自転車を手押ししながら大津川の支流を散策していると、
散歩中の婦人に声をかけられた。
カメラをぶら下げているので翡翠を撮っていると思われたようで、
翡翠についての話だった。
が・・・・
翡翠ではなく季節の移り変わりなどを趣くままに撮り歩いています。
と答えると、
今の時季は「オオイヌノフグリ」が綺麗に咲いていますよね、
でもあんなに可憐なのに、名前がいただけない・・・・と
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言われてみると確かにその通りで、調べてみると別名があった。
「天人唐草」や「瑠璃唐草」そして「星の瞳」、
唐草と言うと何となく中国をイメージしてしまうが、
詰草の別名であり、瑠璃色の詰草と言う意味合いであろうか?
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「星の瞳」と言う人名のような名前も面白いが、
余りにも抽象過ぎる名前で、名前から花を想像することは難しい。
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ということで、
これからはなるべく「瑠璃唐草」と呼ぶことにしようと思う。
下の写真の左側は「タチイヌノフグリ(立瑠璃唐草?)」で、
花は注意して探さないと見つからないほどに小さい。
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ついでに、花に悪臭があるので「屁」と「糞」を冠して、
「ヘクソカズラ」と名前がついてしまった花について調べた。
別名は、ヤイトバナ、サオトメバナ。
日本古来からの花で、古名は「くそかづら」で、
昔も今もあの花の匂いにはこのようにしか表現できないのかもしれない。
白と赤のツートンカラーが美しいのだが・・・・
万葉集巻16では高宮王がこの花を詠っている。
「高宮王数種の物を詠む歌二首」のうちの1首目
国花大観番号3855、かわらふじに延(は)ひおほとれる糞葛 たゆることなく宮仕せむ
(かわらふじにまとわりついて広がり乱れている糞葛のようにたゆることなく宮使いをしよう)
ちなみに瑠璃唐草は、
ヨーロッパ原産の帰化植物で1887年、東京で定着が確認されている。