときは米国が出て行く。そういうことで本当にやれるのか。(読売テレビの番組で)

 一連の議論で、個別的自衛権や集団的自衛権の概念さえが全く脇に追いやられ、「国益のあるところ」「日本にとって死活」の地には、アジアでもアフリカでも地球の裏側でも駆けつけるという、まさに帝国主義軍隊そのものの論理が、何の制約もなくストレートに語られている。
※2009年に成立した海賊対処法は、海上輸送ルート防衛=日本の海外権益の擁護と秩序維持を明確にした点で、少なくとも名目的には「復興支援」や「国連平和維持活動」などを目的とされてきた従来の海外派兵法とは全く異なっている。今出てきている集団的自衛権の新解釈は、このような「国益」最優先の自衛隊派遣論を引き継ぐものだ。

 かつて天皇制日本軍国主義は、「満州は日本の生命線」なる理屈で、資源と経済権益の確保、ソ連との軍事的対抗地帯の確保という経済的軍事的利害から満州を我がものにするために「満州事変」引き起こし、対中侵略戦争へと突入していった。まさに「日本の生命線」「重大な影響を及ぼす事態」「死活的に重要」などという理由で、自衛隊派遣=侵略的軍事介入の根拠にしようとしているのである。

 過ちを繰り返してはならない。 


 
(ハンマー)


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