口切茶事では、特別な茶道具がたくさん登場する。茶壷はもちろんだが、葉茶じょうご、茶臼、茶ふるい箱など。
葉茶じょうごは簡単に言えば茶壷の口を開け、茶を取り出し、茶壷の封をする為の道具。木製で六角形の形をしており、その箱の上に美濃紙一帖を二つ折りにしたものを乗せ、更にその上に封紙、竹の鞘に入れた小刀、印肉、印判、糊板、箆、その向こうに挽家二つ(左の挽家は蓋の上に朱色で詰と書いてあり、茶壷から取り出した薄茶を入れる、右は濃茶を入れる)を置く。
茶臼は茶壷に詰めた茶を挽いて抹茶にするために用いる石臼。臼は食物を粉砕するのに大変優れており、現在我々が購入している抹茶もモーターで回る石臼によって挽かれたもの。どんなに機械化が進んでも、石臼以上の粉砕道具はないのだそうだ。口切茶事では、取り出された茶葉が茶臼によって手回しで挽かれる。懐石を頂きながらのゴロゴロと茶を挽く音が何よりのご馳走となる。茶臼には挽手がついていてこれを反時計回りに回すことで挽くのだが、挽手は梅の木に竹の鞘がかぶさってできている。茶臼の主軸は松の木で出来ており、茶臼は松竹梅で出来ためでたい造りをしている。ご存知でしたか?
今回初めて茶臼を挽かせてもらいましたが、結構重たいものでした。挽かれて出てくるお茶は香り高く、水屋の人に勧められてちょっと舐めて見ると挽き立てのほろ苦いような甘いような香りが口の中に広がった。
茶が挽きあがると、茶ふるい箱に入れてふるい、木目を細かくする。これによって舌触りのいい滑らかな味になる。茶ふるい箱は箱のついた長方形の箱で、取っ手がついた篩いの上に挽きたての抹茶を入れて蓋を閉め、取っ手を前後にカタカタと動かして篩うと茶の底に篩われた抹茶が溜まるようになっている。このカタコトと篩われる音もまた口切茶事では何よりのご馳走となる。
今回は朝から庵主の方が濃茶葉を挽いていて下さり、濃茶は純粋に茶臼で挽いただけのものを頂くことができた。
初めてのひきたての濃茶は、普段頂く濃茶とは全く違い、ざらりとした舌触り、香りが高く、爽やかな味がした。おいしかった!!亭主がこのお茶を点て始めた時、席中にはこれまで嗅いだことがないほどいい香りが一面に広がった。八畳以上の広間なのに、である。今までもおいしい濃茶、高価な濃茶を頂いたことはあるが、格別な香りと味を堪能させて頂いた。
口切茶事の贅沢さ、特別さをつくづく感じた一日だった。一部亭主もつとめたせいか、10時半から4時まで、あっという間の5時間半。
茶事の最初に「一期一会を旨に精一杯つとめます」と挨拶した。今後また口切茶事に参加する機会に恵まれたとしても、この初めての口切茶事を一生忘れることはないだろうと思う。
先生は土曜日、月曜日と大勢の弟子の為に立て続けに2回口切茶事の機会を設けて下さった。出かけるのは大変なことなのに、茶を学び、教えることに全く妥協がなく、弟子に貴重な勉強をさせて下さる。御礼の手紙を書きながら、先生には無理をせず、少しでも長くご指導を頂きたいと祈った。
口切茶事については、以下の本をご参照ください。今回茶事の為に購入しとても為になりました。お勧めします。
口切茶事のこころみ 淡交社
なんとか11月中に口切茶事のことを書くことができました。明日からは12月。いよいよ今年最後の月です。
葉茶じょうごは簡単に言えば茶壷の口を開け、茶を取り出し、茶壷の封をする為の道具。木製で六角形の形をしており、その箱の上に美濃紙一帖を二つ折りにしたものを乗せ、更にその上に封紙、竹の鞘に入れた小刀、印肉、印判、糊板、箆、その向こうに挽家二つ(左の挽家は蓋の上に朱色で詰と書いてあり、茶壷から取り出した薄茶を入れる、右は濃茶を入れる)を置く。
茶臼は茶壷に詰めた茶を挽いて抹茶にするために用いる石臼。臼は食物を粉砕するのに大変優れており、現在我々が購入している抹茶もモーターで回る石臼によって挽かれたもの。どんなに機械化が進んでも、石臼以上の粉砕道具はないのだそうだ。口切茶事では、取り出された茶葉が茶臼によって手回しで挽かれる。懐石を頂きながらのゴロゴロと茶を挽く音が何よりのご馳走となる。茶臼には挽手がついていてこれを反時計回りに回すことで挽くのだが、挽手は梅の木に竹の鞘がかぶさってできている。茶臼の主軸は松の木で出来ており、茶臼は松竹梅で出来ためでたい造りをしている。ご存知でしたか?
今回初めて茶臼を挽かせてもらいましたが、結構重たいものでした。挽かれて出てくるお茶は香り高く、水屋の人に勧められてちょっと舐めて見ると挽き立てのほろ苦いような甘いような香りが口の中に広がった。
茶が挽きあがると、茶ふるい箱に入れてふるい、木目を細かくする。これによって舌触りのいい滑らかな味になる。茶ふるい箱は箱のついた長方形の箱で、取っ手がついた篩いの上に挽きたての抹茶を入れて蓋を閉め、取っ手を前後にカタカタと動かして篩うと茶の底に篩われた抹茶が溜まるようになっている。このカタコトと篩われる音もまた口切茶事では何よりのご馳走となる。
今回は朝から庵主の方が濃茶葉を挽いていて下さり、濃茶は純粋に茶臼で挽いただけのものを頂くことができた。
初めてのひきたての濃茶は、普段頂く濃茶とは全く違い、ざらりとした舌触り、香りが高く、爽やかな味がした。おいしかった!!亭主がこのお茶を点て始めた時、席中にはこれまで嗅いだことがないほどいい香りが一面に広がった。八畳以上の広間なのに、である。今までもおいしい濃茶、高価な濃茶を頂いたことはあるが、格別な香りと味を堪能させて頂いた。
口切茶事の贅沢さ、特別さをつくづく感じた一日だった。一部亭主もつとめたせいか、10時半から4時まで、あっという間の5時間半。
茶事の最初に「一期一会を旨に精一杯つとめます」と挨拶した。今後また口切茶事に参加する機会に恵まれたとしても、この初めての口切茶事を一生忘れることはないだろうと思う。
先生は土曜日、月曜日と大勢の弟子の為に立て続けに2回口切茶事の機会を設けて下さった。出かけるのは大変なことなのに、茶を学び、教えることに全く妥協がなく、弟子に貴重な勉強をさせて下さる。御礼の手紙を書きながら、先生には無理をせず、少しでも長くご指導を頂きたいと祈った。
口切茶事については、以下の本をご参照ください。今回茶事の為に購入しとても為になりました。お勧めします。
口切茶事のこころみ 淡交社
なんとか11月中に口切茶事のことを書くことができました。明日からは12月。いよいよ今年最後の月です。
松竹梅の茶臼!素敵ですね。
あ~画像で見てみたい。たまごさんお勧めの本には写真もけっこう載っているのですか?
図書館で探してみようかな…
挽きたてのお茶、美味しいでしょうね~~~♪
普段もいい香りがしますがその何倍なんだろう…。
部屋中がお茶の香り、まったりしますね。
私は一度友達が春に摘みたてのお茶を蒸して乾燥させただけのお茶っ葉を頂いた事がありますが、すごい香りで驚いたのを思い出しました。
とても、丹念に、お茶を大切に扱われて、準備なさったからこそのご褒美でしょうね。
みかんさんのおっしゃるように、私達が普段、経験する香りの何十倍でしょうか。
ああ~うらやましいです。
私のお稽古場では、口切の茶事はできませんが、今年も、炉開きに、先生のお手製の「おぜんざい」を頂きました。ささやかですが、毎年の行事です。
抹茶を引くのは、大変な作業ですよね。私も経験したことがあり、できあがる量の少なさには、驚きました。
大きな碾き臼だったので、いつもの抹茶でした。
私は、経験ないので、分からないので、教えていただきたいのですが、小刀は、花台で使うものと 同じでしょうか?
いまいち すんなりとは、切れないので。教えていただければ幸いです。
実際に臼で挽いた 挽き立て は経験がありません
亭主がこのお茶を点て始めた時、席中にはこれまで嗅いだことがないほどいい香りが一面に広がった。八畳以上の広間なのに、である。
さも ありなん 想像するのみです
いい経験 なさった
挽きたてのお茶って、格別なのですねー。
皆さんお書きになっておられますが、本当にいい経験をなさいましたね♪
私もとても勉強になりました「口切茶事のこころみ」はぜひ読んでみようとおもいます。
たまごさん、お疲れさまでした。それからありがとうございました(・ω・)ノ
素晴らしいですね。田舎におりますと何もかも一人で準備、用意、しなくてはならず思いばかりで遠い道のりです。
tamagoさんの先生にも脱帽 経験の豊富な素晴らしい方にお見受けしました。
>松竹梅の茶臼!素敵ですね。
>あ~画像で見てみたい。
私が書いた口切茶事のこころみの本を読めば全ての茶道具、茶事の順番や様子、様々な所作を見ることができますよ。読んでみて下さい。
>挽きたてのお茶、美味しいでしょうね~~~♪
本当に今までにないおいしさでした。
>私は一度友達が春に摘みたてのお茶を蒸して乾燥させただけのお茶っ葉を頂いた事がありますが、すごい香りで驚いたのを思い出しました。
それは貴重なお茶ですね!!お友達が摘んでくれたなんて特別。それにやっぱり出来たてはおいしいんだな~。
過分なお言葉頂き、ありがとうございます。
>みかんさんのおっしゃるように、私達が普段、経験する香りの何十倍でしょうか。
初めての挽き立てで普段の何十倍にも感じられたのかもしれません。実はそれほどいつもと変わっていなかったりして。
>私のお稽古場では、口切の茶事はできませんが、今年も、炉開きに、先生のお手製の「おぜんざい」を頂きました。ささやかですが、毎年の行事です。
幸せなことですね。毎年先生のおぜんざいを頂ける。
私も炉開きの日の先生のお汁粉が毎年楽しみで、その日のお稽古だけは(?)外せません!
来年も先生のお汁粉が頂けますように、そう祈っています。
>抹茶を引くのは、大変な作業ですよね。私も経験したことがあり、できあがる量の少なさには、驚きました。
本当に茶臼でひいてできる量って少ないですよね。到底懐石の間に挽き終わるものではない、と思いました。
>小刀は、花台で使うものと 同じでしょうか?
同じように思えたのですが、全く同じかと言われると自信がありません。。。。今度先生にうかがってみますね。
本当にいい経験をさせて頂きました。
挽き立てのお茶の香りと舌触りは忘れられません。
口切茶事、二度も!
私の二回目はいつだろう。。。。