はじめてのお点前コースStep.1での私にとっても初めての生徒さんお二人。
しっかり身につけたいとのことで、全三回を毎週通うことに。
2月21日(月)・28日(月)・3月7日(月)の3回の日程でお稽古が行われました。
初回は、襖の開け閉め、畳での所作(座り方・立ち方・歩き方・お辞儀の仕方)、水屋での準備、帛紗捌き、割稽古と盛りだくさんでした。
座学は、盆略点前の話、帛紗について、”清める”ことについて、2月の和名の話。
二回目は、水屋での準備、割稽古の復習、流れを一緒にやった後、一人ずつお点前。
座学は、盆略点前で使用するお道具について、上巳の節句の由来、和菓子(引千切)の話。
最終回は、水屋での準備、分からない部分の復習、一人ずつお点前をし、互いに客も経験。
座学は、Step.2までの間の復習用に盆略点前の流れ、帛紗捌きのプリント、そして、”自宅で薄茶を楽しもう!”のプリント。3月の和名のお話。
家にあるものを道具に見立てて楽しむ方法をお話しました。
盆略点前を最初に学ぶ目的は二つあります。
①柄杓を使った茶道の点前を学ぶ前の準備
②どこでも気軽に薄茶を楽しむため。
全三回、熱心に学んでくれたおかげで、盆略点前の流れができました。
Step.1を終わったところで、まずは自宅のテーブルで、家にあるものを使って、楽しく薄茶を楽しんでほしいです。折角できたお点前の順番を完全に忘れてしまわないためにも。
そして、続けることで見えてくる茶道の楽しさ・奥深さを味わうために、コンスタントにお稽古することをお勧めしました。
Step.2では1で学んだ所作を美しくするポイントをお伝えしながら、盆略点前をよりスムーズにできるようにします。お友達にもお点前を自信を持って披露できるようになると思います。
<お二人の感想>
〇 はじめてのお点前コースStep.1で一番印象に残った内容は?
「すべての動きに一つ一つ決まりがあり、覚えることが多いのにびっくりしました。自分で点てたお茶を飲めて嬉しかった。一つ一つの動作をていねいにやることやこの空間にいることで心が落ち着くのを味わえてよかったです。」
「帛紗等のさばき全体と一連を覚えるだけではない奥深さ」
〇 座学やプリントについてどう思いましたか?
「落ち着いておさらいが出来ました。とても良かったです。」
「その季節のこと、知らなかったことが学べて良かったです。プリントがあることで家で忘れてしまったことが復習できてよかったです。」
お二人が、点前の順番を覚えるだけではなく、その先にある奥深さを感じて下さったのが、何より嬉しいことでした。また、一生懸命学び、和室にいることで心が落ち着くのを味わえたことも何よりでした。
「全ての動きに一つ一つに決まりがあり、覚えることが多いのにびっくりした」ということですが、そうなのです。
茶道は、まずは決まりを覚えることから始まり、繰り返し、お稽古を重ねることによって、それがどんな意味があるのかが見えてきて、よくできた決まりや形であるなあと感心するようになり、楽しくなってきます。だから道なのだと思います。
日本の習い事は、見て覚えなさいというところがあります。私も32年間お稽古を続ける中で先輩の姿や先生のお話から様々なことを学びました。
意味も分からずお点前を繰り返していて、ある時見えてきたものがありました。点だった知識が、線となって繋がりはじめたのです。
自身がこの知識をもっと早く知っていたらもっと茶道に夢中になったのに、面白かったのに、と思った経験から、今習っているお点前や季節の道具にどういう意味があり、どう先に繋がっていくか、日本の四季のすばらしさなど、座学でお話していきたいと思っています。