先日の相伝稽古、人数が少なかった。通常お稽古では、2-3人で濃茶を頂く機会が多いのだが、この日ばかりはお客が一人。
相伝稽古 http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/d5602c1876315af5edc81ec0b6d99758
相伝稽古している方はご存知と思うが、“大円の草”というお点前は和物茶入と唐物茶入二種の茶入に仕込まれた二種の濃茶が点てられる。本来は二種の異なった抹茶を用意するが、そこはお稽古のこと、先生のご用意下さる抹茶一種で行っている。
濃茶では、連客分の抹茶をひとつの茶碗で点て、それを客で回しのみする。しかし、この日は客一人。当然、亭主は一人前の濃茶を2回続けて点てなくてはならない。濃茶の一人前というのは結構難しいが、亭主はおいしく点ててくれた。
ところが、である。同じ抹茶のはずなのに全く味が違う。これまでもお稽古で続けて2回濃茶を飲むことはあったものの、その日ほどその差をはっきり認識したことはなかった。
びっくりして、“同じ抹茶なのに二服とも味が違うものですね”と思わず言うと、
先生も、“そうよ。同じ方が点てたもの、同じ抹茶を使っていても、全く違うものなのよ。それに、偉い先生でもダマがある時もあるし、それほど慣れていない方でもおいしい日もあるし、色々ね。最初に少量のお湯でしっかりねると茶の風味が引き出されるけれど、最初にお湯を入れすぎると美味しくないことが多いわね。”とおっしゃる。
亭主もびっくりして“どんな風に違いますか?”
“どちらもおいしかったけれど、一服目の方がまろやかで、二服目のお茶は苦味がある抹茶って感じの味がした”と私。
そこで先生、“今までにお一人だけいたわ、いつもどんな抹茶を使っても同じまろやかでおいしいお味の濃茶を点てる方。今はもうおやめになったけれど。”
その方はとても優れた方だったに違いない。
よくおいしいお茶を点てられるようになる目安として薄茶3年、濃茶10年と聞くが、濃茶を練り始めて10年以上経つ私もよく点てられたなと思う時と、全くだめとがっかりする時とあり、安定した味を出すことはお恥ずかしながらできていない。もちろん、湯加減も違うし、抹茶の種類、湯の量など微妙なところで全く同じものは一度として点てられないだろうが、味にブレがないのは何より修練の結果なのだろうと思う。
お稽古場でもおいしい濃茶を点てる先輩がいらして、その方の客に当たると内心うれしくなる。一方で、濃茶を始めて間もない方の濃茶を飲む順番に当たると正直なところはずれだ~と思うこともある。それほど同じ抹茶でも誰がねるかによって味は違うものなのだ。私の濃茶も先輩からすればおいしくないだろうし、申し訳ないなと思いながら飲んで頂くわけで、そこはお互い様なのだが、人間やはりおいしいお菓子の後にはおいしいお茶を飲みたいと誰しも思うものである。お稽古なさっている方は誰しもそんな経験があるのでは?
お稽古で客が少ないと濃茶を立て続けに飲むことがある。さすがにこちらも気を使って、濃茶点前だけれど“薄茶にしますか”と聞く。人によって“そうね”と答える方もいれば、“いや、大丈夫、濃茶をねって”とおっしゃる方もいる。私自身も”薄茶にしますか”と聞かれることがあるが、最近は“濃茶で大丈夫”と答えることにしている。何故なら、その方の濃茶をねる折角の機会を奪ってしまうことになるから。これはいつ聞いても必ず“濃茶で”とおっしゃる先輩が稽古場にいらして、その方に学んだもの。多分、その先輩も濃茶(特においしくもない)は飲みたくだろうに、必ず、ねらせて下さり、飲んで下さる。その方は他のことでも大変尊敬していたのだが、それに気づいた時、感謝し、自分もそうしようと思ったのだ。濃茶は回数をこなし経験から抹茶や湯の量、ねり加減を学ぶもの、とにかくねって覚えるしかない。
自分のまずい濃茶を飲んでくださることを感謝しつつ、あまりおいしくはない濃茶も飲む。遠慮して薄茶でもと声をかける。相手の立場に立って考えること、人としての礼儀を茶道は様々な形で教えてくれる。先生はそれこそこれまでに色々な方の色々な味のお茶を飲んできたことだろう。点前だけでなく、一服の茶を頂くだけでも学ぶことが多い。
私が社中でおいしいと感じる濃茶は尊敬する先輩の、ほどよく空気が入ったふわっとクリーミーな濃茶(当然泡立ってはいないのだけれど)。その先輩の味を目指して日々試行錯誤を繰り返し、お稽古している。私の濃茶が飲みたい、お客になれて嬉しいと思って頂けるようにブレのないおいしい濃茶を点てるべく精進したい。
相伝稽古 http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/d5602c1876315af5edc81ec0b6d99758
相伝稽古している方はご存知と思うが、“大円の草”というお点前は和物茶入と唐物茶入二種の茶入に仕込まれた二種の濃茶が点てられる。本来は二種の異なった抹茶を用意するが、そこはお稽古のこと、先生のご用意下さる抹茶一種で行っている。
濃茶では、連客分の抹茶をひとつの茶碗で点て、それを客で回しのみする。しかし、この日は客一人。当然、亭主は一人前の濃茶を2回続けて点てなくてはならない。濃茶の一人前というのは結構難しいが、亭主はおいしく点ててくれた。
ところが、である。同じ抹茶のはずなのに全く味が違う。これまでもお稽古で続けて2回濃茶を飲むことはあったものの、その日ほどその差をはっきり認識したことはなかった。
びっくりして、“同じ抹茶なのに二服とも味が違うものですね”と思わず言うと、
先生も、“そうよ。同じ方が点てたもの、同じ抹茶を使っていても、全く違うものなのよ。それに、偉い先生でもダマがある時もあるし、それほど慣れていない方でもおいしい日もあるし、色々ね。最初に少量のお湯でしっかりねると茶の風味が引き出されるけれど、最初にお湯を入れすぎると美味しくないことが多いわね。”とおっしゃる。
亭主もびっくりして“どんな風に違いますか?”
“どちらもおいしかったけれど、一服目の方がまろやかで、二服目のお茶は苦味がある抹茶って感じの味がした”と私。
そこで先生、“今までにお一人だけいたわ、いつもどんな抹茶を使っても同じまろやかでおいしいお味の濃茶を点てる方。今はもうおやめになったけれど。”
その方はとても優れた方だったに違いない。
よくおいしいお茶を点てられるようになる目安として薄茶3年、濃茶10年と聞くが、濃茶を練り始めて10年以上経つ私もよく点てられたなと思う時と、全くだめとがっかりする時とあり、安定した味を出すことはお恥ずかしながらできていない。もちろん、湯加減も違うし、抹茶の種類、湯の量など微妙なところで全く同じものは一度として点てられないだろうが、味にブレがないのは何より修練の結果なのだろうと思う。
お稽古場でもおいしい濃茶を点てる先輩がいらして、その方の客に当たると内心うれしくなる。一方で、濃茶を始めて間もない方の濃茶を飲む順番に当たると正直なところはずれだ~と思うこともある。それほど同じ抹茶でも誰がねるかによって味は違うものなのだ。私の濃茶も先輩からすればおいしくないだろうし、申し訳ないなと思いながら飲んで頂くわけで、そこはお互い様なのだが、人間やはりおいしいお菓子の後にはおいしいお茶を飲みたいと誰しも思うものである。お稽古なさっている方は誰しもそんな経験があるのでは?
お稽古で客が少ないと濃茶を立て続けに飲むことがある。さすがにこちらも気を使って、濃茶点前だけれど“薄茶にしますか”と聞く。人によって“そうね”と答える方もいれば、“いや、大丈夫、濃茶をねって”とおっしゃる方もいる。私自身も”薄茶にしますか”と聞かれることがあるが、最近は“濃茶で大丈夫”と答えることにしている。何故なら、その方の濃茶をねる折角の機会を奪ってしまうことになるから。これはいつ聞いても必ず“濃茶で”とおっしゃる先輩が稽古場にいらして、その方に学んだもの。多分、その先輩も濃茶(特においしくもない)は飲みたくだろうに、必ず、ねらせて下さり、飲んで下さる。その方は他のことでも大変尊敬していたのだが、それに気づいた時、感謝し、自分もそうしようと思ったのだ。濃茶は回数をこなし経験から抹茶や湯の量、ねり加減を学ぶもの、とにかくねって覚えるしかない。
自分のまずい濃茶を飲んでくださることを感謝しつつ、あまりおいしくはない濃茶も飲む。遠慮して薄茶でもと声をかける。相手の立場に立って考えること、人としての礼儀を茶道は様々な形で教えてくれる。先生はそれこそこれまでに色々な方の色々な味のお茶を飲んできたことだろう。点前だけでなく、一服の茶を頂くだけでも学ぶことが多い。
私が社中でおいしいと感じる濃茶は尊敬する先輩の、ほどよく空気が入ったふわっとクリーミーな濃茶(当然泡立ってはいないのだけれど)。その先輩の味を目指して日々試行錯誤を繰り返し、お稽古している。私の濃茶が飲みたい、お客になれて嬉しいと思って頂けるようにブレのないおいしい濃茶を点てるべく精進したい。
ヨーロッパのホテルでは湯沸しポットが置かれていない場合が多いので、ペットボトルのお茶を沢山持参しています。今回も持参したのですが、難点は重いことです。今だとチェックも厳しいでしょう。
お茶を習っている人の中にもカフェインに弱い人がいて(私もちょっと弱いです)、あまりたくさん飲むと気分が悪くなったりすることがあるのであんまり無理はしないほうがいいです。
なかには、濃茶が大好きで何杯もゴクゴクと飲む猛者もいるそうですが・・・。
煎茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶に関わらず、お茶はおいしいですね~。私も濃いお茶が好きです。
そうですか、濃茶点前も薄茶で!先生に感謝しなくては。
わが社中は先生が濃いお茶がお好きなので、他よりも濃茶も濃い目だと思います。濃いのに慣れると薄い濃茶は物足りなくて、、、、、でも、いつもの癖でついうっかり続きお薄で濃く点ててしまうと大変です!
濃茶は大体お稽古で2-3服頂きますね~。おいしいです。
濃茶を練るのは本当に修行がいると思います。
確かに10年はやっていないとちゃんと出来ないかと思います。
お湯の量と練り方によって味が柔らかくなったり、きつかったりと。
先生などに練って頂くと、途中からフワ~を美味しい香りがしてきます。
私などはまだまだ未熟者です。
正月に5人分練ったのですが、難しいかったです。
早く美味しく練れるように精進したいです。
茶歌舞伎では、同じに練らなくてはいけない訳で、責任重大です。
花月などで、5人分を練るときは、お湯の量が、難しいです。お湯が少なすぎると、茶筅にからみついてしまうので。
東京や、花月での濃茶のほうが、京都より、薄めのようですね。
又、お客が一人の時のお濃茶は、茶碗についてしまう分を考え、抹茶を多めにしなければなりません。
練るのも、時間がかかりすぎては、香りが逃げていくし、やはりまだまだ修行が足りません。
点前をすてて一筋に、服の加減と息をもらさないようにして、たびたび点てなければいけないのですね。
本当に安定して濃茶をおいしく点てるのは難しいですね。
おいしく点つ時は、1回目にねっている時に抹茶のいい香りが上がってきます。
人数もその時によって違うし、回数重ねてお互いおいしい濃茶をたてられるよう頑張りましょう。
茶カブキ、花月、その時によって臨機応変に濃さを調節しながらというのもまた難しいですよね。
>東京や、花月での濃茶のほうが、京都より、薄めのようですね。
先生のお宅は濃い目だそうです。私は外で濃茶を頂く機会が少ないので比べようがないのですが。
>点前をすてて一筋に、服の加減と息をもらさないように
今のところ点前も必死、点てるのも必死です!
うちの社中で一緒にお稽古しているメキシコ人で、いつもおいしく、1人分のお濃茶を練られる方がやっぱりいらして、そのときにお客様をさせていただくとやはりうれしいです 笑。
練る時も、そして連客でいただくときも冷めないようにと常に心がけています。。
二人しかいない時は自分でも頂いてお味のチェック(?)
自分で練った濃茶の味をみるのもお勉強になりますね。
クリーミーでおいしい濃茶が目標!
お湯の温度・量・練り方・・・どれも最高の時に最高の濃茶がいただけるようです。