この日は日曜日。
開店前からお並びのお客様もいらっしゃいました。
品種の入れ替わりがあって、メイン農産物は4種類の品種が並び始めました。
そうなると品種ごとの説明が必要になってちょっと手間がかかります。
お客様は「どれが一番美味しい?」とおたずねになります。
販売を担当する者にとって一番困る質問です。
だって、糖度計という甘さを数値化する機械で調べると、殆ど同じ。
違いは0.1とか0.2程度なので、殆どの方はその違いに気づけない数値です。
果物の場合、糖度計の数値もかなりいい加減。
1個ずつ糖度は違うし、1つの果実の中でも場所によって糖度が違います。
果実のおいしさを糖度だけで知ろうだなんて、本来はアホくさいことなんですよ~。
そしておいしさは糖度だけで決まる訳じゃないですからね。
もしあなたが直売所で「どれが一番美味しい?」と尋ねる行為は、あなたが赤の他人から「あなたのお子さん、どの子が一番かわいい?」と尋ねられた時の微妙な気持ちになるのと同じだと思った方がいいですよ~。
ゆえに私みたいにズルい販売担当は一通りの特徴を説明したら「ご予算に余裕があれば、ぜひ食べ比べしてみてください。きっとお気に入りの品種を見つけられますよ~」とお勧めします。
なぜなら、私が好きなメイン農産物の品種は、直売所でしか買うことができない品種だから。
一般的な消費者にとって果物の知名度は、スーパーマーケットで売っているかどうか。
直売所でしか入手出来ない品種と聞けば「マズいから?」とおっしゃる消費者のなんと多いことか…。
直売所でしか入手出来ない理由は、栽培の手間がかかって生産者にとって割に合わない、流通に耐えられるほどの日持ちがしない、のだいたい2つの理由です。
私が一番好きな品種は前者で昭和の終わり~平成の初めには一大ムーブメントを作ったのですが、手間がかかるので生産量が急激に少なくなったのです。
私の実家でもあと数年しか生産しないので、今のうちに私も心置きなく食べておこうと思います。
次回も楽しくお手伝いしたいです。