
前住作成の図書分類目録

萬福寺図書館図書貸出帳
古い書類の中に「図書貸出払戻控簿」と表紙に墨書された手作り帳面がありました。表紙右に「昭和十七年始」と書かれ、左下
に「萬福寺図書館」と書かれています。まぎれもなくこの筆跡は前住職三智のものです。その帳面には昭和21、22年の2年
間分しか綴じられていないのが残念に思いますが、それでも終戦直後の当時の若い人たちが如何に本を貪り読んでいたかが知られ
て感動いたします。その頃寺の本を借りた人たちの中には故人となられている方も多く、また存命の方もほとんど80才以上の方
たちです。
戦中戦後の動乱の中で前住は自分の手持ちの本を使って小さな図書館を寺に開設し、近在の人たちに本の貸出をしていたのでし
た。当時の出版事情は劣悪極まりない状況でしたから僅かな蔵書でも貪り読まれたことが伺えます。
前住が僅かな蔵書しかないのに「萬福寺図書館」と大それた名前を付けたのは将来には書籍を揃えた名実ともに「図書館」とい
いえるものにしたいと云う願望をもってのことであったのだと今思います。
昭和40年代頃、前住がふと語ったことに「あらゆる大蔵経(一切経)を備えておきたかった」と、それから少しずつ購入する
ようになったのです。もとより完全ではありませんが既に備わっていた「国訳一切経」に加えて「大正新脩大蔵経」、「南伝大蔵
経」などなどが備えられて来ました。そして辞典や字書類はよく集めたと自負しています。
今のところ図書の分類などの整理が出来ていませんので貸出しはしていませんが、閲覧や調べ物などには遠慮なくご利用くださ
いますように。いつの日にか「萬福寺図書館」を復活させたいと思っています。
境内はすっかり春ですね。アップされてた妙好人椿、春蘭を見せていただきました。静かな時間が流れていました。母も春の訪れと共に、笑顔を見せ始めました。本堂の襖絵の様な満開の桜に会えるのも、あと少しですね。
ようこそお参り下さいました。ご尊父様の百か日になるのですね・・・、私は丁度法務中でお会い出来ませんでした。折角だのに申し訳ありませんでした。
お供え忝なく頂きました。