入試問題(2)で,ポンスレー閉形定理の問題を紹介しましたが,数学史ではポンスレーを紹介する本は少ないように思いますが,この本
の最初に出てきます.射影幾何学を創めたことで有名ですが,ナポレオンのロシア遠征で捕虜になり,獄中での勉強から導き出したという,すさまじい経歴が印象的ですが,この時代のフランスの歴史もなかなか興味深いですね.私は世界史的な素養がなく,高校時代に受験で日本史を選択した関係もあり,どうしても日本史に比べて世界史的な素養が少なく,数学にかかわる中でもう少し世界史的な素養があればとこれまでも感じてきましたが,数学にかかわる中で世界史の勉強もできると考えるようになって来ましたが.
この本は数学史に関しては有名な本で,手に取られた人も多いのではないでしょうか.私も買ったものの,1巻は読んだようですが,もうあまり覚えていなくて,2巻はまだ読んでないようなので読み始めたのですが.
アマゾンなどの書評では,日本語訳がいまいちだというので,意識して読んでいくと,確かに直訳風な印象の日本語に出くわします.しかし,翻訳だからと割り切って,元の英文を想像しながら読めばそれなりに違った気持ちで読めるので,気にしていません.あまり書評に振り回されて読むのも控えたいと特に最近思いますが.
さて,世界的に読み継がれている名著らしく,単なる数学人物史ではなく,微妙に数学的な事柄も書かれており,読み返すたびに新しい発見もある本だと思います.一般に数学の本は読み返すたびに何かしらの新しい発見があるものですが,そんな気持ちで読み返すと楽しみも増すのでしょうね.
三巻あるのですが,どの巻から読んでも楽しめる本だと思います.また,人物史から数学的な内容に沿った書き方で同じ著者による
そして,本格的な数学的内容の数学史に関しては,
が面白いかと思います.
とにかく読み直すたびに新しい発見がある本は,自分にとって大切な本ですね.そんな本が増えるのも楽しみの一つです.