裏千家ではお正月には鏡餅荘と同様に、蓬莱山荘が床の間に飾られる。
これは裏千家十一代玄々斎が作られたもの。私の先生は家元と同じものを見せたいとおっしゃって毎年飾って下さる。(今年は喪中でありませんでしたが)初めて目にした時はあまりに豪華で立派でびっくりした。写真を載せられないのが残念ですが、多分裏千家関係の本を読めば何処かに載っているのではないかと思います。作り方を説明しながら、具体的に何を飾っているかを以下にご説明します。おせち料理もおめでたい謂れのものばかりですが、この飾りもおめでたいものばかり、陰陽五行の教えもたっぷり含まれています。
①大三宝(台)の四方に奉書を垂らすように敷く。
②奉書の上を海に見立てて洗米九合(9は陽の最高数)を四角く敷く。
③裏白(うらじろ)の葉を四隅に置く。裏の白は陰、表は陽を表す。
④譲葉(ゆずりは)を前後に置く。新しい芽が付くまで木に留まって次世代に譲る意味。
⑤奉書の中央に長胴炭二本を並べて置き、その上に輪胴炭を乗せる。(3は陽の数字。太陽、月、星の三光を表している。)
⑥長昆布を酢で拭いて柔らかくして広げ、輪胴炭の上に横に乗せて垂らす。おせち同様、よろこぶの意味。
⑦昆布の上に鮑熨斗(あわびのし)を左に結び目が来るようにして垂らして乗せる。鮑は古代から朝廷に献上された。貝や甲羅のある甲殻類は陽とされ、叩いてのして畳に敷き、新婚の蒲団で押さえて乾かして作る。その為畳の目跡がついている。
⑧輪胴炭に神馬藻(じんばそう、海草のほんだわらを藁にまきつけたもの)二本を前に垂らすようにして置く。
⑨輪胴炭の前に伊勢海老を炭にもたせかけるように頭を上にして立てる。伊勢海老は男性で陽、腰の曲がるまで長生きする様にとの意味をこめて。
⑩伊勢海老の真反対の後ろに、頭を左にして孕み鯛を置く。鯛は女性で陰、子孫繁栄を願って。
⑪串柿(長い串に刺した柿)十個を左右に二個ずつと真中に六個になるようにして(2・3・3・2と並び、陰陽陽陰の配列)、真中の二個が炭の上に乗るように置く。柿の配列は夫婦(2・2)仲睦まじく(6)の意味で、家庭円満を表す。
⑫柿の上に葉付きの橙を置く。代々子孫繁栄の意味。
⑬大三宝の四隅に土器(かわらけ)を置き、後ろ右に勝栗、前右に結び昆布、前左に小梅、後ろ左に田作を飾る。
⑭水引を結んだ袋に入った両細箸を海老の前に置く。
以上、イメージ湧いたでしょうか?
お正月の床の間には蓬莱山荘以外に掛物、結び柳が飾られます。結び柳については以前ご紹介しましたので、そちらをご参照下さい。
茶道トリビアその1
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/cacac15d77210ff9901911ce3ba1830a
これは裏千家十一代玄々斎が作られたもの。私の先生は家元と同じものを見せたいとおっしゃって毎年飾って下さる。(今年は喪中でありませんでしたが)初めて目にした時はあまりに豪華で立派でびっくりした。写真を載せられないのが残念ですが、多分裏千家関係の本を読めば何処かに載っているのではないかと思います。作り方を説明しながら、具体的に何を飾っているかを以下にご説明します。おせち料理もおめでたい謂れのものばかりですが、この飾りもおめでたいものばかり、陰陽五行の教えもたっぷり含まれています。
①大三宝(台)の四方に奉書を垂らすように敷く。
②奉書の上を海に見立てて洗米九合(9は陽の最高数)を四角く敷く。
③裏白(うらじろ)の葉を四隅に置く。裏の白は陰、表は陽を表す。
④譲葉(ゆずりは)を前後に置く。新しい芽が付くまで木に留まって次世代に譲る意味。
⑤奉書の中央に長胴炭二本を並べて置き、その上に輪胴炭を乗せる。(3は陽の数字。太陽、月、星の三光を表している。)
⑥長昆布を酢で拭いて柔らかくして広げ、輪胴炭の上に横に乗せて垂らす。おせち同様、よろこぶの意味。
⑦昆布の上に鮑熨斗(あわびのし)を左に結び目が来るようにして垂らして乗せる。鮑は古代から朝廷に献上された。貝や甲羅のある甲殻類は陽とされ、叩いてのして畳に敷き、新婚の蒲団で押さえて乾かして作る。その為畳の目跡がついている。
⑧輪胴炭に神馬藻(じんばそう、海草のほんだわらを藁にまきつけたもの)二本を前に垂らすようにして置く。
⑨輪胴炭の前に伊勢海老を炭にもたせかけるように頭を上にして立てる。伊勢海老は男性で陽、腰の曲がるまで長生きする様にとの意味をこめて。
⑩伊勢海老の真反対の後ろに、頭を左にして孕み鯛を置く。鯛は女性で陰、子孫繁栄を願って。
⑪串柿(長い串に刺した柿)十個を左右に二個ずつと真中に六個になるようにして(2・3・3・2と並び、陰陽陽陰の配列)、真中の二個が炭の上に乗るように置く。柿の配列は夫婦(2・2)仲睦まじく(6)の意味で、家庭円満を表す。
⑫柿の上に葉付きの橙を置く。代々子孫繁栄の意味。
⑬大三宝の四隅に土器(かわらけ)を置き、後ろ右に勝栗、前右に結び昆布、前左に小梅、後ろ左に田作を飾る。
⑭水引を結んだ袋に入った両細箸を海老の前に置く。
以上、イメージ湧いたでしょうか?
お正月の床の間には蓬莱山荘以外に掛物、結び柳が飾られます。結び柳については以前ご紹介しましたので、そちらをご参照下さい。
茶道トリビアその1
http://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/cacac15d77210ff9901911ce3ba1830a
蓬莱山荘の飾りを、裏千家のHPで拝見しました。伊勢海老が赤々と立派ですねー。すごいわ。結び柳と鏡餅荘(たぶん)もわかりました。
結び柳はうちの流派でも飾ります。でもなかなか手に入りにくいですよね。
m-tamagoさんの先生はそれをやってくださるのですね。素晴らしいなぁ。
よい先生に巡り会われてお幸せですね。
裏千家hpで探してみました。ちょっと小さいですが、左側に飾ってあるのが蓬莱山荘です。
http://www.urasenke.or.jp/textm/headq/soke/koyomi/hatuh15t/hatuh15t-01.html
結び柳は流派共通なんでしょうかね。
先生は、宗家にあるものを見せたり、宗家で経験したことなど話したりして下さるので、本当に勉強になります。
感心します
支部の初釜で します
譲り葉がないので その部分は削除です
また橙がなかなか 手に入らないため 夏蜜柑で代用してます また 鯛も当地では難しいので めんめです あともめるのが 土器の置き方 昨年は がんばられて 手前が海 向こうが山の物になってました 宗家の写真では なかなかそこまで 分らないのです 今回先生に しっかり 見てきて下さいと頼んでありますが 大勢さんの中で ですから どこまで見てくることが出来るか気がかりです (ワラ
東京道場の初釜が19日 ここから出向くには前後泊しなければなりません また22日が支部の初釜で 濃茶席の 床に 蓬莱荘がされます 担当なので いつも鮑熨斗の藁の部分をどちらにするか分らずにいました 為になりました ありがとうございます
今年は我が家も喪中なのでしませんでしたが 毎年 結び柳と蓬莱荘はしているのです
茶道学会は 輪を 奇数作って飾ります
洗米 9合なんですね
いっしょうだいだい ふうふ にこにこ仲むつまじく で洗い米 1升 と聞いていました
茶の花コミュに 七五三 の七 が洗い米 というのもありました まぁそれぞれおめでたい数字ということでしょうね 以前お家元が若宗匠の時 ご成婚成されて 宗家に御二組ご夫婦があるということで 柳の輪を 二つ作った事がありました たまごさんのところではしませんでしたか?
裏白のことですが 陰陽は知りませんでした
うらが白い 腹黒くないという意味で聞いていました 今年は裏白ゲットするのに苦労しました 最近は 模造品です この間道庁に飾られたお供え写真やTVで放送されましたが やはりビニル製品でした お花屋さんも裏白は干せると丸まってしまい管理が難しいのと昔のように需要が無いため 早めに予約しておかないと手に入らなくなってしまいました
しかもお荘り は年前に準備するモノなので 年明けてからの初釜で手には入らず 自分で保管するしかなくなってます しかし 縁起物 ビニルではちょっとねぇ
支部の初釜でなさるのですね。すばらしい。いいお勉強になりますね。私は見たことはあっても自分で組み立てたことはないので。。。
なかなかこれだけの材料を揃えるのは大変なことですよね。先生には本当に感謝です。
鯛の代わりに使われるめんめ、とはなんですか?魚の種類?
茶道では陰陽五行や奇数など中国から伝わった思想がそこここにみられますね。
私は家元がご結婚なさった時を知らないので、結び柳の輪が2つのことがあったとは知りませんでした。
東京道場や支部での初釜の様子、終わったら是非教えて下さい。
ご紹介した蓬莱山荘は以前社中のどなたかが研究会か何かのお勉強で書いてきてくださったものを参考にして書きました。少々書いていいのか迷いました。参考までにお願いします。
キンメ鯛 といえばご存じかも 鯛に似た深海魚
脂がのっていて煮付けにおいしい魚です
とはいえ 自分は煮付魚 パスですが
ありがとうございました。
m-tamagoさんは、以前の記事でも、茶道に陰陽五行説が取り入れられていることを紹介されていましたが、今回の記事も大変興味深く読ませて頂きました。
吉野裕子さんという学者さん、聞いたことがありませんがその方の本、読んでみたいです。宜しければ本の名前など教えて下さい。
本当に茶道の勉強を始めたら中国から伝わった陰陽五行の教えがあらゆるところに現れるので、あ、また、ここにも!と驚くことばかりです。日本ってつくづく自然に根ざした文化なのだなあと感じます。