茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

心を通わすお茶 釜の音

2020-04-30 22:29:27 | 茶道マメ知識
 2月から3月にかけて全8回で教育テレビで放映された
 趣味どきっ! 茶の湯裏千家 心を通わすお茶
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/31952d0c80d2adb672945ea4d9561f5f

 書き留めておきたいと思った回についてのご紹介。

 今日は、第七回「炭の魅力を知る」

①釜の音
②菊炭
③炭手前


このうちの①釜の音について


茶を点てるには、まず湯を沸かさねばならない。

そのためには炭をつぎ、釜をかけ、湯を沸かす。

炭はそれぞれが近すぎても遠すぎてもお互いに火がうつりにくい。

湯は熱すぎてもぬる過ぎても、美味しい抹茶を点てることができない。

ちょうどよい湯加減を音で判断することが大事。


このことは、以前、「釜の”鳴り”と湯」という記事で少し書いているのでご参考まで。
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/3b7c8bb9add496067b4d4e475a8e60a2

番組の中では、

釜の湯の煮え音を表す言葉を紹介

湯の煮え加減を表す音があり、それを聞かせてくれた。確かに違う。

魚眼(ぎょがん)  
 湯が沸く前に魚の眼のような小さい泡が連続するときの音。

蚯音(きゅうおん) 
 湯が沸き始めた音を蚯蚓(ミミズ)が鳴く声に例えた

松風(まつかぜ)  
 最適な温度になれば松林に風が抜けるような音がする



確か煮え音を表す言葉はもう少しあったような気もしますが、今回はこの3つが紹介されていました。
煮え音に耳を澄ますと癒されます。

特に松風は、本当に松の林を風が通り抜けるようで、その風景も想像してリラックスできます。

蚯音というのが面白いですよね。
ミミズは鳴くのか?と思って調べてみたら、蚯蚓鳴く=秋の夜や雨の日、「ジジーッ」と聞こえるのをミミズが鳴いているとしたもの。
一般にミミズには発声器官は存在せず、音を出すことはないそう。
秋の季語で俳句に使われるということを初めて知りました。
祖父の俳句集の中にはなかったような気がしますが。

点前が始まり、ちょうど松風が聞かれる頃に茶筅をふれるようなタイミングで釜をかける、これはなかなか難しいことです。
何度も実践して聞いて、聞き分けることができる、ある種職人技のようなものなのでしょう。

釜がなくてもやかんでもある程度疑似体験できるので、湯が煮える音がどう変わっていくか、おうち時間を使ってやってみるのもいいかもしれません。


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2 コメント

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五感を・・・ (春旦)
2020-05-01 10:08:59
茶道の勉強を少しでもすると、釜鳴りは冬場は重厚な音で温かみを、春先は釣り釜のように軽い音で春を感じる音にと学ぶ
茶道は音や香り重要ですね。日本は夏向きですから、建物構造も夏涼しくが基本で工夫がたくさんされている
ましてや茶室内で露地の打ち水の音で涼を・・・蹲に足す水音での清涼感、炭点前の香のかおりで客は何を感じましょう!・・・日本人は五感をうまく使いこなしている。
私の好きなYou Tubeの「世界のフシギ探検ch」で世界で虫の音を日本人とポリネシア人だけが声として聴こえるそうです。
外国の方は雑音として処理して虫の声が聴こえないらしい。
日本人で良かったと思った瞬間でした・・・笑
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五感 (m-tamago)
2020-05-01 17:51:11
春旦さんのおっしゃる通り、茶道では音や香りで感じることも多いですね。そういう日本人の感性に感動します。だから茶道をやめられない。

虫の音、ポリネシア人も声として聴いているのですか!?
日本人だけかと思っていましたが、なんだか嬉しい。ということは、虫の音を声と感じるのは、四季があるからではないってことですね。
ポリネシアの人たちも自然と近く、虫をいとおしんだり、仲間のように思って生きてきたのかしら?興味深い~。
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