今回の炉も最後の月を迎えました。
いつも思いますが、半年過ぎるのが早いこと。
3月の終わりと4月の初めに、外出ついでに高島屋美術画廊をそぞろ歩きしてきました。
画廊でどんな企画をしているのか、チェックしていくことはほとんどありません。
ちょうど用事があったからついでに立ち寄るわりに、偶然のいい出会いが沢山あって、それが新鮮な感動に繋がったりしています。
今回も楽しい出会いがあって、興奮しすぎ、同行していた娘に呆れられたのですが、それはまたご紹介するとして、今日はいつもの茶道具売り場。
3月終わり、ちょうど関東では桜が満開でした。
お道具も桜にちなんだものが沢山あり、見慣れた感はあるものの、やはり桜には心惹かれ、見入ってしまいます。
花筏の香合。
花筏という銘は菓子にも使われたり、この時期茶席ではよく聞く銘ですが、その由来をご存知でしょうか。
私は由来を聞いて以来、あまり好きとは思えない銘になりました。
花筏
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/a0c1a9674713d810bd366260d2ee84cd
桜樺張の枝垂桜蒔絵 雪吹
なんとも風情があります。
黒の地に満開の桜が華やかなお茶碗、その横には花吹雪という銘の茶杓。
まさに満開の桜の中にいるような気持ちに。
蝶舞う茶碗。
蝶もまた桜と同様儚さを表わすものでもあり。。。。
思えば春は明るい生を感じる季節である一方、儚さや死も感じる季節でもある。生と死は表裏一体といったところでしょうか。
この時期、桜以外に大好きな木の中に柳があります。
柳というと夏のイメージですが、私は春の新芽が一気に吹いた時の柳が大好き。
小さな黄緑の葉がついた枝が風に揺れるとなんとも優しい気持ちになって。。。。
この棗を見つけた時はなんだか無性に嬉しくなって。
芽張柳 大棗 惺斎好み
惺斎は表千家12世だそう。
まさに今の柳は芽張という名前がぴったり!と拍手してしまいました。
今年出会った春の柳がコチラ↓ 美しくないですか?
桜の先の季節を感じさせるお道具もいくつか。
杜若、烏帽子、薫風
小林太玄老師の力強い書も見ごたえがありました。
一方、涼やかな優しいお軸も。
季節は確実に過ぎていく。
少し焦りを感じながらも、季節を味わって、幸せな気持ちで帰路につきました。