“一般人は、共謀罪法の対象であるのか、ないのか”が最大の焦点の一つとなっています。なぜなら、これが、政府が共謀罪法案を国民に受け入れさせようとする大きな宣伝文句の一つとなっているからです。そして少なからぬ人々が“私は「犯罪集団」と関わりないから大丈夫。”“犯罪集団を未然に取り締まるならいい法律だ”と思い、共謀罪法案を支持する根拠となっています。
そして、「一般人が対象かどうか」は、政府答弁が迷走する最大のポイントにもなっています。
・「一般人は捜査対象にならない」
・「一般人は刑事告発をされても捜査の対象にならない」
・「一般の団体が組織的犯罪集団に一変した場合、その構成員は一般の人ではなくなる」
以上金田法相
・「一般の人が対象にならないということはない」
(盛山正仁法務副大臣)
金田法相は、「一般人は捜査対象外」という政府の宣伝を押し通すために、「刑事告発されても一般人は対象外」などと刑事訴訟法にも反することを述べるに至りました。その嘘は明白です。
一般人が捜査対象とならないことはあり得ない
そもそも、一般人が捜査対象とならないことなどあり得ません。これは、殺人事件が起こったときに、殺人犯以外の一般人を捜査の対象としないというようなものです。ひき逃げ事件で、ひき逃げの犯行車両以外の一般車両は捜査の対象としないというようなものです。そんなことはあり得ません。凶器や現場に残された塗料・タイヤ痕などから犯人・犯行車両を絞り込むためには膨大な数の「一般人」を捜査対象にしなければなりません。
共謀罪についていえば、「ある犯罪を共謀する」という犯罪を行っているかどうかを判断するためには、一般人も含めて、膨大な情報収集と日常的な監視が必要です。そして警察が「犯罪集団が共謀し準備行為を始めた」として捜査する場合には、その犯罪集団の構成員、その構成員の動き、その集団との人の関わり、その関わった人が犯罪者か否か、金の流れ(資金カンパ)などが対象となるのは間違いありません。
つまり、いずれの段階でも大勢の一般人が捜査の対象となるのです。
“私は「犯罪集団」と関わりないから大丈夫”と思っていたとしても、「関係がある」と警察に決めつけられて捜査・逮捕されたとしたら、「関係がない」と証明するのは簡単ではないということです。
(ハンマー)