
イエスは言われた。
『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、
あなたの神である主を愛しなさい。』
これが最も重要な第一の掟である。
第二も、これと同じように重要である。
『隣人を自分のように愛しなさい。』
「マタイによる福音書」 / 22章 39節
新約聖書 新共同訳
貧困をつくるのは神ではなく
わたしたち人間です。
わたしたちが分かちあわないからです。
マザーテレサ
(『マザーテレサ愛のことば』より)
★飲まず食わずで死者からも略奪、フィリピン台風被災地
◆AFP=時事通信 2013年11月11日(月)17時25分配信

▲台風30号が通過した
フィリピン東部レイテ州タクロバンで、
略奪した物資に群がる被災者
(2013年11月10日撮影)。
【AFP=時事】
食べ物を求めて遺体が散乱するがれきの中をあさり回る人々、救援物資の輸送車列を襲う暴徒ら――猛烈な台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)の直撃を受け、1万人以上が死亡した恐れが出ているフィリピンの被災地では、生き延びようとする被災者の必死の行動が新たな恐怖を生み出している。
東南アジアの島国フィリピンを横断し、ほとんどの都市に壊滅的な被害を与えた観測史上最大規模の台風が去ってから2日。津波のような大波によって多くの建物が損壊したレイテ(Leyte)島東岸の港湾都市タクロバン(Tacloban)で10日、AFP記者は住宅の残骸を物色していた1人の男性を取材した。
■短パン1枚、「3日間食べていない」
この男性、エドワルド・グアルベルトさんは4人の子どもの父親で、地元の村の村議を務めているという。しかし、このとき身に付けていたのはバスケットボール用のショートパンツ1枚のみ。グアルベルトさんはみすぼらしい自分の格好と、亡くなった人たちの持ち物を盗む行為について謝りつつ、がれきをあさっていたときに犠牲者の遺体を踏んでしまったと告白した。
「私はまっとうな人間だ。だが、3日間何も食べていなければ、生き残るために恥ずべきまねもせざるを得ない」。埋もれた遺体にハエがたかるがれきを掘り返し、缶詰を探しながらグアルベルト氏さんは言った。「食べる物が何もない。水や色々な物がなければ、生きていけない」
がれきあさりを半日ほど続けると収穫があった。袋入りパスタや缶ビール、洗剤や石けん、缶詰、ビスケット、キャンディーといった物が詰まった非常袋だ。「今回の台風は、私たちから尊厳を奪ってしまった。けれど、私にはまだ家族が残っている。そのことに感謝している」
■絶望から略奪へ
人口22万人のレイテ州の州都タクロバンでは台風襲来後、全市で警察部隊の大半が動員態勢を回復できずにいる。こうした中、絶望した人々がどうにか生き延びようと、治安の空白をついて暴力的な略奪に走る例が相次いでいる。
被災者の多くはグアルベルト氏のように、台風の上陸以降、食料を口にしていないという。対応に手一杯の市当局は、救援物資を十分市内に行き渡らせらずにいる状況を認めている。
台風の猛威にはどうにか持ちこたえた商店のショーウインドーを叩き割ったり、シャッターを押し開けたりして略奪する者もいる。ある店では店主が銃を手に立ちはだかったが、略奪を止めることはできなかった。やはり略奪被害に遭った菓子店の店主は「みんな泥だらけで、飢え乾いている。あと数日この状態が続けば、殺し合いが起きるだろう」と話した。
フィリピン赤十字(Philippine Red Cross)の救援隊は、タクロバン近くで救援物資を積んだ車列が襲われたと発表した。リチャード・ゴードン(Richard Gordon)フィリピン赤十字会長は、略奪者たちのことを「暴力団」だと表現した。
■さまよい歩く被災者たち
一方、途方に暮れた人々は大人も子どもも、ひっくり返った車や切れた電線の散乱する路上を、当てもなくたださまよい歩いていた。遺体が腐敗する臭いに口や鼻を押さえる姿も見られる。
フィリピン軍の遺体回収班が動員されているが、兵士らも惨状に圧倒されているようだ。「トラック6台で遺体の回収に当たっているが、間に合っていない。どこも遺体だらけだ。人手も足りない」と運転担当の兵士は言った。
通りがかりの人や報道陣にメモを手渡し、自分の消息を親戚に連絡してほしいと頼む生存者もいる。被災者の多くは顔を負傷し、足を引きずっていた。全員が想像を絶する恐怖の体験を口にした。
「ものすごく大きな波が何度もやって来て、私たちを道路に押し流し、家をさらっていってしまった」と、数千人が避難している海岸沿いの市営スポーツ・スタジアムでミラソル・サオイさん(27)はAFPの取材に語った。「夫は、自分と私の体を紐で結び付けてくれた。けれど、がれきに混じって流される中で離ればなれになってしまった。たくさんの人たちが溺れ、叫びながら沈んでいった。夫とはあれきり会えていない」
【翻訳編集】 AFPBB News

★壊滅の島「この世の終わり」
すさまじかったフィリピン台風被害
◆SankeiBiz 2013年11月11日(月)17時20分配信
フィリピン中部を8日に襲った猛烈な台風30号による死者・不明者は、当初の推計を大幅に上回り、レイテ島だけで1万人を超す恐れがあることが明らかになった。現地の警察幹部がロイター通信などに語ったもので、レイテ島で台風が通過した地域の70~80%の建物が破壊されたという。島の中心都市タクロバンでは、沿岸部が台風によって発生した高潮に襲われ、がれきが散乱。建物は破壊され、車両が横転するなどし、衝撃のすさまじさを物語っている。
タクロバン(人口約22万人)はレイテ島の北東部の海岸に面した港湾都市で、首都マニラからは南東約580キロに位置する。フィリピン政府は軍を動員して、水や食料、テントなどを輸送。救援活動を本格化させているが、通信網や道路が各地で寸断され、難航している。ベニグノ・アキノ大統領(53)は10日午前、タクロバンを視察、さらに米政府に対し、フィリピンでの救援活動を米太平洋軍が支援してくれるよう要請した。
マニラの日本大使館によると、レイテ島には約100人の日本人が居住しており、安否確認を急いでいるが、死傷者が出たとの情報はないという。フィリピンの国家災害対策本部は10日、タクロバンなどで死者が少なくとも151人に上ったと発表。フィリピン赤十字は死者を1000人以上と推定しているが、いずれも実態を反映していない可能性が高い。地元警察幹部のエルマー・ソリア氏は10日、ロイター通信に「集計ができていないだけで、被害はその程度ではない。昨夜、レイテ州の知事と話し合ったが、われわれの見立てでは死者は1万人を超す」と語った。
タクロバンの空港でマニラへ向かう軍用機を待っていた女性はAP通信に「空港までの道には優に100人以上の遺体があった」と証言。また、住民の一人はロイター通信に「人々は食べ物を探して、まるでゾンビのようにさまよっている。こんな悲惨な災害現場を見たことはなく、まるで映画のようだ」と話した。
台風30号は今年発生した台風の中では最大規模のものだったが、被害がここまで拡大したのは、まるで津波のような高潮が発生したことによる。商用でタクロバンのホテルに滞在していた中国人女性はロイター通信に「高潮はホテルの2階部分まですっぽりとのみ込んだ。この世の終わりかと思った」と語り、ヘリコプターで上空から視察した内務省高官は「沿岸部の低層住宅は壊滅した。恐ろしすぎて見たことを描写できない」と声を落とした。
一方、フランス通信(AFP)によると、レイテ島に隣接するサマール島でも南西部の町バセイだけで300人の死亡が確認され、島全体で約2000人が行方不明になっているという。フィリピンでは2011年12月に台風が南部ミンダナオ島を襲い、1200人以上が死亡。12年12月の台風でも死者・行方不明者が1800人以上に達したことがある。
国家災害対策本部によると、国内の約450万人が被災し、10日時点で約40万人が避難所に身を寄せている。国連人道問題調整室(OCHA)が災害支援調整活動のチームを派遣するなど、国際社会の支援も本格化し始めているが、レイテ島の被災地を訪れた国連関係者は「以前にこのような規模の災害を見たのは2004年12月に発生したインドネシア・スマトラ沖津波(死者・行方不明者約22万人)以来だ」と述べた。
(SANKEI EXPRESS)
http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00004047.html
【今日の御言葉】