茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

茶道具 ‐花入‐

2005-08-12 22:33:11 | 茶道具
 床の間を飾る花と花入。花入の形は様々で、砧、鶴首、下蕪、中蕪、経筒、桃底、角木、杵、四方、旅枕、耳付、瓢、蹲、瓢箪、舟、月、曽呂利など。

 花入は床の間に飾る際、薄板をひいてその上に置く。花入・薄板にも真・行・草と三種類、それぞれにお約束がある。
①真 材質:古銅・青磁・染付・祥瑞・赤絵
    形 :置花入・立ち上がり形
    薄板:真塗の矢筈板(やはずいた、矢筈の切り口が長い方が表、つまり上)
②行 材質:釉薬のかかった焼物(瀬戸・楽・仁清・志野など)
    形 :真に準じて立ち上がり形
    薄板:真塗の蛤端(はまぐりば)、松の溜塗、黒の掻合わせ塗
③草 材質:釉薬のかからない素焼(伊賀・備前・信楽など)、竹、かご
    形 :種々。舟の花入(釣花入)は材質によらず草
    薄板:かごを除いて薄板は木地や焼杉板の蛤端。
       かごには畳床でも薄板用いず、また風炉の季節のみ使用。
 竹の花入は草だが、千利休によって作られ、茶道の花入の代表。形も尺八、銭筒、寸銅、神酒筒、一重切、二重切、三重切、置筒など様々。

 花の生け方にも真行草があるが、特に本数は決まっていない。
真は直線的にまっすぐ生けたもの、行は横に流れた形(投げ入れのような)、草はつる類やたれさがった姿のもの。約束事はあるが、心をこめて、自然に生けることが大切。花は野にあるように・・・・と千利休が言われたように。

 花入を置く位置は、真は床の真中、行は掛物に向かって右、草は掛物に向かって左。
床の間の壁の中央には中釘というものが仕込まれている。中釘や床柱に打たれた花釘(床框から102センチの高さ)に花入をかけた場合は、花も花入も行か草のものを使用。
 茶事の場合は、初座で床に掛物をかけ、中立の後の後座では掛物を外して中釘を出し、花入をかけて花の美しさを見せ、席中の趣を変える。
  
 先生のお宅では炉の季節には椿が、風炉の季節には槿がよく生けられています。一言に椿、槿といっても種類が色々あり、よくみると確かに違う。お稽古の始めに床の間を拝見するが、掛物と共に凛と咲く花を見ると清々しくなる。茶花は花屋さんであまり見られない花なので名前がなかなか覚えられない。鯛釣草、桔梗、撫子、蛍袋、竜胆などなど。
 先生はお稽古の朝、花を生け、露地に水を打ち、私達を待っていて下さいます。私もがんばらなくては。
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茶花 (原田 宗桂)
2007-11-30 20:19:34
茶花の始まりは、村田珠光が、立花一瓶を床に生けたことに始まり、千利休の推し進めた草庵の茶席では池坊で言う「生花(しょうか)」を生けることになるそのために、生ける花は一種または二種と「南方録」に記述されている。「生花」は自由に生けるのではなく、真、副(そえ)、体で表現され、体は客位に向くことによって、意味があります。生けるときも、作為なく無く、自然の出生を一瓶の中で表現すべきと利休は「・・・野に咲く花のごとく・・・」で言い伝えていることを、伝える茶人が、軽薄にも「・・・生けるときは自然に、自由に生ける・・・」伝承してしまっています。いけばなの「立花」、「生花(しょうか)」を本意を知らずして茶花は生けられるものではありません。そうでなければ子供で誰でも適当に生けれる茶花となり、本来の客を迎える亭主の心が伝わりません。現在の茶花は大部分が意味の薄いファッション的な自由花です。亭主は客を迎える以上、亭主の心をこめるのは当然、いけばなの本意も花にも託すべきです。茶花はそれだけに難しいものです。省略の最高の花が、椿一輪ですが、茶の世界では小間では一花三葉、広間では一花五葉と通例になっているようですが、本来は、池坊の伝書にもあるように、省略の極致は、「一花三葉半」で、役枝は省略されても、必ずその位置には何らかの「座」が表現されているのです。
茶花も歴史的に考証して考えてほしいものです。
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茶花 (m-tamago)
2007-12-03 12:00:16
原田様、こんにちは。
茶花の意味、歴史につき、ご教示頂きありがとうございます。
茶花の世界は深いと思っています。私はまだその世界を見て感じるだけ、本や話から理論を知るに留まっています。いけばなも習うことも大切だし、実際自分で花を育て、日々その姿を見、自分で生け、学び、相手やその日の席のことを思って生けた時、最高の花が生けられるようになるものなのだろうと思いますが、そこまで行くのはいつのことなのか、、、
できるところから精進します。
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