茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

北陸紀行 金銀箔

2006-11-04 22:19:01 | 旅先にて
 北陸には、陶芸、蒔絵、漆器、金箔など様々な伝統が息づいている。その美しさの裏には手間のかかる工程がいくつもあることを知る。

 加賀の金箔は有名。金銀箔工芸さくだを訪ねた。こちらでは金箔貼り体験もできる。
金銀箔が金沢で作られるようになったのは前田利家が朝鮮の役陣中から国元に金銀箔製造を命じる書を出したことに始まるといいます。江戸時代になると金銀は江戸に掌握され、統制が行われたものの、金沢では密かに続けられ、今に至っている。箔の製造には適度な湿度と良質な水が必要とか。

 金箔の作り方をご紹介します。(さくだのパンフレットから)
①金箔は定型の金合金をロール圧縮で延ばし、圧延された延金を6センチ角に裁断する。
②6センチ角のものを澄打ち紙に1枚ずつ挟んで、更に袋革で包んで打ち延ばしていく。
③澄打ち紙は徐々に大きな紙に移し変えて約20センチ角、厚さ1000分の1まで打ち延ばす。
④延ばされた金箔を切り分けて箔打紙に挟んで1800枚を1パックにして袋革に包んで箔打機で3分間打って15分熱を冷ます作業を数十回繰り返して厚さ100000分の1-2ミリにまで打ち延ばす。
⑤打ちあがり箔を革板の上で竹枠で規格サイズに1枚1枚裁断する。
⑥裁断した箔を間紙に一枚ずつ挟み、百枚ごと糸でからげて金箔の出来上がり。

 どんどん薄くなっていく金箔を都度新しい紙に移して更に打ち上げていく。職人さんはさりげなくなさっていましたが、とても技術と根気のいる作業だと思いました。薄い金箔を新しい紙の上に移動させる時、静電気が発生すると大変なことになる。だから、北陸の湿気を帯びた気候は最適で、更に竹でできた道具を使うのですとおっしゃっていました。

 女性の間で人気の油とり紙は金箔を打つ度に金箔と一緒に薄く薄く延ばされた和紙。元の和紙を見てびっくりしました。何度も打つ事で金箔同様あんなにも薄いものになるのだ。
 またこちらの化粧室は純金箔・プラチナ箔張りになっている。三千万円の化粧室だそう!折角なので私も使用。
 作業場には島台茶碗が置かれていた。職人さんに聞くと、初釜の前に持ち込んで金銀箔を張り替える方が多いですねと。下世話な話だがどれ位の経費なんだろう??
 
 写真はさくだに飾られていた水指。黒い漆器の上に金箔が散りばめられ、塗蓋が波打つ口にぴったりと合うように作られていた。モダンで美しい水指で目をひきました。
 
 金銀は昔も今も人の心を捉えて離さないようです。いつも時間どおりに出発していた我々ツアーの滞在時間のやけに長かったこと。頭のピカピカのおじぎ福助にもここで出会いました。まさに繁盛してますね?
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2 コメント

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プラチナ箔 (m-tamago)
2006-11-05 18:42:28
ukiki01ちゃん、確かにプラチナ箔、アルミ箔、我々の周囲には延ばされた金属がたくさんあるんだねー。
銀箔はお手入れしないと黒くなるのかしら?プラチナ箔なら永遠?
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プラチナ箔 (ukiki01)
2006-11-05 01:28:44
金箔銀箔はわりあいなじみのある言葉でしたが、
プラチナ箔とは初耳。
ほかにもあるかな?と考えてみたら、そうか、アルミ箔もでしたね。
返信する

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