まだ投薬はあっても、半年前よりも明るい雰囲気で安心する。
話の大半は、今、彼の会社が進む方向性への憂いだ。
私は退職したのでもう憂う必要がなくなったが、彼はまだ憂いの真っ只中。
彼から話を聞いたら、私の元職場は驚きの方向転換をしてしまった。
Kくんはこの憂いを共有できる人がいなく、自分は異端児だと言う。
私は「あなたの考え方が間違っているだなんて思わない。でもその考え方でモヤモヤした気持ちを持ち続けたら、今の職場にいるのが苦しくなるでしょ?」と。
Kくんはこのモヤモヤした気持ちを共有できる人を探しているのだろう。
彼は私に話して共感を得られることですっきりしたかったのだ。
私はもう部外者。
Kくんの気持ちがすむならそれでいい。
だって私は彼に手を貸すことはもうできない。
そして彼の話は、経営者でなければ手出しができないことなので、一介の社員が憂いても経営に反映しない。
結局、私に話したところで考えを整理できるはずもなく、ただ話したい、誰かから賛同を得て自分の考え方が間違っていないことを確認したいのだ。
私はKくんに「あなたは今の職場でやりたいことや期待しているから憂いがあるんだよ。今の職場にやりたいことがあるうちは、辞めたいという気持ちにブレーキがかけられるはず。あなたは退職を選択する人ではないでしょ?」と。
彼は自身の力ではどうにもできないことに苦慮し、無力なことを嘆いている。
ああ、私もそんな時があったなぁって。
彼は優しく、大変真面目で、悩まなくてもいいことを悩んで…それが割り切れるなら、メンタルなんて崩さないのに。
だから私は終始彼の話の聞き役に徹した。
Kくん、あなたの憂いを解決するには、あなたが出世して経営者になるしかない。
「ヘタな考え休むに似たり」
死んだ祖父の言葉を思い出さざるを得ない。
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