週一回、主に日曜の午前中に3時間ほど大学受験生を教えています。ちょうど昨年の11月以来、1年近くになります。色々忙しい高校生で、しかも遠くからお母さんに車で送ってもらって来るため、月に3回ほどしか来られませんが。
東大志望の理系の受験生ですが、高校ではセンター試験対策くらいしか、対応してもらえないようで、東大受験に対応した内容でお願いしたいということでした。長く高校で教鞭をとっていたものの、東大受験生ばかりではないのが現状で、その中でも難関大学受験用に課外授業等も行って来たので、そのノウハウはあるので、引き受けることになりました。
数学だけ教えれば東大に合格するわけでもないし、総合点で合否が決まるので、他の教科もそれなりに勉強をしないといけないので、そんなところも含めて教えているというのが実情です。色々なノウハウもある中で、ノウハウだけで、合格できるわけでもなく、そもそも勉強とはから始めて、色々なことを話しながら、さしずめ1対1のゼミのような雰囲気で教えています。そんな中から、今後は色々なトピックを紹介しながら、このブログでも紹介していきたいと思います。
今日の夜もその生徒は来るのですが、先週の教えた内容から一つ紹介します。教えながらこちらも勉強になるのが、一つの楽しみでもあります。前回は三角関数と数学的帰納法などを問う問題で、九州大学の過去の入試問題を考えました。具体的には、チェビシェフの多項式の問題で、いくつかの性質を証明する問題でした。東大でも1990年代に出題されたこともあり、京大、東工大、都立大学でも過去に出題されていて、受験用の参考書などにも掲載されていることがあるような問題です。数学的には、第1種チェビシェフの多項式と第2種チェビシェフの多項式があり、お互いに関係があるのですが、数学の本で詳しく読んだことはなく、知っている本で言えば、
にチェビシェフの多項式について、その応用も含めたことが書かれています。この先生の本は読みやすく、とにかく易しく書かれているので、読みやすいです。易しく書くということは難しく、それを実践されているこの先生の本は浅学の私には助かります。過去のブログでも同じ先生の本として、
もあります。第1種チェビシェフの多項式と、そこから定義される第1種チェビシェフ曲線では、パラメータを消去することなど、高校数学でも受験問題などでも登場する内容で、それをもう少し発展させることで、終結式の話にも繋がることになり、流石に高校数学ではそこまでなかなか話はできませんが、教師としては勉強しておくと関連することなどが見えてきます。
よく受験問題等で現れる共通解の問題などでは、二つの実数係数の代数方程式が共通解を持つ必要十分条件などを知っていれば、なぜそういう式変形をするのかも生徒に説明しやすくなると思います。また、生徒からの素朴な質問にも答えることができると思います。また、共通解の問題での式変形でも、違った視点からも考えられて、グレブナ基底を考えることにも発展させることができます。
いずれにせよ、受験問題を考える中でも、あるいは、教科書の問題を教える中でも、教師の姿勢次第では、いくらでも自ら数学を学ぶことはできると思います。高校の数学の先生にはそんな想いも伝えたいと思います。
今日はどんな展開になるか、ある意味楽しみでもある貴重な今日の夜の数学の授業、ゼミです。