
<盗聴法拡大―やりたい放題の盗聴>
傍聴法(=盗聴法)の拡大が2016年12月から実施されました。傍聴法は最初から、「通信の秘密を侵してはならない」とする憲法第21条に違反する法律です。この法律は、世論の強い反対にも拘わらず、公明党が盗聴対象を4件(薬物関係、銃器関係、組織的犯罪、集団密航)に絞るという助け舟を出だした結果、強行採決によって成立した(1999年)、いわくつきのものです。同法は最初、違憲批判をそらすため、実施に当たっては裁判所の令状を必要とし、盗聴場所は通信業者施設内に限り、通信業者の立ち合いを必要としました。
ところが同法改悪の結果、盗聴範囲が拡大され、殺人、傷害、傷害致死、現住建造物放火、爆発物使用、逮捕、監禁、誘拐、窃盗・強盗、詐欺・恐喝も盗聴可能となりました。さらに、盗聴は、通信業者が通信内容を暗号化し、それを警察が警察内の暗号解読機を通じて盗聴できることとなりました。しかも、盗聴内容に令状で許可された以外の内容が「たまたま」含まれていても、それは法律違反とはならいこととなりました。まさに、警察は令状さえとれば、やりたい放題の盗聴が可能となったのです。
人の「内心」を探らねばならない共謀法との関係で言えば、共謀法の対象刑罰と盗聴対象とが重なるので、これほど警察にとって好都合なことはありません。警察が目星をつけた団体を四六時中、警察内から監視できるからです。(岩)