茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

破魔弓と羽子板の由来

2008-12-22 11:27:52 | 日本マメ知識
 もうすぐお正月。最近はお正月ならではの遊びや飾りというのも少なくなってきました。それでも、私たちの頃は、双六や羽子板、福笑など祖父母のところに行くとやっていた記憶があります。
 今日は初めてお正月を迎える子供たちに贈られてきたもの、男の子=破魔弓、女の子=羽子板についてご紹介しておきます。
 
 まずは、破魔弓・矢の飾り物について。
 弓には武勇を表し、さらに邪悪をはらい、目に見えない精霊を退散させる力があるものという意味と、人間には知ることの出来ない方向と距離を判定する占いの用具としての意味があります。
 神社などでは平安時代の頃から、魔除けの意味での破魔弓神事や、年占い神事が行われていました。源氏物語にも悪霊を避けるために弓を打ち鳴らしたりする場面がよくでてきます。確かにヒュンヒュンという音は潔く、穢れを払ってくれそうな雰囲気がありますね。
 「はま」とは弓矢で射る的、もしくは的射の競技を意味する語で、「はま」を射る矢を「はま矢(浜矢)」、弓を「はま弓(浜弓)」と呼び、のちに「破魔」の字をあて、魔を射る矢、弓と解されるようになったものだそうです。
 これらの神事が一般の人々の間に広まり、現在のように装飾品として飾られるようになったのは鎌倉時代からだといわれています。そのころから、特に城下町を中心に武家や町人の間に、男児の初正月の祝いに破魔弓を贈る習慣が生まれました。
 江戸時代に入ると破魔弓は、飾り物・贈り物として盛んとなり、正月の飾りの代名詞としての地位を確立しました。
 その気持ちが変わらず受け継がれ、男児の初正月に、雄雄しく、力強く、健やかに育てとの願いをこめて破魔弓・矢は飾られるものだそうですが、近年は、神社でお参りした際に頂く破魔矢の方がメジャーですね。一年の好運を射止める縁起物として初詣で授与されるようになったのが始まりです。
 日本ならではの男の子の飾り物といえば、今は端午の節句に飾られる鎧兜をまず思い浮かべますが、お正月になるとこの破魔弓・矢のお飾りも売り出されているのを見かけます。

 さて、女の子の初正月の飾り物である羽子板について。
 羽根突きの羽根の飛ぶ様がトンボに似ていることから、蚊が病気を仲介することを認識していた昔の人々は、羽根をトンボに見立てました。そのことから蚊はトンボを恐れ、ひいては子供が蚊に刺されないという厄除けのまじないとして、正月に羽根突きを行っていたそうです。
 また羽根突きの玉には、板で突いた時の音がよいということから「ムクロジ」という木の、黒くて固い種子が用いられています。「ムクロジ」という木の、黒くて固い種子が用いられています。「ムクロジ」は「無患子」と書き、「子供が患わ無い」ようにとの意味が含まれています。
 江戸時代に羽根突きの板に、現在の原型ともいえる歌舞伎役者の舞台姿を押し絵で仕上げて取り付けた飾り羽子板が登場し、人気は高まり、急速に普及していきました。
 昭和期に入ると美人画が多く描かれるようになり、衣装もあでやかに、華やかになっていきました。また、ケース入りの羽子板が登場し、女児の初正月の飾り物として広く用いられるようになりました。
 こうして羽子板は正月の羽根突きの遊び道具、贈り物、飾り物という用途に加えて、女児の初正月を祝い、邪気をはねのけ美しく無事成長することを願うための大切な飾りとなっていったと言われています。

 その昔、私の初正月に贈られた立派な羽子板が我が家にもあったそうですが、友達と遊んでいるうちに見事に分解させてしまったとか。既に存在しません。なんともったいないことをしてしまったのでしょう。我ながらですが、子供のやることは本当にわからないもの、美や価値を理解するのはだいぶ先のお話のようで。
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2 コメント

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おぉ、 (ぶり)
2008-12-22 21:57:11
私だけだはなかった。羽子板の飾りを分解しちゃったのは! ただの板になったら、使い易かったこと覚えています。
そろそろ、どちらか分かる頃ではありませんか。楽しみですね♪
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おお (m-tamago)
2008-12-25 18:22:44
ぶりさん、こんばんは。
そうでしたか、ぶりさんもでしたか。私は板を使った覚えもなく~。
これから子供の行事を楽しみたいと思います♪
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