自民党の「特定秘密保護法案」に対するパブリックコメントの結果が明らかになりました。こうしたパブコメの募集期間は、30日間が一般的なのに、今回はその半分の15日間しかありませんでした。それなのに、9万件も意見が寄せられ、しかも、その8割が反対意見でした。いかに多くの人々がこの問題に関心と危機感を持っているかが明らかになりました。
秘密保護法案 意見公募で8割反対(東京新聞 2013年9月27日 朝刊)
ところが、反対意見が圧倒的に多かったことについて、法案成立を推進するPT(プロジェクトチーム)座長の町村信孝元外相は「組織的にコメントする人々がいたと推測しないと理解できない」と記者団に述べたということです。
自分の思い通りのコメントがこなかったことをこのように評価するとはまったく許し難いことです。そもそも「組織的」で何が悪いんでしょうか。パブコメを出そうと大勢の人に呼びかけてはいけないんでしょうか。それに賛同してはいけないんでしょうか。
法案では基本的人権に配慮するという規定がありますが、そこには「報道の自由」は盛り込んだものの、「知る権利」は盛り込まれませんでした。なぜなら、町村座長は「知る権利」が明記されなかった理由について記者団に「(知る権利が基本的人権に含まれるかは)裁判の判断、政府、党、国民の議論も分かれる」と述べたということです。
「知る権利」は基本的人権に含まれますよ!!!
一応念のために、辞書・事典を引いてみました。どれもこれも現代社会において最も重要な基本的人権であると書いてあり、「議論が分かれる」などとしているものは一つもありません。基本的人権について、こんなひどいi認識を抱いている人が座長だなんて、本当に恐ろしいことです。こんな法律が作られるのを決して許してはなりません。(鈴)
しるけんり【知る権利 the right to know】 (世界大百科事典 第2版)
公衆がその必要とする情報を,妨げられることなく自由に入手できる権利をいう。近代憲法は基本的人権の一つとして言論・出版の自由を保障した。しかし,政府権力の拡大強化やマスコミの発達によって,一般市民(公衆)は,重要な情報源から遠ざけられるにいたった。情報化社会の発展とともに,この傾向はさらに拍車がかかり日常生活の情報の選択と入手は市民の重大な関心事となっている。こうして,国政情報から日常生活の情報まで,自由に入手することを求める〈知る権利〉は,最も重要な現代的人権として認識されるようになった。
知る権利 【しるけんり】 (百科事典マイペディア)
一般市民(公衆)がその必要とする情報を,妨げられることなく自由に入手できる権利をいう。情報化社会においては,国政レベルから日常生活レベルにいたるまでの公的情報を自由に入手することを求める〈知る権利〉は,最も重要な人権のひとつである。
しる‐けんり 【知る権利】 (デジタル大辞泉)
国民が国の政治や行政についての情報を知ることのできる権利。民主主義国家での国民の基本的権利として、言論・報道の自由や情報公開法制化の基盤となるもの。