初釜でよく見られるぶりぶり香合、第一印象はどんなでしたか。
私は、大きい!絵が華やかできれい!!ぶりぶりって名称の由来は?というところでした。
さて、昨年もお正月ならではのお道具として、島台茶碗とぶりぶり香合のことを書きました。以下ご参照下さい。
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/6bc3a9d0466ae71b577b560b85fc8108
ぶりぶり香合の原型となった“ぶりぶり”という遊具を見てみたいと思っていたところ、古本屋さんで遊戯具について書かれた本を見つけました。昭和43年発行 日本の美術12 no.32 遊戯具 関忠夫編。日本の様々な遊戯、美術品としての遊戯具について細かくかかれていて興味深い。それを参考にぶりぶりについてご紹介します。
日本には季節の折々に慣例化した様々な行事があるが、そうした年中行事には儀式的なものだけでなく、厄除けや招福、占いに起源する行為を遊戯化したとみられるものがあり、祭礼での競技奉納や季節的な遊戯の形となって伝承されたものも少なくない。正月の遊戯でいえば、平安時代の賭弓(のりゆみ)、毬打(ぎっちょう)、中世末~近世初期の弓始め、毬打、ぶりぶり、羽根つき等がある。
歴史の古い毬打は年頭の吉凶を占うことから起こり、相手から投げられた毬を棒や杖で受け止める遊戯で、毬を互いに投げ合って勝負を競うもの。その毬打はやがて棒や杖だけでなく、箒や箕、ぶりぶりなども使われるようになった。ぶりぶりは紐の先に紡錘形のようにみえるものをつけたもので、毬を打ちとめるのに使ったと思われるが、それが本来の用として工夫された遊戯具かどうかはわからない。本来は農工具で田畑の上を引き転がし土塊をくだくものがあり、それを子供に持たせ農耕の儀礼とさせたのがそのおこりかもしれないという。
やがて、ぶりぶりは子供の祝儀物となり、正月に贈るようになった。その頃の形は八角の棗形で、紐か柄をつけ、輪を付属したもの。この輪をはずして投げ、ぶりぶりで受け止めて遊ぶのがもとの姿だったが、いつか飾り物になった。松に鶴、尉と姥。宝尽くしなどを墨画彩色したが、さらに、雲形を胡粉盛上げにして金箔を押して美麗を極めていった。これを利用したのがぶりぶり香合。茶人がその美しさとめでたさから香合に見立て、お正月の香合として使われるようになったのでしょう。
毬打は江戸時代に廃れたが、その杖は正月に男子に贈る祝儀物として残り、毬打に模した槌の形のつくりもので、それに鶴・鳩・松竹梅などを飾り、胡粉彩色したものがあるという。この杖の飾りものも見てみたいものである。どなたかどこかで見たことありませんか?
この本、今は目にしなくなったが、日本の懐かしい遊びについて写真入りでたくさん書かれている。古きよき文化、自身が小さい頃経験した遊びがあったり、こんな遊びがあったのかと驚いたり、この遊びは復興したいと思ったり、読むほどに想像力を書きたてられる。
人間は様々な遊びから偉大な発見や喜びを生んできた気がする。現代の子供達はパソコンやゲーム機という準備されたもので遊ぶ事が多いが、昔の子供達は身の回りにあるもので、自分自身で工夫して遊びやルールを作り出してきたことが伺える。楽しみながら考え、作る、これは人間が生き、発展していく上でとても大切なことではないだろうか。
茶道の諸道具も茶人や職人の見立てや遊び心から生まれてくる。その想像力は計り知れない。
これからも折に触れて日本人の遊びや遊戯具についても学んでいきたいと思った。
私は、大きい!絵が華やかできれい!!ぶりぶりって名称の由来は?というところでした。
さて、昨年もお正月ならではのお道具として、島台茶碗とぶりぶり香合のことを書きました。以下ご参照下さい。
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/6bc3a9d0466ae71b577b560b85fc8108
ぶりぶり香合の原型となった“ぶりぶり”という遊具を見てみたいと思っていたところ、古本屋さんで遊戯具について書かれた本を見つけました。昭和43年発行 日本の美術12 no.32 遊戯具 関忠夫編。日本の様々な遊戯、美術品としての遊戯具について細かくかかれていて興味深い。それを参考にぶりぶりについてご紹介します。
日本には季節の折々に慣例化した様々な行事があるが、そうした年中行事には儀式的なものだけでなく、厄除けや招福、占いに起源する行為を遊戯化したとみられるものがあり、祭礼での競技奉納や季節的な遊戯の形となって伝承されたものも少なくない。正月の遊戯でいえば、平安時代の賭弓(のりゆみ)、毬打(ぎっちょう)、中世末~近世初期の弓始め、毬打、ぶりぶり、羽根つき等がある。
歴史の古い毬打は年頭の吉凶を占うことから起こり、相手から投げられた毬を棒や杖で受け止める遊戯で、毬を互いに投げ合って勝負を競うもの。その毬打はやがて棒や杖だけでなく、箒や箕、ぶりぶりなども使われるようになった。ぶりぶりは紐の先に紡錘形のようにみえるものをつけたもので、毬を打ちとめるのに使ったと思われるが、それが本来の用として工夫された遊戯具かどうかはわからない。本来は農工具で田畑の上を引き転がし土塊をくだくものがあり、それを子供に持たせ農耕の儀礼とさせたのがそのおこりかもしれないという。
やがて、ぶりぶりは子供の祝儀物となり、正月に贈るようになった。その頃の形は八角の棗形で、紐か柄をつけ、輪を付属したもの。この輪をはずして投げ、ぶりぶりで受け止めて遊ぶのがもとの姿だったが、いつか飾り物になった。松に鶴、尉と姥。宝尽くしなどを墨画彩色したが、さらに、雲形を胡粉盛上げにして金箔を押して美麗を極めていった。これを利用したのがぶりぶり香合。茶人がその美しさとめでたさから香合に見立て、お正月の香合として使われるようになったのでしょう。
毬打は江戸時代に廃れたが、その杖は正月に男子に贈る祝儀物として残り、毬打に模した槌の形のつくりもので、それに鶴・鳩・松竹梅などを飾り、胡粉彩色したものがあるという。この杖の飾りものも見てみたいものである。どなたかどこかで見たことありませんか?
この本、今は目にしなくなったが、日本の懐かしい遊びについて写真入りでたくさん書かれている。古きよき文化、自身が小さい頃経験した遊びがあったり、こんな遊びがあったのかと驚いたり、この遊びは復興したいと思ったり、読むほどに想像力を書きたてられる。
人間は様々な遊びから偉大な発見や喜びを生んできた気がする。現代の子供達はパソコンやゲーム機という準備されたもので遊ぶ事が多いが、昔の子供達は身の回りにあるもので、自分自身で工夫して遊びやルールを作り出してきたことが伺える。楽しみながら考え、作る、これは人間が生き、発展していく上でとても大切なことではないだろうか。
茶道の諸道具も茶人や職人の見立てや遊び心から生まれてくる。その想像力は計り知れない。
これからも折に触れて日本人の遊びや遊戯具についても学んでいきたいと思った。
玩具辞典や小泉八雲、井原西鶴の著書など、いろいろ資料を集め、いわゆる郷土玩具を縫おうと考えていたのですが、
上手物、素敵ですねー。たまごさんのブログを読み、考えが変わりました!
素晴らしい資料も見つけられたのですね。いいな~!
これからも、たまごさん目線のいろいろ、楽しみにしています。
一斤染は前回のブログで紹介されていた、ペールグループの2にありましたよ。
私のHN、ぶり、子供の頃からのアダナ。 家にあったぶりぶり香合モドキを小物入れに使っていて、ある時、友達にそれはぶりぶりと言ったら、それ以来、ぶりと呼ばれています。
お粗末でした~
表千家も同じです。
形だけ残っていても、時代とともに
意味が分からなくなってしまう物を
こうして掘り起こしてくださって
教えていただき、うれしいです(^O^)/
玩具模様の刺繍の帯、楽しそうですね。是非実現してください。拝見したいです。
考えが変わって何の刺繍になるのかしら。
>素晴らしい資料も見つけられたのですね。いいな~!
古本屋さんに行けばあるのかもしれません。この雑誌のシリーズは今も続いているようです。
>一斤染は前回のブログで紹介されていた、ペールグループの2にありましたよ。
失礼しました。見ているようでちゃんと見ていないことがばれてしまいました。。。。ありがとうございます。いい色ですね。
おかげさまで一斤染という美しい言葉を覚えることができました。日本語の色の呼び方って美しいですね。
この本、お持ちなんですか?
私は偶然古本屋さんで見つけたのです。
>私のHN、ぶり、子供の頃からのアダナ。
>家にあったぶりぶり香合モドキを小物入れに使っていて、
そういう歴史があるのですか~。私は茶道を習い、初釜にで初めて見ました。まずはぶりぶりという名前にびっくりしました!
表さんもお正月道具は同じなのですね。
>形だけ残っていても、時代とともに意味が分からなくなってしまう物
本当に、そういうものが多いですね。
なんでも何故?と考えていきたいと思います。まだまだたくさんありそうです (^O^)v
私の第一印象は、きらびやかなおみくじ、でした。
神社にありませんか?中に番号の書いた棒が入っていて振って出すおみくじ。
ぶりぶり、で”振り”をイメージしたのかも。
元は玩具だったんですね。
今はお正月の遊び、ほとんど見なくなりました。
凧揚げに羽根つき、かるたに福笑い…。
少し寂しいですね。
「十二月十五日より通り町のはんじょう、世に宝の市とは爰の事なるべし。常のクリもの棚は捨置て正月のけしき京羽子板玉ぶりぶり細工に金銀をちりばめ、はま弓一挺」云々。
京羽子板なども高級玩具ですね。お正月の遊びって最近見なくなりました。本当寂しいです。
わたしの考えていたのは一般庶民の玩具なのです。
すてきなものを見ると、すぐにこころ動かされてしまうのですが(笑)、とりかかり始めてしまったので、その次に上手物玩具柄を考えることにしました。
江戸玩具について、今日拙ブログにアップしたところです。牡丹と獅子についても書きました。よろしければ、お立ち寄り下さい。
日本の色名については、わたも勉強中です。やまとことばや美しい植物の名称が充てられていて、色名やその色を見ているだけでもうっとりします。
albireoさんご紹介の玩具尽くし千代紙にあるのが、オモチャとしての「ぶりぶり」の姿なのですね。「輪」はどこに付くのかしら? 遊んでいる所を見てみたいです。どこかで今もお正月遊びとして伝わっているといいのに。
上野の下町風俗資料館で、少し前時代の子供の玩具で実際に遊ぶことができるのですが、さすがにぶりぶりは無かったように思います。