空飛ぶ自由人・2

旅・映画・本 その他、人生を楽しくするもの、沢山

映画『アングリースクワッド』

2024年11月30日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

「カメラを止めるな!」で一大ブームを巻き起こした
上田慎一郎監督の新作。

マジメな税務署員・熊沢二郎は、
詐欺師の氷室マコトが企てた
中古車売買詐欺に引っかかり、
虎の子の大金をだまし取られてしまう。
親友の刑事の助けで氷室の所在を突き止めると、
氷室から
「貴方が前から追っている脱税王を詐欺にかけ、
脱税した10億円を徴収してあげる。
だから見逃して」
と持ちかけられる。

犯罪の片棒は担げないと一旦は断った熊沢だったが、
脱税王が税務署長と結託している事実を知ると共に、
あることで屈辱感を与えられ、
また、親友が脱税王の工作で
税務署をクビになり、自殺したことへの復讐のため、
氷室と手を組むことを決意。
2人は詐欺師集団《アングリースクワッド》を結成。
メンバーは、どんな役にもなれる元役者、強靭な肉体の当たり屋、
偽造のプロでメカニックの男、闇金業者の女、
その娘で常に債権者の指詰め用トンカチを持ち歩く女など。
脱税王から大金を騙し取る方法は、
所有者に成りすまして土地を売る地面師詐欺。
綿密な計画を練り上げ、
チームは壮大な税金徴収ミッションに挑む。
しかし、脱税王の方に情報がもれ、
逮捕前提の現金授受の場にのぞむが・・・・

という、だましだまされる、虚々実々の駆け引きが展開される。

原作は韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」(2016)。
英語タイトルが「Squad 38」。
38というのは、韓国の憲法38条にある納税義務のこと、
Squad は、もとは軍隊用語で、
少人数のチームを意味する。
「アングリースクワッド」の意味は、「怒りの部隊」

ただ、原作は連続ドラマで長いので、
恋愛部分などを刈り込み、
オリジナリティを加えて、
独自の作品に仕上げた。
「カメラを止めるな!」公開前から動いていたプロジェクトだという。
                                         「カメラを止めるな!」(2017年)で注目された上田監督だったが、
間に共同監督作品を挟んでの次回作、
「スペシャルアクターズ」(2019年)は、期待を裏切るものだった。
特に、演技陣があまりに非力だった。
私はブログに、
「上田監督は演技の力を軽く見ているのではないか。
あるいは、訓練された俳優の演技力に
触れた経験がないのではないか」
「次の作品は、
しっかりした映画会社で企画を練り、
潤沢な予算を獲得し、
優秀な俳優たちを起用して作ってもらいたい。
そうでなけれは、
「カメラを止めるな!」はまぐれだったと言われてしまう」
と書いた。
その次の作品「ポプラン」(2022年)は、話題にもならなかった。

しかし、今作は、俳優たちに恵まれ、快作に仕上がった。
主人公の税務署職員・熊沢を内野聖陽


天才詐欺師・氷室を岡田将生が演じ、


脱税王に小澤征悦


他に川栄李奈、真矢ミキ、吹越満
一流の俳優を揃えた。
上田監督は、俳優の力量でこれほど作品が豊かになるのかと
思い知ったに違いない。
上田監督の腕も上がったようで、
細部に工夫と伏線が組み入れられ、
よく目配りされた脚本になっている。

最後の絶体絶命のピンチの解決法は、
驚かされた。
更にもう一つのサプライズもある。

5段階評価の「4」

拡大公開中。

 


箱根・大涌谷

2024年11月29日 23時00分00秒 | 旅行関係

箱根日帰りバス旅行の続き。

芦ノ湖海賊船の後は、ロープウェイに乗ります
                                        箱根ロープウェイは、
桃源台駅から大涌谷駅へ登り、
大涌谷駅で乗り換えて、
早雲山駅へ下る、2路線で構成されています。

営業区間が日本一長い索道路線で、
乗車人員は2008年度に201万人を超え、
2009年7月9日付で
ギネス世界記録のゴンドラ・リフト部門で
乗車人数世界一に認定されています。

1959年(昭和34年)12月6日開業。
当初は早雲山駅から大涌谷駅まででした。
1960年9月7日、大涌谷駅から桃源台駅までが開業し、
全線開業となりました。
当時は早雲山駅 --桃源台駅間を直通していました。

2000年当時、
設備全体が老朽化したことと、
箱根の観光客が増えたために
ロープウェイの輸送能力(当時は975人/時)が不足し、
乗車待ちに1 、2 時間かかることもみられるようになったことから、
ロープウェイの架け替えの検討が始まり、
2001年12月から総工費約70億円をかけて、
鉄塔解体、新設、駅舎改修などが行われました。
スイス製のゴンドラ(定員18人)が全線に50台設置され、
各駅で1分間隔の運行で、
輸送力は1時間当たり975人から1440人に
48%増となり、
運転区間が大涌谷で分断されました。

2002年(平成14年)6月1日、
早雲山駅から大涌谷駅まで、新型ロープウェイの運行が始まり、
2006年(平成18年)、大涌谷駅から桃源台駅を
新型ロープウェイに架け替える工事を行い、
2007年(平成19年)6月1日、大涌谷駅から桃源台駅まで、
新型ロープウェイの運行が始まりました。

ゴンドラに動力はなく、
大涌谷駅と姥子駅のモーター(原動設備)でロープを操作しています。
ロープは直径48mm、1 本のロープを端でつなぎ合わせています。

このウェットティッシュは、

ガスが発生した時、鼻と口を覆うためのもの。

発車。

天気が良ければ、こんな景色を見ることができます。

秋には紅葉も。

残念ながら、雲に隠れて富士山は見えませんでした。

途中駅で降りる人はいません。トレッキングの人たち用駅。

終点が見えてきました。

大涌谷(おおわくだに)は、
箱根火山の火山性地すべりによる崩壊地形です。
地熱地帯で活発な噴気地帯でもあります。

スマホの高度計。標高1044m。

約3100年前、
箱根火山で水蒸気爆発による山崩れが発生し、
さらに約2900年前に小規模な火砕流が発生、
火山砕屑物と山崩れによる堆積物の間が現在の大涌谷となっています。

江戸時代には「地獄谷」や「大地獄」と呼ばれていましたが、
明治天皇・皇后の行幸啓に際し、
1873年(明治6年)に改称されました。

かつては噴気孔を自由に観察することができましたが、
1970年4月27日、
修学旅行で噴気孔の見学に訪れていた児童の列に落石が襲い、
1人が死亡する事故が発生し、行けなくなっています。

地熱を利用してできたゆで卵(温泉卵)が販売されています。

温泉に含まれる硫黄と鉄分が結びつき
黒い硫化鉄となり卵の殻に付着して、
殻を黒く変色させることから
「黒たまご」と呼ばれます。

黒たまごは1個食べると7年寿命が延びるというふれこみで、
軽食土産として人気です。

緊急を知らせるサイレンのようです。

箱根ジオミュージアム。

早雲山行きに乗り換えます。

 

こんな感じ。

ゴンドラからの眺め。

途中のすれ違い。

終点の東雲台に着きました。

ここから強羅へのケーブルカーに乗る人もいます。

展望台には、

足湯もあります。

展望台からの眺め。

ここにはcu-mo箱根という商業施設があり、

おみやげものが並んでいます。

こんな雲を表す飲み物も。

白いポスト。

再び、バスに乗って一路東京へ。

ようやくお昼です。

この昼食のおにぎり弁当、芦ノ湖到着前に配られ、
①今食べる ②海賊船で食べる ③帰りのバスで食べる
という悪しき選択肢。
①は早すぎるし、
②インバウンドの方のいる前で食べるのはいやなので、
③帰りになりました。
改善の余地あり、とアンケートには書いておきました。

途中通った仙石原のススキ

カミさんはいたく感動していました。

帰路も渋滞に巻き込まれ、

中井SAと

大黒ふ頭で休憩し、

5時間かけて新浦安に到着。
5時15分解散の予定が7時25分に。
バス旅行の危険なところです。
久しぶりの家族旅行。
そろそろ終わりかなあ。

 


小説『責任』

2024年11月27日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈優秀賞〉受賞作
筆者の浅野皓生は、
東京大学法学部在学中の現役大学生。

雪の深夜の当直中、
警視庁捜査一課の刑事・松野徹は
不審車両に遭遇し職務質問する。
運転手の青年・藤池光彦は
右手に血痕があり、何か訳がありそう。
同僚の刑事が照会すると、
強盗の前科があると分かった。
と、光彦は車を急発進、
徹たちは追跡するが
車は交差点に突っ込み、
通りかかった車と衝突。
光彦の車は炎上し、
相手の車も家族四人が死亡する大惨事となった。
無理な追跡ではなかったかと警察への批判が強まりかけた時、
光彦が事故直前に強盗致傷事件を起こしていたと判明、
一転、非難は光彦の遺族に集中した。
状況証拠は光彦の犯行は間違いないが、
ただ、物的証拠がない。
捜査は暗礁に乗り上げ、
警察は神経質になる。
そんな時、目撃者が現れた。
強盗された家の近くの住人が、
家の前で光彦の車を見たというのだ。
決定的だったのは、
光彦の車に貼られていたキャラクターのステッカーだった。
警察は光彦の犯行と断定。
事件は収束する。

それから12年後の2022年夏、
光彦の命日(事件が起こった日)に
光彦の墓参りをしていた徹は、
光彦の父親・藤池稔に出会う。
稔は、光彦に
事件を再捜査し、
光彦の冤罪を晴らしてもらいたいと懇願する。
一旦は断った徹だったが、
個人的に捜査を開始し、
当時の関係者に面談する。
それは上司の知るところとなり、
叱責を受けるが、
徹はある証言をきっかけに、
強盗被害者と目撃者の接点を突き止め、
意外な真相が判明する。
ただ、それは公表をはばかられるものだった。

後半、別な視点で叙述される。
徹の娘の莉帆だ。
実は莉帆は、警察官になっていたのだ。
その莉帆に徹の失踪が告げられる。
徹が真相を解明した後、姿をくらましたのだ。
のみならず、徹は絞殺死体で発見される。
莉帆は光彦の遺族に会うが、
それは、過去において莉帆と遺族の接点があったことを示す。
そして、徹が解明した「真相」の背後にあった
「真実」が姿を表して来る

という展開だが、
背景としてあるのは、徹の思い。
職務上仕方なかったとはいえ、
被疑者・光彦を死に至らしめた徹の苦悩。
光彦から目を離しさえしなければ、
追跡などしなければ、
という悔恨が強く徹を包み、
「ああなったことの責任みたいなものが
自分にもあるんじゃないか」
という思いが徹を責める。
徹の生活は悔恨で暗くなり、
結果として、妻と娘と別居という形になった。
その娘の莉帆の視線が加わることで、
徹の苦悩が一層鮮明になる。

事件の「真相」「真実」とは何だったのか。
光彦は本当に冤罪だったのか。
徹が真相解明後、何をしていたのか、
徹が殺されたのは何故なのか。

こうした謎がうまく話を引っ張り、
警察内部の様々な組織的軋轢、
刑事の家庭の実情、
加害者家族の苦悩などを散りばめて、
重層的な警察小説となる。

同じパトカーに乗っていた同僚刑事やその先輩刑事、
今の上司の女性刑事などがからみ、
会話がなかなかいい。

筆者の浅野皓生は、
インタビューで作品の着想を
次のように語っている。

大学の行政法の授業で、
「パトカー追跡事件」という有名な判例の存在を知ったことです。
パトカーが交通違反をした車を追跡していたところ、
逃げていた車が別の乗用車に衝突し、
乗っていた第三者が負傷した。
その第三者から、パトカーの追跡は違法であったとして、
国家賠償請求訴訟が提起されたんです。
実際の事案では、警察側が勝訴しました。
ただ、判決には一切出てこないんですが、
パトカーを運転していた警察官はどんな気持ちだったんだろうと、
自分の中でぐるぐると想像が始まってしまって。
そんな時に、大学の倫理学の授業で
「運と道徳」について話を聞きました。
自分が責任を感じている時、
他の人にあなたは運が悪かっただけで
責任などないと言われても、
責任を感じる気持ちは消えないですよね、と……。
その議論を「パトカー追跡事件」に関する想像と
重ね合わせていった結果、
冒頭の交通死亡事故のエピソードが生まれました。

将来は大学院に進み、弁護士をめざすという筆者。
期待の新人の登場である。

 


映画『海の沈黙』

2024年11月26日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

昔、私がシナリオの勉強をしていた頃、
倉本聰神様だった。
「6羽のかもめ」(1974)「前略おふくろ様」(1975)、
「北の国から」(1981)、そして、
単発の「幻の町」(1976)は、
バイブルだった。
当時、山田太一、向田邦子と共に「シナリオライター御三家」と呼ばれた。
「北の国から」の特別篇は欠かさず観たし、
その後演劇に軸足を移して残念だったが、
復活した、フジテレビの帯ドラマ、
「やすらぎの郷」「やすらぎの刻~道」は毎日観ていた。
その倉本聰が久しぶりに映画の脚本を書いたという。
「海へ~See you~」(1988)以来だから、
36年ぶり
これは観に行かねばなるまい。

億単位の高額な価格で取引される
著名な画家、田村修三が、
恩師を巡る展覧会場のオープニングで、
自分のコーナーの漁港シリーズの
一枚の絵を見て驚く。
自分の作品とは、海の描き方が違う、
贋作だというのだ。


専門家も真作と折り紙を付け、
鑑定書まで出ているのに、
何故このようなことに。
文部科学大臣を招いての権威ある展覧会での不祥事。
主催者は会期が終わるままで秘匿してくれるよう依頼するが、
「作家の良心」から、田村は記者会見して事実を延べ、
大騒ぎになる。
それは、3億円の予算を獲得して
作品を購入した地方の美術館の館長の自死にまで発展する。
館長はその遺書で、
贋作であろうと、あの作品の価値は損なわれはしない、と主張する。


一方、謎の男が田村に電話をかけてきて、
贋作を描いた画家のことをほのめかす。
「館長の死は、あなたがした二人目の殺人だ」と。

地方の店に飾られていた
ドガの贋作の署名から
ある男の姿が浮かび上がる。
それは、数十年前、
恩師のもとでの田村と兄弟弟子で、
ある事件で画壇を追われた津山竜次という男。
しかも、田村の妻・安奈は
竜次の元恋人だった。
竜次は今どこにいるのか。
果たして贋作は竜次の手によるものなのか。
今あるのが「贋作」なら「真作」はどこへ行ったのか。
ドラマはミステリー色を含んで展開する。

さすがに倉本聰、観客を惹き付けるのがうまい、
とワクワクしながら観ていたが、
当の津山竜次が登場して、ドラマは変調をきたす。

北海道の小樽の町で雌伏している竜次は、
精巧な贋作を描いているだけでなく、
刺青作家として、
海外に招かれ、
そのカタログとして
全身に刺青を入れた女性の裸体を見せ、
そこから作品を選ばせるという噂。
その女性は入水自殺した。
そして、竜次はあざみという若い女性の体に
刺青を入れることを求められている。
自殺した女性は竜次に見限られて死んだらしい。
小樽の隠れ家のアトリエで
狂気のように作品に挑む竜次の姿。
しかし、肺を犯され、余命いくばくもない。
その竜次のもとを安奈が訪れて、
二人は数十年ぶりに再会するが・・・

恩師の娘との古い三角関係が背後にあるのだが、
その詳細は描かれず、
全て観客の想像に委ねられる。
外国での刺青カタログの話も言葉で語られるだけ。
海外で料理人として出会った「番頭」スイケンと
竜次の関係もセリフで語らせるのみ。
シナリオの学びの中で、
「伝聞でなく、直接描写で表現せよ」
と教えられたのだが、
間接表現が多く、もどかしい
回想という安易な手は使いたくなかっただろうが、
しかし、漁師だった父親の死については、
回想形式で描かれている。

なにより、若い時代の安奈を巡る話が
田村の絵画の贋作として露呈し、
葛藤を生むのが
本作のキモだと思うのだが。
しかも、真作より贋作の方がすぐれているという、
手の込んだ復讐
その視点はいつの間にか外れ、
天才狂気の画家の創作への執着に話が移ってしまう。

そもそも、いかにキャンバスを買える金がないとはいえ、
人の描いた作品を塗りつぶして
自分の絵を描くなど、許されていいのか。
他の絵描きに対して一番やってはいけない事ではないか。
(これは前例がある。
 洋画家の中川一政が
 師事していた岡本一平の絵の上に
 自作を書いて、後年明らかになった出来事。
 その時の岡本一平の言葉。
 「自分より優れていたら、仕方がない。何も言えない」)
しかも贋作の言い訳がひどい。
「少し、手を入れて画の質を上げてやっただけだ」とは。
                                        映画「アマデウス」で、
サリエリが作った曲を
モーツァルトが、あれよあれよとうい間に
もっと素晴らしい曲に仕上げてしまう場面を思い出した。

竜次の贋作は、インターポールに追われているという。
それほど沢山の贋作を作り、
「ゴッホもドガもダ・ヴィンチも越えた」と豪語する。
ゴッホとドガはまだしも、
技法の違うダ・ヴィンチと比べること自体が
間違っていないか。

演技的にも違和感がある。
まず、石坂浩二本木雅弘が同期の画学生とはいかがなものか。
年齢が違い過ぎる。
(石坂83歳、本木58歳)
数十年前の思慕を引きずる安奈を演ずる小泉今日子
的確な演技とはいいがたい。
竜次の「番頭」を自称するスイケンの中井貴一も変。
何で年上の大家・田村に対してあれほど高圧的なのか。
倉本聰は、演ずる役者によって台詞を書き換えると言われるが、
中井貴一に「わし」と言わせるのはどうなのか。
もっと高齢の俳優に演じさせるつもりだったのではないのか。

刺青を彫る対象のバーテンダーのアザミという女性もはっきりしない。
「やすらぎの刻~道」にも女性バーテンダーが登場し、
アザミとい若いシナリオ作家志望の女性も出て来る。
何か執着があるのか。
風邪を引いた竜次をアザミが裸になって温めるというのも、
老人の願望を表したようで、いただけない。

年齢や役柄がフィットしていないのは、
お気に入りの俳優ばかりを使った
山田洋次の二の舞ではないか。

ただ、本木雅弘だけは、
孤高の画家を見事に演じ切った
表情、立ち居振る舞いが
雰囲気を醸しだす。
あれなら、過去の画壇からの追放などものともせず、
贋作などに走らず、
自分の絵を貫けたのではないか。

「沈まぬ太陽」や「Fukushima 50」の若松節朗が監督だが、
全体的に半端な印象で、
後半の描写は、やや大仰。
竜次が本当に描きたかったものが、
父親がマグロ漁に出て遭難した時、
浜辺に焚いた大きな迎え火だったというのもなんだかなあ。
それに、キャンバスに血を吐いたら、
絵の完成は不可能ではないか。

かつて「神様」と崇めていた方の作品を悪く言いたくはないが、
久々の「降臨」は成功とはいいがたい。
倉本聰89歳。
遺作にならなければいいが。

この映画の感想レビューの中に
次のようなものを見つけた。

ごめんなさい。
難しすぎてよくわかりませんでした。
誰にも共感できなかった。

あまりにも率直な感想で、
ほほえましくさえ感じた。

5 段階評価の「3」

拡大公開中。


箱根・芦ノ湖

2024年11月25日 23時00分00秒 | 旅行関係

先日、バス日帰り旅行に出かけました。

↓の新聞折り込みチラシで申し込み。

決め手は、浦安、新浦安出発という点で、

駅前の大型スーパーの脇が集合場所。


7時50分出発。

朝ごはんは、コンビニで買ったおにぎり。

参加者は高齢者ばかり。

首都高速から東名に入り、

海老名サービスエリアで休憩。

トイレの表示は親切。

へー、こんなシステムも。

日本の道路の文化、サービスエリア。

名物のメロンパンを買いました。

やがて山道へ。

着いたのは、箱根町の芦ノ湖のほとり。

渋滞に巻き込まれ、3時間半もかかりました。

スマホの高度計を見たら、標高731メートル

港からの眺め。

芦ノ湖は、神奈川県足柄下郡箱根町にある、カルデラ湖

箱根火山のカルデラ内にある神山が、
約3千年前に水蒸気爆発と火砕流を起こし、
山の一部が大崩壊を起こして
カルデラ内にあった早川を堰き止めて芦ノ湖が誕生。

神奈川県内最大の湖。
水源の大部分が湖底からの湧き水
歴史的経緯から、
水利権が静岡県側にあるため、
神奈川県側では湖水利用ができません。
渇水や増水などの非常時だけ、
早川に放水されます。

湖畔を中心に名所やリゾート施設が多く点在する観光地で、
富士山も望める景勝地としても知られています。

晴れていれば、ご覧のような景観が楽しめます。

残念ながら今日は、
雲に隠れて見えません。

毎年正月に開催される東京箱根間往復大学駅伝競走
往路ゴール、復路スタート地点なので、
ミュージアムがあります。

湖上には、箱根海賊船(小田急箱根、小田急電鉄系列)と
芦ノ湖遊覧船(箱根遊船、富士急行系列)が運航されています。

浦安派遣団は、海賊船に乗ります。

これが海賊船。

戦後、箱根の道路、鉄道等の運航については、
堤康次郎率いる西武グループと
安藤楢六率いる小田急グループ及び
そのバックに付いた五島慶太の東急グループの間で、
20年以上にわたってシェア争いがあって、
「箱根山戦争」と呼ばれ、
新聞小説や映画になりました。

1950年8月1日に「箱根観光船」として運航開始。
当初、客船としては世界初の双胴船を運航している
伊豆箱根鉄道に対して苦戦していましたが、
アメリカのディズニーランドを視察した社長のアイデアにより、
海賊船の導入を決定。
海賊船になってから人気を集め、船内は満杯。

臨海部の造船所で建造後、
ブロックに分解されて芦ノ湖に運搬し、
桃源台港にある船舶工場で再組み立てされて進水しました。

屋内客席と

オープンデッキがあります。

船内から眺める景観が魅力。

インバウンドの旅行客が多く、
船内は、まるで外国

売店。

ファーストクラスの部屋も。

エレベーターもあります。

今、船がどのあたりにいるかの地図も。

約40分間の乗船で、桃源台港に到着。

海賊船よ、さようなら。

これからロープウェイに乗ります。