makoの喜怒哀楽

俳句は自分史・転記は禁じます

髪洗ふハローワークに行くために

2016-08-28 | 入選俳句39・それ以降は日記に含まれる

季語 :「髪洗ふ」

髪を洗う場面を詠んだ俳人の句をいくつか紹介します。

・  「五十なほ待つ心あり髪洗ふ  大石悦子」

    私の鑑賞。

    いくつになっても綺麗でありたい女心を感じます。

    因みに、大石悦子さんは白髪を染めもせず、それでいてとてもお綺麗な俳人さんです。

    俳句の解説もとても穏やかに話される方。

    お年を召した方の声とはまた違うハスキーボイスが私は好きです。

・  「山荘は富士の水なり髪洗ふ   星野 椿」

    旅行先で詠まれた句でしょうか。

    気持ち良さそうなのが伝わってきます。

    源水は何と行っても富士さんの湧き水ですものね。

    因みに、椿さんは星野立子さんの娘さんでもあります。

    (俳句に興味のない方にはどうでもいいことかも)

・  「亡き人と別れきれざる髪洗ふ   神尾久美子」

     切ない句ですね。

・  「せつせつと眼まで濡らして髪洗ふ   野澤節子」

     当たり前のことが詠めそうで詠めないのがこの俳句。

・  「癒えし手の吾が十指もて髪洗ふ   室田和月」

     これも情景が見えてきます。

     今まで髪を洗うにも不自由だったのがこれでくまなく髪を洗える爽快感。

・  「ヘツプバーンのやうに切りたる髪洗ふ   喜納とし子」

     これなんかとっても好きな句。

     もともとヘップバーンが好きなこともあるし、

     ローマの休日の一場面を思い出しますね。

     王妃演じるヘップバーンがロングだった髪をバッサリショートヘアーにして

     新聞記者のバイクの後ろに乗るそのシーン鮮烈でした。

     小顔のヘップバーンのショートヘアーの似合っていたこと。

     映画友が真似して短く切っていたっけ。

     この句は一粒で二度美味しい鑑賞の句です。

・  「髪洗ふ草のふかさをさぐるごと    正木ゆう子 」

     これも言い得て妙ですね。

・  髪洗ふ枝だれ身や男信じきつて    平井さち子」

     この句は妖艶な感じがしました。

 

何でこのように俳人さんの句を紹介したかというと、

「髪洗ふ」の季語の持つ意味を紹介したかったのです。

ま、ピントこない方はそれまでということで^^。

 

で、今回の私の入選句はというと、

「ハローワークに行くために髪を洗った」という句です。

多分、意外な「ハローワーク」が入選のポイントかもと自負しています。

持病が発覚して、これ以上、フルタイムの仕事に就いてゆくことは不可能だと退職しました。

もし、機械の前で倒れたりしたら会社を初め、多くの人に迷惑をかけますからね。

今でこそ、先生の見立てと薬の処方のお陰で安定していますが

当時は機械の前で、ふっと気が遠くなるようなことが多々ありました。

で、失業保険を貰うに当たっては、今後、仕事に就きたいという意志表示が前提のこと。

一連の手続きを済ませたら月1のペースだったかな

ハローワークに出かけてPCの前に座りダーッと検索してゆく訳ですね。

仕事辞めました、はい、そうですか、ではいただけない仕組みになっています。

なので、或る意味、意を決してハローワークに行く訳ですね。

シャワーと同時に朝シャンを済ませるのは日常茶飯事のことですが

それこそ痒いところを念入りにみたいな感じかな^^。

そんなことを詠んだ句でした。