悠々自適な人生探索

旧ブログ「育児奮闘記」最後の投稿から15年を経て2024年に復活。人生新たなステージを正直に、そしてアクティブに!

答えをもってないことを認める ~企業変革のジレンマ~

2025-02-24 09:43:18 | Books
 この本との出会いは、・・・覚えていないくらい購入即決だった。ネットだったか、雑誌だったか。
 今、新規事業を担当しており組織運営に常に悩んでいる。最近発生した事象にちょうど危機感を感じていた時に「構造的無能化」という言葉が目に入り、こうしてしまっていたらヤバイ。そんな危機感を抱き、即決した。

 この本が対象としている企業状態は、危機的状況になったときではなく、現事業がそこそこ順調だが伸び悩みが見えてきたとき。環境と事業が緊密に結びついた組織構造は、最適化されており意義があるが、認知が固定化されやすい。認知の狭小化は脆弱さを伴う。この状態で、組織単位での戦略アップデートをしても限界がある。それを、個人の能力や努力が足りない、とされてしまうことがある。
 面白かった事例は、遭難時の地図。山で遭難した際、隊員の一人のジャケットから地図が見付かり、それで希望が見え、数日後に下山できた。しかし、実はその地図は、違う山の地図だった。もしジャケットから出てきた地図が、ディズニーランドの地図だったら、こうはならなかっただろう。「戦略は、行為の契機になれば良く、詳細は不要。行為を通じて環境が何であるかの認知と理解が進む」
 変革の難しさは、「現在地に於いて未来のために変革を行う合理性がない」「正当に評価されるとは限らないリスクがある」「ルーティンの外側を駆けずり回る苦しさがある」「変革の結果を自分達は見れないかもしれない」この状態で、実行し続けなければならない。だから難しい、と。「変革に伴う痛みは、直面する課題に対し自分達は答えを持っていないという事実を認めざるを得ないことで生じる」

 もう、まさに「その通り」と、もやもやしていたことが言語化され、とても納得した。堂々と、これらを発信し続けよう。非合理だらけ。でも、チャレンジしていく価値があると信じている。そんな組織が「行為」につながる契機を探し続け、発信していこう。
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自分の心に問いかける ~ファラオの密室~

2025-02-16 12:09:41 | Books
 この本との出会いは、(だいぶ前になるが)王様のブランチ。Bookコーナーで、「このミス」大賞として紹介されたときに、表紙の雰囲気が私好み、ということもあり、惹かれて購入した。それから約1年間、「積読」状態だった、、、が、小説が読みたくなったときに目に入り一気に読んだ。
 ミステリー、というより、私的にはファンタジー。死後に永遠の冥界があり、そこでの幸せを手に入れるために現世界がある、という考え方に立つと、こんな展開もあるのか、と、とても面白かった。
 印象に残った言葉は、「彼を信じられない弱い心が、彼を殺してしまった」「相手を理解するための努力を自分はしていたか」。信じることの大切さ、そして、自分事化。最後に「真実とは何か」と問われ、「心のありようである」と。自分をしっかり見つめ、自分の心に問いかける。そして自分自身を常にUpdateしていくこと。内省。分かっているつもりだが、自分は本当に出来ているか。それを、紀元前を舞台にした小説に、思い出させてもらった。
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大局的に捉える ~西洋の敗北~

2025-02-02 22:23:11 | Books
 この本との出会いは、品川駅構内の本屋さん。ふらっと立ち寄った際、タイトルが強烈だったことと、「日本」という文字も目に入ってきたため、即買おうと決めた。
 ウクライナ戦争に対し、ロシア、欧州諸国、米国、その他地域国、それぞれがこれまで取ってきた行動を、その国の歴史の中の家族システムや人口構造変化から分析し、未来を予測する内容。ロシアは一貫した共産主義で、権威と平等により統制されている。犯罪率や乳幼児死亡率は劇的に改善しており、教育面でも技術者を育てている。我々が認識出来ている以上に国内情勢は安定してきている。一方西洋は、ポピュリズムが強まり、宗教が薄れ、その結果として社会的結束力が弱まってきている。でも自分たちが世界をリードしていると考えている。このようなロシアと西洋を、その他の国々は冷静に見ている。その1つの結果が、ロシアへの経済制裁に対する態度、である。
 自分自身の、ロシアや西洋、そしてその他地域国へのイメージをリフレッシュする良い機会になった。グローバルサウス、という言葉も聞くようになって久しいが、「西洋が世界をリードしていく存在であるのは、当面変わらない」と思い込んでいた自分がいた。いや、考えようとしていなかったのかもしれない。「確かに、これって考えてみれば・・・」が結構あり、読み応えがあった。そして、すでに世界は大きく動き始めていること、じゃあ日本企業としてどうするか、を、この新しい視点をもとに考えていこうと思った。
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