makoto's daily handmades

サル舎が無くなる

今朝の新聞記事で知りました。

小田原市の小田原城址公園内にある動物園のサル舎が今年で無くなり、これに伴って小田原動物園が完全閉園になります。

時代の流れとはいえ感情が揺さぶられます。

 

私が初めて小田原を訪れたのは小学校1年生の夏休み。

再建城郭、しかもコンクリート構造とはいえ視覚的に「お城」というモノを初めて見たのはこの小田原城でした。

当時は本丸広場の半分は小田原動物園という小さな動物園がありました。

その動物園にはゾウがいましてね、そりゃあビックリしたのってなんのって。

当時、川崎市夢見ヶ崎動物公園は身近な存在だっあけれど小さくて無料の動物園はせいぜいシマウマくらいの大きさまでと思っていたのです。

ところが城門をくぐるとゾウがドーンと存在してその奥に天守閣がバーンといる…夢の世界か!くらいに興奮したンです。

ほかの動物はクジャクなどの鳥類、タヌキ?アライグマ?くらいの動物がいましたが、やっぱりゾウの圧倒的インパクトでしょうか?とはいえ私には「大きな動物園でしか見ない大きな動物」という印象が色濃かったです。

 

中学生くらいの頃川原泉さんの「フロイト1/2」という漫画を読んで、この中に小田原城址公園が登場します。

なぜ作者がこの場所を選んだのかはよくわかりませんが、自分が知っている場所が漫画に登場したことに心躍らせる能天気さはこの頃から発揮していました。

そしてMIFさんと出会って最初に行ったのも小田原城址公園だったンです。

初めて訪れた時から10年以上経っていたので、多少飼育数も変わっていましたがゾウがいて、天守閣があって、子どもの頃に見た風景が蘇ってきて、そりゃあもう嬉しさと感慨深さと、当時も「フロイト1/2」に登場した場所であることをMIFさんに話した記憶があります。

時代は経て2009年にそのゾウは亡くなったのですが、当時報道で知っても次にまたゾウをお迎えするンだろうな、と思っていました。

もう何年も小田原城址公園どころか小田原駅にすら行ってなかった私には少し遠い存在になりつつありました。

2016年頃からたまに足柄平野を散歩するようになって、小田原城址公園のゾウ舎がすっかり無くなり、片隅にサル舎のみが残っていることを知りました。

動物園の面影もほんの少しになってしまったことに一抹の寂しさはあるものの、インバウンド需要による町全体の変化にもただ驚くばかりでした。

いわば垢抜けた、というのか本丸広場もすっかりイベント会場として定着している印象でした。

ところがサル舎が無くなるという報道。

とうとう私の思い出の風景がまた1つ無くなるのか、と。

そう頻繁に行っていた場所でもないのですが、憧憬が失われる寂しさを感じています。

私でさえこう思うのだから子どもの頃から親しんでいたMIFさんはもっと寂しかろう…と思ったらそうでもないそう。

そうかMIFさんは変化をすんなり受け入れられる性格で、私がネチっこい性格なだけか、と思わずにはいられませんでした。

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