Lovely London

1996年から2000年まで過ごしたロンドンでの出来事を記録したものです。
2014年のパリとロンドン旅行も記載中

やっとロンドン観光(1997/10/4)

1997-10-04 | レジャー

 10月4日(土)、女房にせがまれてロンドン観光をすることにした。。
 考えてみると、毎週と言って良いほど、車に乗って郊外の城とか公園とかには出かけているのだが、ロンドン市街へは、セール期間中の買い物(これも女房と交代でバトンタッチが多い)以外、あまり足を踏み入れたことはなかった。家族を呼んで1年にもなるのに、大英博物館はおろかナショナルギャラリビッグベンも訪れたことはない(当然単身赴任中に私一人では何回か行ったが)。と言うことで、今日は遅蒔きながら、ロンドン塔ロンドン・ブリッジさらにロンドン交通博物館に行くことにした。
 家を11時過ぎに出たのでロンドン塔に着いたのは12時頃だった。Tower Hillの地下鉄の駅の階段を登って行くと、突然目の前にロンドン塔が広がる。どうしてこれがなのだろう。だれが見てもではないか。天気のせいもあってチケット売場は混雑していた。大人£8.6、子供£5.6は高いよね。中に入ると思った程混んではいなかった。お決まりのコースを通って場内を観光する。段差や狭いらせん階段があるからベビーカーは使えない。私が加奈子を抱っこする。しばらく城の中を歩いてわかった。「なんて重くなったんた!」
 前回、一人の時はいろいろな所に首を突っ込んでいろいろ見て回り、ロンドン塔には重い歴史があり、きっとお化けもいる と感激していたのだが、今回は家族を連れて来たという事実を残すために来た?ような感じで、痺れてきた左手でしっかり加奈子を抱きながら階段を登って行く。とは言っても、Jewel Houseに展示されているエリザベス女王の宝冠や宝杖は一見というより何度も見る価値がある。
結局1時間半ほど居て、ロンドン・ブリッジを眺めて元に戻り、どうせ一日トラベルチケットがあるのでバスでも乗ろうかということになり、バスで交通博物館のあるCovent Gardenに向かった。

 ロンドン交通博物館は直ぐにわかった。回りにはいろいろな劇場が立ち並んでおり、スーツやドレス姿の紳士淑女で近くのレストランはにぎわっていた。交通博物館はそれほど広くないが人も少ない。馬車、バス、電車、地下鉄、汽車の展示場所があり、子供たちはバス擬きのにのって、ハンドルやレバー類を触って運転手ごっこが気に入った様子で十数分間も遊んでいた。
 バスの展示コーナで、世界大戦前か後かは分からないが、整備(エンジンの分解掃除まで)から運転までこなす女性バス会社の白黒ビデオが流れていた。でも、皆整った顔や身なりをしており、それに若い。本当にこんな人たちが働く会社があったかは分からないが、何か妙な気がする。別の地下鉄のコーナでは、戦時中に地下鉄の駅が避難場所や病院として使われていた様子をビデオで流していた。これも白黒で実写だと思われる。ここの登場人物もモデルみたいな人達ばかりで、紅茶を注ぐ看護婦もカップを持つ男女も皆微笑んでいる。ここでも妙な気がする
 そうか。戦時中の生活が日本とは全く違うのだ。ここには陰湿感も切迫感も悲壮感もない。皆幸せそうなのだ。今のロンドンのような汚さもない。そういえばこれまで中世とかローマ時代のイギリスの建物や文化に幾つか接してきたが、イギリスの戦時中の様子をみたのはこれが初めてだ。戦争時代からイギリスの歴史を探ってみるのも面白いかもしれない。
 博物館の外に出ると、 Covent Gardenの駅前はロックバンドの演奏やマーケットでごった返してした。その中で目を惹いたのは、木炭で似顔絵を書く日本人(たぶん)絵師である。一人の紳士を書いていたのだが、似ていることもさることながら、その絵のタッチが素晴らしい。しばらく見入っていた。
 それから、家族で中華街に繰り出した。疲れたけどなかなか充実した一日だった。