４月１日生まれ

　ばらしますと、私の誕生日は４月１日です。
　日本では、４月２日生まれから、翌年の４月１日生まれの子が一括りに同じ学年になります。小さい頃は、この数ヶ月の差が学力的・体力的・精神的にも大きな差となって表れます。４月２日生まれと４月１日生まれでは1年違うわけですから当然発育が全然違います。例えば洋服を着たり、給食を食べる、トイレに行くという一動作とっても学年で一番ちびっ子の私は時間がかかり、生まれ月の差は歴然としていました。今思えば、小学４年生になってあまり差がなくなったように思いますが、やはり身体は小さい方で、前へ習えをする時は手は腰、早く皆みたいに手を前に伸ばしたくて仕方がありませんでした。念願かなって高学年になってやったら手が疲れたので、一番前もよかったなと思いましたが。とかく隣の芝生は青いもの。

　さて、キリのいい３月３１日が学年の切れ目ではないのかと疑問に思ったことがありませんか。
　民法143条「年齢計算に関する法律」で、「満年齢は出生日から起算して翌年出生日の前日をもって1年が満了する」とあります。つまり4月1日生まれは3月31日をもって満1歳になることになります。
　また、学校教育法第２２条で「満6才に達した日の翌日以降における最初の学年の初め（4月1日）から小学校の就学が始まり、満１２歳に達した日の属する学年の終わりまで就学」、学校教育法施行規則第４４条で「小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終る」と決められています。
　だから、４月１日生まれの子は３月３１日に満6歳になり、その翌日から小学校１年生になる。４月２日生まれだと、翌年の４月１日で満６才になるので、翌年の４月１日に入学となる、という法律的な理由があり、一学年が４月２日生まれから翌年４月１日生まれで構成されることになるのです。

　ところで、１学年で４月２日～１２月３１日生の人を“遅生まれ”、翌年１月１日～４月１日生の人を“早生まれ”といいますよね。前者の方が早く生まれているのに、遅生まれ？と思いませんでしたか。
　これは昔の言い方が変化したものだそうです。その昔、前者は数えで８歳の年に小学生、後者は数えで７歳の年に小学生となることを、それぞれ“８つあがり”、“７つあがり”と呼んでいたそうです。また、８つにならないと小学生になれない“遅あがり”、７つなのに小学生になれる“早あがり”とも呼んだそうで、その“あがり”の部分が“生まれ”と摩り替わって今のような“遅生まれ”、“早生まれ”という呼び方になり、実際の年齢とは逆転の現象が生じたのです。
　そんなわけで学年で一番遅く生まれた私は“早生まれ”（＝確かに一番の早あがり）。

　私は予定日を過ぎても生まれる様子がなく、２度の陣痛促進剤をかけてやっと生まれてきたそうです。しかも４月１日の夜、ぎりぎりのところです。お母さんごめんなさい！そして、生まれた瞬間、鼻が高いお子さんですよ、加熟児ですね、と言われたそうです。そんな言葉あるのかと思いますが、未熟の反対で十分育っていたってこと、よほどおなかの中の居心地がよかったのでしょう。
　名前を役所に届けるには２週間ほどの猶予があるので、誕生日を変えることもある意味可能らしいですが、私を取り上げたお医者様はしっかり４月１日生まれと記載しました。数時間違ったら私の人生も違ったのかも、とよく思いました。なんてったって学年が違うのは大きいでしょうから。でも、お蔭様でいい方たちに囲まれ今に至り、今の人生に満足しています。皆様に出会えたのも４月１日生まれのお蔭でしょうしね。それに、小さい頃は大変でしたが、今となっては学年で一番最後に年をとるわけで、女性の私にはちょっとお得な気分です♪　お母さんありがとう。

　写真は大学の友人二人から頂いたバラの花束とルクルーゼのハート型ココット。誕生日の前の週に食事の約束していましたが、思いがけないことで感動しました。いつもありがとう。これからも末永くよろしくね。