わたしが父を愛し、
父がお命じになったとおりに行っていることを、
世は知るべきである。
さあ、立て。ここから出かけよう。
「ヨハネによる福音書」 / 14章 31節
新約聖書 新共同訳
人は一切れのパンではなく
愛に、小さなほほえみに
飢えているのです。
だれからも受け入れられず
だれからも愛されず
必要とされないという悲しみ
これこそほんとうの飢えなのです。
愛を与え
愛を受けることを知らない人は
貧しい人のなかでも
もっとも貧しい人です。
マザーテレサ
(マザーテレサ『愛のことば』より)
★「南京大虐殺」展示撤去へ
ニセ写真、歪曲相次ぎ… ピースおおさか
◆産経新聞 2013年9月18日 15時13分配信
▲リニューアル後の「焼け野原になった大阪」の
展示イメージ図。
「南京大虐殺」の展示は姿を消す(写真:産経新聞)
大阪府と大阪市が出資する財団法人「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、大阪市中央区)で、日中戦争中に旧日本軍が行ったとされ、信憑(しんぴょう)性をめぐって議論が分かれる「南京大虐殺」に関する展示が撤去される見込みであることが18日、分かった。25日から始まる府の9月議会で基本設計案(中間報告)が報告され、戦後70年となる平成27年度までのリニューアルを目指す。自虐的な「偏向展示」で知られた同施設は、ようやく正常化に向けてかじを切る。
現在の展示は、展示室A「大阪空襲と人々の生活」、展示室B「15年戦争(満州事変から第二次世界大戦まで)」、展示室C「平和の希求」の3部構成で、展示室Bには、旧日本軍の南京攻略後に見つかった中国人の生首とされる写真など「南京大虐殺」のコーナーがある。
◆橋下氏「府民の声を」
同施設の戦争資料をめぐっては、これまでにも旧日本軍による虐殺現場と説明した出所不明のニセ写真の展示など誤用や歪曲(わいきょく)が指摘され、撤去や修正を繰り返した。2年前にも、朝鮮人労働者の「強制連行」や虐殺・虐待などの解説文と並べて展示した写真4枚が、全く無関係のものだったことが分かり、撤去を余儀なくされた。
※ニセ写真
こうしたずさん展示の背景に、ゆがんだ歴史観に基づく「偏狭なイデオロギー」を指摘する声は根強い。先の大戦をめぐる評価や、「南京大虐殺」「強制連行」などの事案の真偽について、多様な見方を示さずに日本をことさら糾弾する立場に立つ自虐史観だ。
「南京大虐殺」の展示をめぐっても、市民団体や府市議らから、当時のデータや証言を踏まえ、「大虐殺はなかったとする研究結果も出てきた」「旧日本軍を悪逆非道な存在と決めつけ、でっち上げや捏造(ねつぞう)がある」などと虚構性を訴える声が上がり、橋下徹前知事(現大阪市長)が平成23年5月、展示のあり方について「府民の意思を反映すべきだ」と指摘。今年度予算でリニューアルの設計委託費1700万円が計上され、同施設は昨年、全面改装の方針を打ち出した。
◆新案は大阪空襲軸に
今回の基本設計案によると、新しい展示は昭和20年の大阪空襲を軸に展開。戦時下の大阪の暮らし▽焼け野原になった大阪▽戦後の復興-などのテーマで構成。
府市特別顧問で府立大の橋爪紳也特別教授ら有識者ら4人が監修し、10月末に完成させる予定だ。
これまでの議論では近年の研究結果も踏まえ、「南京大虐殺」関連の展示は子供たちに戦争の悲惨さを伝えるために必ずしも必須ではない-として盛り込まれなかった。
展示リニューアルは開館以来初めて。展示の変更理由について、運営法人は年間約7万5千人の来館者のうち約6割を小、中学生らが占めており、「大阪を中心に、子供の目線で平和を自分自身の課題として考えてほしい」としている。
■歴史博物館の展示問題に詳しい拓殖大学の藤岡信勝客員教授(教育学)の話
「大阪空襲の被害も、日本が世界で加害行為をした結果だというのがこれまでのピースおおさかの展示の論理だった。これは1980年代に歴史教科書に自虐史観が登場したのと歩調を合わせ、一部勢力の影響で全国の博物館に持ち込まれたものだ。今回の展示見直しは、歴史博物館の伝統的な形に戻ったものであり、評価できる」
【用語解説】大阪国際平和センター(ピースおおさか)
戦争と平和の調査研究と展示を目的に、大阪府と大阪市が建設・展示工事費として計25億9740万円を折半して補助し、平成3年9月に開館。今年度は運営費補助金として、府市合わせて計約8千万円が計上されている。年間の来館者は約7万5千人で、今年3月には約170万人を突破。約6割は小、中学生で、ほとんどが校外学習として利用されている。現在は写真や模型など約500点が展示されており、大阪空襲の犠牲者の名前が刻まれたモニュメントも設置している。
▲「大阪国際平和センター」(ピースおおさか)の展示室B。
旧日本軍の南京攻略後に見つかった
中国人の生首とされる写真を展示するなどした
「南京大虐殺」のコーナーがあり、
自虐史観への批判の声も強かった=大阪市中央区
※撤去された捏造写真 (虚偽展示)
http://www.peace-osaka.or.jp/pdf/20111028.pdf
★朝鮮人の強制連行めぐり
「ピースおおさか」が“虚偽”展示 写真4枚を撤去
◆産経新聞 2011年10月29日 01:30
▲朝鮮半島で建設中だった
「水豊ダム」の工事現場で撮影されていたことが判明した
ピースおおさかの「昭和14年以降の強制連行と強制労働」
展示写真
(大阪府提供)
戦争と平和の調査研究と展示を目的に、大阪府と大阪市が出資して設立した
財団法人「大阪国際平和センター」(ピースおおさか)=大阪市中央区=は28日、
日中戦争をテーマに、朝鮮人労働者の強制連行などについて展示された
「朝鮮コーナー」の写真4枚すべてが、解説文の内容と異なっていたとして撤去した。
朝鮮半島で撮影された写真を、日本での強制労働の様子と紹介したものや、
日中戦争時の写真としていたものが、大正時代の撮影だったことが判明するなどしたという。
いずれも、平成3年の開館当初から展示されていた。
ピースおおさかによると、橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」所属の府議から、
今年9月に間違いではないかと指摘され、調査していた。
問題が発覚した写真4枚は、日中戦争をテーマにした展示室Bの「朝鮮コーナー」に展示され、
朝鮮人の強制連行と強制労働の解説文と並べて使われていた。
解説文は、強制連行について
「昭和14年以降、労働力不足を補うため、朝鮮人を強制的に日本に連行して労働に従事させた。
形式的に募集、官斡旋などと称されていたが実質的には全て強制だった」
などと記述。
そのうえで、「ダム建設現場のトロッコ押し」と紹介されていた写真は、
出典元の新聞社が発行した出版物を調べた結果、
日本国内の写真ではなく朝鮮半島で建設された「水豊ダム」の工事現場で撮影されたもので、
強制連行と無関係だと判明した。
また「虐待された土木労働者」と題した写真は、
同じ写真が、大正15年9月9日付の新聞に掲載されていたことが分かった。
「鉄道工事場での朝鮮人虐殺」としていた写真2枚も、
同じ写真が掲載された新聞社の出版物から、昭和7年に起きていたことが確認できた。
いずれも昭和14年以前の写真で、解説文との整合性がとれないと判断した。
ピースおおさかの開館以来の見学者は今年9月末までに計約166万人。
近年の来館者の6~7割は、小中学生や高校生で、主に課外学習に利用されている。
より子供が理解しやすい内容に、展示を変更することを検討しており、
25年4月のリニューアルオープンを目指している。
一方で、展示が自虐史観に基づく内容になっていると批判の声が出ており、
維新の府議らが今年8月と9月に、施設を視察。
橋下知事は「議会での議論を通じ府民の意思を反映すべきだ」と指摘していた。
ピースおおさかの倉田清館長は
「展示を企画した担当者はすでに他界しており、
どういう経緯でこれらの写真を使ったのかは、今となっては分からない。
20年間も不適切な展示を続けたことをおわびしたい」
と話している。
(産経新聞 2011年10月29日 01:30)
※写真の解説
写真a : 『旭川新聞』大正15年9月9日付。
写真b-1、b- 2 : 1932年 5 月 4 日
「矢作事件」 (岩手県大船渡線鉄道工事場の労働争議での殺人事件)
写真c : 水豊ダム (現 北朝鮮)
(『別冊1億人の昭和史 日本植民地史1朝鮮』(毎日新聞社 1978 年) 221 ペ ージ)
▲昭和34年7月13日 朝日新聞