昨日の大町公園の出来事である。
市川動植物園の温室の近くの遊歩道を歩いていると、
足元から青白い輝きを放ちながら蝶が飛び立った。
タテハチョウの仲間「ルリタテハ」だった。
花も緑も無い早春の谷津を飛ぶルリタテハは美しく、
私の回りを上下を繰り返しながら2周ほどして、
再び、目の前のコンクリートの遊歩道の上に止まった。
羽を立てているときは(タテハの由来)、
春の強い日差しの下では黒く見えるため目立たないので、
羽を広げるのを待って撮ったのが下の写真。
2枚ほど撮ったところで飛び立ってしまったが、
暖められたコンクリートの上で、
のんびりと体を温めたかったのであろう。
邪魔をしてしまった・・・
喉が渇いていたので(この日の空気は記録的な乾燥状態だった)、
温室の自販機で飲料水を求めようと、
温室への導入路の階段を登ろうとしたら、
みたび目の前にルリタテハが現れた。
私を見ているわけではないのかもしれないが、
羽を広げてこちらを向いている様は、
「通せんぼ」をしているように私には見えた。
温室で飲み物を調達し、
温室内を一周して数枚の熱帯植物の花を撮り、
谷津の遊歩道に戻ろうとしたら、
目の前をルリタテハが横切り橡の木に止まった。
止まっている所を撮っていると、
もう一頭のルリタテハが現れ、目の前で乱舞が始まった。
その乱舞は成虫で越冬するタテハチョウが、
厳冬期を無事に生き長らえた果ての「春の歓喜の舞」のようだった。
一時乱舞すると、近くの案内板の上に止まった。
止まっている状態では争う様子が無く、番だったのかもしれない。
番の片方は再び橡に戻り樹液を楽しんでいた。
樹液を吸っている時は警戒心を弱めているので、
20枚近くの写真を撮ることが出来た。
遊歩道に戻りバラ園方向に歩いていると、
またまた目の前にルリタテハが現れた。
そのルリタテハの飛んでいる様を追っていた私は、
いつの間にか遊歩道の上で、頭部を上下させながら一周半していた。
やや離れたところでは怪訝そうに私を見ている少女が居た。
帰り際、最初に出会った遊歩道で6度目の出会いがあった。
撮り飽きていたが、やはりカメラを向けてしまった。
蝶を撮っているとは知らずに中年のご婦人2人が私を追い抜いた。
追い抜いたとたんに蝶は飛び去ったが、
その瞬間、御婦人から「あっ、ごめんなさい」と・・・・
私は何も言っていないので、
ルリタテハの飛んでゆく美しさに「侘びの心」を気付かされたのかもしれない。
ご婦人は「黒いのは見えたが蝶とは気づかなかった」と詫びを続けた・・・
巻頭の写真は「樹液場」に、
樹液を求めてやってきたハナアブを、
羽を上下させて威嚇していたルリタテハ。
ルリタテハ・・・意外と気丈なのかもしれない。
朝から雲ひとつ無い爽やかな一日となった。
近所の桜を撮りながら「大町公園」へ。
近所の桜、「シナミザクラ」が満開になっていた。
河津桜も同様に満開を迎え、
朝の光を受けて輝いていた。
大町公園では数本の「水芭蕉」が、
逆光のせせらぎの畔で「夢見て咲いて」いた。巻頭の写真。
公園内に有る市川植物園の温室では、
「ブーゲンビリア」が満開だった。
花を見ながらグアム島を思った。
庭園のあちらこちらにブーゲンビリアが咲いていた、
大人の隠れ家「藤田グアムホテル」はすでに無い。
残っているのは思い出ばかりである。
我が家のベランダでは、
赤いフリージアが夕日を受けて異様な光を発していた。
あちこちに春がやってきた。
そして明日は北に低気圧、南に高気圧という気圧配置のため、
明日か明後日には「春一番」となるのだろう。
上野恩賜公園の花見には様々な楽しみ方が有る。
そこでお奨めなのが、
桜の季節に合った展示物と、
春と秋に庭園を解放している「東京国立博物館」。
4月15日まで「博物館でお花見を」と題した催し物をしている。
博物館の庭園だけでしか見られない、
「吉野枝垂桜」、「昭和桜」、「兼六園菊桜」、「正福寺」、
「江戸彼岸紅枝垂桜」などがあり、
とくに江戸彼岸紅枝垂桜は圧巻の様相を呈する。
日本庭園に臨時に設けられた休憩所の近くには、
「さくらカフェ」が出店し、淹れ立てのコーヒーを飲むことが出来、
おにぎり弁当やおやつ菓子等も販売されている。
休憩所は露天なので、
春の暖かな日差しを浴びながら軽食や珈琲を楽しみたいものである。
エスプレッソブレンド珈琲が350円でした。
池の向こうに見える建物は茶室で、小堀遠州の「転合庵」。
不忍池周辺も見てきたが、桜はまだでした。
桜がないので変貌急な池之端のビル群を・・・・
ちなみに下の写真は2004年7月20日撮影。
巻頭の写真は公園下派出所近くにある満開の大寒桜のすぐ近くで咲いていた、
「こごめばな(桃色雪柳)」・・・
小さな蕾がチューリップ形で春らしく、
見慣れた大寒桜よりも先にこの写真を撮りました。
デジカメのローパスフィルターの清掃で都心に出たため、
上野公園の桜も取材してきた。
切手にもなった国宝の狩野長信筆「花下遊楽図屏風」を展示している、
「東京国立博物館(東博・トーハク)」本館にも立ち寄った。
で・・・
切手を手にしたときからずっと「花下」を、
「かげ」と読んでいたが「かか」だった・・・・
切手収集が高校時代だけで終わっていたのが幸いしたと今日気付いた。
本館は展示物が多く、じっくり見てると、
桜の取材や、カメラを清掃し今日中に受け取れ無い可能性もあった。
とりあえず今咲いていそうな桜を取り急ぎ撮ってきた。
巻頭の写真は、東博前庭の「河津桜」越しの「東博本館」
下の写真も「河津桜」
「小彼岸」が咲き始めていた。
公園下の交番横の「大寒桜」は満開。
「大寒桜」
「寒緋桜」
ほかに寒桜も咲いていたがすでに花の終期で、
若葉も出ており「葉桜」に近い状態だった。
今年の桜は寒さの影響か紅色が例年より濃いようである。
久しぶりの公園訪問だったが、
公園大改修はまだ続いており、大噴水周囲など立ち入り禁止区域も多い。