私の実家の3軒隣の農家には、私の従姉のYさんがお嫁に来ています。
Yさんは私の父の姪…とは言え、彼女は昭和の頃にご結婚したのでアラ還の女性です。
長らく1人で農業に従事していましたが、今は息子さんの1人が農業を継いでくれて、2人で従事しています。
Yさんと私の実家とは隣接した農地があります。
先日、農作業の合間に父が「Yの畑の、あれは何だ?」と私に話かけてきました。
実家の畑とYさんの畑の間には青くて目の細かい農薬飛散防止ネットで仕切っているので、3メートルほど先に植わっているその作物がよく見えません。
その作物は、ちりめん状の葉で小松菜みたいな形。
私「うーん、ちりめんキャベツにしては結球してないから違うなぁ…。芽キャベツにしては育ちが悪いね、何だろうね」
父「…なんだろうな?」
私「ブロッコリーでもないね、病気でもなさそうだしね、何だろうね」
父「…なんだろうな?」
私「そんなに気になるなら、Yさんに聞けばいいンじゃあない?Yさんはお父さんの姪っ子なんだし」
痺れを切らした父が農薬飛散防止ネットをめくり上げようとするので、私がその手を止めさせると結局、ちょいと離れた所にいる母を呼び寄せて父は「Yの畑のあれは何だ?」と尋ねている始末。
母「うーん、たぶんケール?」
父「ケールなんて作ってどうするんだ?」
母「農協の直売所に出荷するンじゃあない?Yちゃん、マメに変わったモノを作って出荷しているから」
私「ケールってもっと小さいうちに収穫するモンじゃあないの?葉っぱが固くなっちゃうじゃあない?」
母「青汁にするならあのくらいの大きさで収穫するンだよ」
私「ふーん」
この会話中、青いネット越しにずっと隣の畑を見つめる3人。
この風景を知らない誰かに見られていたら「あの3人は何をしているのだろうか?」と思われていたに違いありません。
住宅街の中の畑ですから、いつご近所さん方に見られているのか、私達には分かりません…。