こんにちは。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)認定講師(IMA/ドイツ , IMCJ/日本)、マインドフルコミュニケーションアドバイザー、ヒューマンスキル研修講師のマグノリアです。
マインドフルネスやコミュニケーション、研修講師の日常についてブログに綴っています。
(ホームページへのリンクや、講座の紹介が含まれる事があります)
昔、『幸せってなんだっけ?なんだっけ?』と明石家さんまさんが歌うCMがありました。
明石家さんまさんが少し掠れた声で歌っている、その事だけでクスクス笑ってみていた子供時代。
その時、大人だった人たちはどんな心持ちで見ていたのかな?とふと思います。
ウェルビーイング(生活の満足度、幸福感)が注目されるようになり、多くの取り組みがなされています。
人はみな、誰でも『幸せでありたい』と願うものです。
そもそも日本人は、精神の安定をもたらす神経伝達物質セロトニンの分泌量が少ないとわかっています。
ストレス物質ノルアドレナリンの働きを抑えてくれるセロトニンが少ないので、高ストレスだし睡眠の質も悪くなりがち。
(ちなみに、セロトニンはリサイクルされるのですが、日本人はリサイクル率も低いんです😢)
人種的傾向として、同じ出来事に対しても悲観的に捉えがちだし、不安感を感じやすいために、事前に入念に準備をしたり、何度も確認をしたりする仕事ぶりにつながるのでしょう。
慎重であることは良い側面でありますが、盲目的に不安を募らせる情報ばかりに意識を向けて、必要以上に自分や周囲を追い詰めていくことは、『幸せ』から遠ざかる行為です。
ずいぶん昔に読んだものですが、1960年頃カナダのマギル大学で行われた
感覚遮断の実験
に伴うストーリーを思い出します。
※この実験の背景には、戦時下における洗脳的思想教育等が発端でありますが、詳細については割愛します。また、実験目的についてもトピックとは関係がないので触れません。
感覚的な刺激が極力無い環境を作り出して、複数人にそこで過ごしてもらうといったものでした。
(刺激的な感覚を排除した個室)
大学の学生に希望者を募り、期間中は用意された個室で自由に過ごしてもらいます。
目には黒いゴーグル、耳にはホワイトノイズ( 人間の耳に聞こえるすべての周波数が均等に混ざって出来ている音 )が流れるヘッドホン、手と腕は物に触れられないように覆われています。
視覚、聴覚、触覚の刺激を極力排除します。
何日でも好きなだけ過ごして良く、その間、アルバイト代も支払われます。
当時の学生のアルバイト代としては破格であったため、実験側は長期間に及ぶことを想定して、お金を充分に用意していました。
ところが、2日とたたずにリタイアを申し出る学生が続出したのです。
『こんな事、我慢できない!
刺激!!刺激をくれ!!!』
数少ない学生は、リタイア組よりも長く被験者として留まりました。
その学生は、いわゆる苦学生で、学費などを自分で賄っていました。
お金のために、まさに死にものぐるいで耐えていましたが、それもほんの少しの期間しか持ちませんでした。
一面的な捉え方ではありますが、私達が幸福感をハッキリと感じる背景には、必ず対極の辛さがあります。
仕事などの達成感は、そこに至る苦労や時間の長さによって高まります。
苦労なく手にした物の価値は何事にも代えがたいのですね。
そして、それを分かち合える存在によって、更なる幸福感へと繋がっていくのだと思います。
今、目の前にあるもの。
小さくて何気ないもの。
でもそれは、あなた自身や誰かが、気の遠くなるような頑張りを遂げた結果かもしれませんね。
ところで、冒頭の写真は、先日の会食のワンシーンです。
1番手前はカルバドス。
よく見ると、瓶の中に大きな林檎がまるまる入っています。細い瓶の入り口よりもずっと大きな林檎です。
いったいこのリンゴはどうやって瓶の中に入ったのでしょうか?
私達が見ているもの、見えているものの姿。
私達が”わかっている”と思っている事。
その『枠』を外してみたら、また違っているかもしれませんね。
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)のコースでは、『枠』から外れてみるという気づきにも触れます。
次のクラスの開催は6月頃を予定しています。
よろしければお問い合わせくださいね。
今日もお読みいただきありがとうございます。
次回も楽しみにしてます。
この実験は戦時下の捕虜の拷問にも関連するものだったことをあとから知り、戦慄しました。
達成感を感じるために、感じさせるために…自分や人にどう関わるかは永遠の宿題ですね。
いつもありがとうございます。
マグノリア